Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

感謝祭のおこぼれ

2013-12-02 00:00:00 | 異文化


DVDライブラリーの記事で書きましたが、バイト先が外資系のサービス施設なので、11/28には朝からオーブンのいい匂いが職場に立ち籠めていると思ったらターキーでした。アメリカではターキー・デイと言うくらい、クリスマスと同じようなメニューのご馳走を食べる日だと今ウィキってみて知りました。まるでクリスマスの暴飲暴食への助走ですね、さすがアメリカ。

そして、「さすがアメリカ」と思ったのは胃袋だけでなくて太っ腹な心も。
違う部署の方が、お母さんが感謝祭に焼いたとケーキ(写真)を配ってくれました。どちらかというと大国主義に反米感情を持っていた私も、すっかり餌付けされてしまいました。先日も感謝祭でもないのに「いつも皆が働いてくれてるおかげだから」と贈答用の豪華なパッケージのチョコレートを配ってくれた方もいたし。日本の会社もよくお土産のお菓子が配られたりするので、そういう意味では理由が土産でも感謝でも同じなんですけどねw

バイトを始めて新鮮なことがあります。それは、私の配属部署で、この私が「新人さん」になっていることです!私の年齢は記事から皆さんお察しのとおりですが、前のバイト先なんて塾ですから私以外全員大学生でそれはそれで楽しかったのですが。そして、今日は入社以来、初めてのひとりでの遅番。私がリラックスしてしまうのは当たり前ですけど、部署に出入りする社員さん達までがリラックスしてたのが可笑しかったです。私が新人、ということで部署の平均年齢もお分かりですね?

そして面白いことに気づきました。社員は多国籍で、日本人社員もフレンドリーな人が多く暖かい雰囲気ですが、「新しく入ったの?」と声をかけてくるのは9割が非日本人。そうするとその次は自己紹介をしあって名前を言うんです。日本人の場合は、そこはすっとばして「もう慣れた?」と聞いてくれます。そして在日本の多国籍企業だな~と思ったのが、「Are you new?」で始まり外国式に名前を確認してから、日本語で「(私のファーストネーム)ちゃん、がんばってね!」と声をかけてもらったこと。やはり母語でそう言われると「ジーーン」ときちゃいました。いや、ちゃん付けされるような年齢でもないんですけど、新人ですから!


ハワーズ・エンド

2013-12-01 00:01:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
Hedgehogさんが蔵書整理のため映画パンフを希望者に無料で譲って下さった時に、「ハワーズ・エンド」のをいただきました。しかも、家にはイギリスの新聞THE SUNDAY TIMESの付録のDVDがころがっていたので、1992年のこの作品を久しぶりにパンフの解説付で見たのです。



E.M.フォースター原作でジェイムズ・アイヴォリイ監督映画作品は「眺めのいい部屋」「モーリス」の方が有名ですが、このどちらかと言うと地味な作品も忘れ難いのでした。

というのは、タイトルは家の名前で、この小さな家と庭が、「2001年宇宙の旅」のHALのように、パレーズ・エンドのグロウビー・ツリーのように、人間にも負けない美しくてせつない存在感があったからです。

改めて見て、ますます、これはストーリーありきだなあと確信しました。いつものように、まったく偏った個人的好みで書きますが、これでアカデミー主演女優賞をとったエマ・トンプソンが、どうも好きでない。彼女は「日の名残り」や「いつか晴れた日に」などの固い役の時には大好きなのですが、本作では、頭脳明晰で美女、資本家の男(アンソニー・ホプキンス)の心も得る立ち回りのうまい女性を演じていて、それがちっとも美しく見えないのです。男をうまく操るなんてすごく似合わない~。しかしこのお話でも20世紀初頭の品のよい服を着こなしてそれがよく似合っています。それなのにちょうどDVDを見た直後、ふたりのドクター=マット・スミスとデイヴィッド・テナントが見たくてBBCのグレアム・ノートン・ショーを見たら、エマ・トンプソンもゲストで、しかも!ピタピタのレザーの服が、あまりにも似合ってなくて硬直してしまいました。いや、21世紀のトークショーにまでクラシックな服は着なくていいけど・・・あれは・・・誰もNGを出せなかったのかしら・・・アカデミー賞女優だからな・・・言えないかも・・・

逆に今はワーストドレッサー賞常連のヘレナ・ボナム・カーターは、この頃まではまだ可愛いです。感情の激しい役が相変わらずお似合い。エマ演じた賢い長女よりも、ヘレナの直情型次女に好感さえ持ってしまいました。

「モーリス」や「ハンドフル・オブ・ダスト」でスターになったジェイムズ・ウィルビーは役にとても似合っていました。意地悪なお金持ち。もしジュード・ロウがやれば似合う上に大好きだけど。

そして残念でならないのは、貧乏で芸術好きの青年役のサミュエル・ウェストも、すごくいい役なのに、魅力があとちょっとのところで惜しい・・んです。


彼がいなくてはこの話はなかったというくらい重要な役なんですけど、もちろんハンサムで同情には値する魅力はあるのですけど、存在感にもの足りなさを感じる私が悪いのでしょうか。

ところで、いただいたパンフレットを読んで驚いたことは、フォースターが同性愛者だったことです。それで「モーリス」なんだ、と21世紀になって知りました。だから、作品テーマに価値感の異なる人とのぶつかり合いと関わりが出て来るのだと、今頃知りました!そうだったのですね~~~。ゲイの人達の創作するものって、マイノリティの心を持ってマジョリティと共存する世界観にすごく共感する作品が多いんですが、あー、そうだったのですかー、あの文豪と言われる人までが。

それと最後に。ハワーズ・エンドの家は、人の所有物として受け継がれて生きていきます。このお話では、まずヘンリー(ホプキンズ)の前妻の実家でした。そして彼女が亡くなる前にマーガレット(エマ)に相続すると遺言を書くのですが、彼女達の関係は友人であって親戚でもなんでもないのです。そんなことってあるのか・・・と思ったら、現実にもあったのです。

私の義母の友人が、ロンドンの大英博物館とトッテナム・コート・ロード駅の間という至便な場所の大きな古い家の中にフラットを持っています。私は妊婦の時にここに滞在させてもらい最寄りの出産病院を登録したので、ロンドン大学病院というノース・ガウアー・ストリートにもラッセル・スクエアにも近いシャーロック・ファンには嬉しい場所で子供を産みました。いや、そんなことはどうでもいいのですが、そのフラットをなぜ母の友人が持っているかというと、彼女は若い頃ナースをしていて、そのフラットの住人だった老女を看護していました。そして患者さんが亡くなった時に、よく世話をしてくれたと感謝の印にフラットを彼女にくれたそうなんです!

その友人さんとは何度か会ってますけど、特に天使のような人でもないし、うーむ。私にはまだ人の心の価値を見る目がないのか。。。彼女はフラットをもらっただけでなく、それはまだ彼女の人格と仕事がもたらしたものですが、なんと懸賞で「コンコルドの旅」も当てたことがあるという運のいい人なんです。。。。私の昔の夢はコンコルドに乗ることでしたから羨ましいことこの上ありません!