Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

本「戦火の馬/War Horse」

2014-08-29 20:52:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
wikiに掲載の初版本(1982)

原作本を読みました。日本語と英語と揃えて、日本語で何かひっかかった時には原文を見て・・・という早さと正確さで1番好きなやり方です。日本語になると「his」が抜けて別の人のものとも意味がとれたりして紛らわしかったり、「血反吐が出る」という言葉に違和感を感じて英語を見たら「to bleed」で、これなら「血が出る」でいいと思うんですが、訳者さんの感覚で誇張されたのかもね、なんて思ったり。

そうそう、映画でベネディクトが演じたジェイミー・スチュワートの階級は「major/少佐」でトムヒさんのニコルス「captain/大尉」よりも1階級上なんですが、原作ではふたりともcaptainでした。

ストーリーの大筋は、舞台や映画でも同じでした。でもジョーイの感じたことは本ではなくては読めませんでしたので、やはり舞台で盛り上がった人にはぜひお勧めです!ストーリーで舞台にも映画にもないのは、ジョーイがアルバートに再会してからイギリスの故郷に帰るまでの、更なる困難。ジョーイに起った試練と第一次世界大戦で軍馬が政府に強いられた境遇が描かれています。とは言え、舞台と映画でもちゃんと原作の意図はしっかり反映されています。

日本語訳は佐藤見果夢という人です。「あとがき」がよかったので紹介します。

作者のマイケル・モーパーゴのこの本を書いた動機をあげています。

そのうちのひとつが、第二次世界大戦中に生まれた本人にとって、大人に戦争の話を聞くことが多かったこと。戦地へ行った老人が、帰れなかった友を思って涙を流しながら、「死を恐れる話は誰にも言えなかったから馬に話した」と語ってくれたそうです。

もうひとつは第一次世界大戦での馬のようすの絵を見たことがきっかけとなり、馬の使われ方を調べたのだそうです。馬は過酷な環境で闘い、多くの馬が命を失った。何とか戦闘や病気を生き抜いても、馬を終戦後に待っていたものは、本国に輸送するには費用がかかるのでフランスの肉屋に食肉用に売るという決定だったと。

モーパーゴは、児童小説家としてイギリスではよく知られているようで、著作は300作以上もあります。
私が勤務先内にある図書館にWar Horseの英語本を探しに行った時も、書名を言ったら「ああ、モーパーゴの!」とスタッフの人も知っていました。彼女、たぶんイギリス人です。「お芝居が日本に来るってきいたけど・・・」と言われたので「見て来ました。よかったから2回も。それで本読みたくなって。」と答えました。そしたら「映画もあったわよ!」と言われ、私も「そっちも見ました」と即答したんですが、ベネディクトがきっかけで・・・とはまだ言ってません。まだあわよくば知的な人と思われていたい(笑)。

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2 コメント

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Unknown (sofiaandfreya(しましま))
2014-08-30 22:32:48
紅さん

原作が先か、映像が先か、私にはどっちがいいのかわかりません(笑)
シェイクスピアみたいに台詞が一度見たり聞いたりしただけでは
難しいかも・・・というのは予習がいいと思いますけど、本を読むのは
ひと作品見るよりも確実に時間がかかるので大変ですよね。
その点「戦火の馬」は子供の本なのでかなり楽で、しかも映像では絶対に
聞けない馬の胸の内が読めてよかったです~♪

ね!なぜスピルバーグは階級に差をつけたのか気になりますよね!
もしかして、ジョーイから見たトップソーン像を映像で伝えるのは難しいので、ニコラスより上官の馬ということにして、気高さを示したのか、
シャーロックのベネディクトを見てキャスティングしたから
威張ってるイメージがあったのか(笑)

馬が痛い思いをしてるのは本当、だめです~
涙が・・・・・!!!!
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Unknown (sofiaandfreya(しましま))
2014-08-30 22:36:55
拍手コメント、ありがとうございます~!

そうなんです~!同じ戦争の犠牲者としても人間よりも動物が辛いです。
しかし、そのことも作者のモーパーゴは後世の人達に伝えたくて
この本を書いたということなので、出会えてよかったと思います。
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