ビリー・エリオットのミュージカルは2009年にロンドンで見ていました。(その時の感想がこちらの過去記事にチラリと。)
これは、一緒に見た当時7歳の娘が作ったスクラップブックで、アイスのふたも貼ってある(笑)
こちらはパンフレットの表紙
3人ともビリー役。彼らも今回のライブ収録で、歴代のビリーとしてステージに上がっていたのでしょうけれど、見つけられなかったなあ。
映画の「BILLY ELLIOT/リトル・ダンサー」は2000年、そしてミュージカルのこちらは2005年に初演でした。
物語の舞台は1984年のイギリス北部の炭坑の町。サッチャー政権のもと、炭坑閉鎖にあえぐビリーの父親と兄を含む労働者達。ビリーのママは亡くなっていて、ちょっと認知症のおばあちゃんがいる。ビリーはボクシング教室の後にあったバレエ教室にパパに内緒で通いダンスに夢中になる。先生はビリーの才能に気づきロイヤルバレエ学校のオーディションを受けて、ビリーに正規の教育を受けさせたいが、男がバレエなんて何の冗談かと思う田舎者の親父さん・・・
映画の方も好きでしたが、ミュージカルはもっと好き。
第一印象でしか比べてませんが、映画は(私の見た時に知識がなかったからかもですが)炭坑夫のストやサッチャー政権のしていることがあまりよくわからず、暗いイメージが強く残り、ビリーの家族やバレエの先生もイギリスの田舎の人達以上の印象がなかったのです。
映画で加点がぐぐーーっとつくのはラストシーンで、ダンサーになった14年後のビリーとしてアダム・クーパーが「白鳥の湖」を踊り、女装が趣味だったマイケルが客席で拍手をおくっていました!
ミュージカルでは歌と踊りが増えるし、私の印象ではお笑いシーンも多いので、ストや政治の怖いシーンもありますが暗さはあまり記憶に残りません。それに演出や舞台デザインでその辺の難しそうな話もよくわかるようにできていました。
そして何と言っても息をのむのは、ビリーが、ずっと舞台で歌って踊りっぱなしで、演技も上手なことです。12歳前後の子供の能力に胸を打たれてしまいます。
ミュージカルだからなんですけども、踊るのはビリーやバレエ教室の女の子達だけでない。炭坑夫も、警察官も、ビリーのおばあちゃんも歌って踊る何とも不思議な光景がかわいいったらありません!
80年代前半の衣装もすごくかわいい。特別な衣装じゃないけれど、アディダスのレトロなジャージとか、とってもださいビリーパパのエプロンとか、真面目に言えばビリーの友達のマイケルが、眼鏡のナードっぽいいじめられっ子っぽい子なんだけどグレーのダッフルコートにカラフルなニット帽姿がとってもオシャレなんですよ!と言ってもそれはたぶんごく普通のイギリスの制服姿なんだけど。彼のママのクロゼットにはファンキーなドレスが詰まってたからママの血筋なのかな、女装は。
マイケルはクリスマスパーティーのくじでボールが当たりますが、乙女な彼は他の子と「シンディー」ちゃん人形に交換してもらいます。シンディーはイギリスオリジナルの人形で60~80年代に大人気で着せ替えのお洋服もオシャレなんです!(実は私も数体持っております。)イギリスの客席はけっこう年齢層が高く、ここで笑いが出てました。
シンディーちゃん人形のように、80年代を象徴する固有名詞は台詞にもいくつか出てきたのですけれども、残念ながら私にわかった人名は有名なボクサーの名前くらいだったかなあ。
現在でもそうですが、バレエが小さい女の子の憧れなのに反し、男の子のバレエダンサーは全員ゲイだとの誤解をビリーのパパが体現しておりました。たったひとつだけ私が首をひねったのは、そんなお父さんが、ビリーが一人で「白鳥の湖」を踊っているのを偶然見てしまった時に、息子には才能があると目から鱗が落ちたことです。まったくバレエを知らない人の心をも揺さぶったのはわかるけれども、それでロイヤルバレエ学校に行かせなくては!という決心に至るには、お父さん見る目がありすぎやしない?ただの炭坑夫なのに。
これに回答があるとしたら、ダンス好きのビリーのおばあちゃんでしょうか。男性に頼って生きるしか道がないと思ってた時代のおばあちゃんは、踊っている時だけ嫌な現実を忘れて夢中になったと歌っていました。その血をビリーのお父さんも一応ひいてるわけですので。
12/11追記
ロンドンで見た生の舞台と、今回のライブ映画を一緒くたに感想書いてしまいました。
実は私、生と映画と両方を見たのは初めてでした!
月並みですが生身のパフォーマンスを目の前で見るのは実体験ですので緊張感と迫力は映画の比ではないんですね!客席の中で、集中のあまりどういうわけか身動きもできない(笑)。
特にビリーの場合は踊りも激しいし子供だしで、ついつい見守ってしまうナニー目線もあったのかも知れません。バレエの舞台は大人でも技が成功するかどうかひとつひとつのステップをドキドキしながら見てしまいます。
一方、映像の利点はアップで見られることと字幕があることにつきます。
顔の表情だけでなく、全身を見るダンスシーンは劇場最前列で見ているくらいの距離感でカメラがとらえてくれていました!そして字幕は、聞き取りにくいイングランド北部訛りの英語ではわからなかった細かい台詞がやっと理解できますからね~
そして、今回のライブ映画収録舞台では歴代のビリー役を演じた少年達が成長して集合したラストシーンも大迫力でした。12歳前後から10年近く年月が過ぎれば皆大人になって、そして皆ダンサーを続けているということに感動しました。変声期前の少年の細い身体もかわいいけれど、大人のダンサーの筋肉は芸術作品なみに美しいと思います。だからバレエファン以外の人からは疑問に思わているけど男性のコスチュームがタイツなんだと思うんです。下半身の筋肉の動きが見せ場なのですよね!
Good News !!
当初はたったの1週間のみの上映予定でしたが、12/12(金)からTOHOシネマズ有楽座にてのアンコール上映が決まったそうです! 公式サイトはこちら。
これは、一緒に見た当時7歳の娘が作ったスクラップブックで、アイスのふたも貼ってある(笑)
こちらはパンフレットの表紙
3人ともビリー役。彼らも今回のライブ収録で、歴代のビリーとしてステージに上がっていたのでしょうけれど、見つけられなかったなあ。
映画の「BILLY ELLIOT/リトル・ダンサー」は2000年、そしてミュージカルのこちらは2005年に初演でした。
物語の舞台は1984年のイギリス北部の炭坑の町。サッチャー政権のもと、炭坑閉鎖にあえぐビリーの父親と兄を含む労働者達。ビリーのママは亡くなっていて、ちょっと認知症のおばあちゃんがいる。ビリーはボクシング教室の後にあったバレエ教室にパパに内緒で通いダンスに夢中になる。先生はビリーの才能に気づきロイヤルバレエ学校のオーディションを受けて、ビリーに正規の教育を受けさせたいが、男がバレエなんて何の冗談かと思う田舎者の親父さん・・・
映画の方も好きでしたが、ミュージカルはもっと好き。
第一印象でしか比べてませんが、映画は(私の見た時に知識がなかったからかもですが)炭坑夫のストやサッチャー政権のしていることがあまりよくわからず、暗いイメージが強く残り、ビリーの家族やバレエの先生もイギリスの田舎の人達以上の印象がなかったのです。
映画で加点がぐぐーーっとつくのはラストシーンで、ダンサーになった14年後のビリーとしてアダム・クーパーが「白鳥の湖」を踊り、女装が趣味だったマイケルが客席で拍手をおくっていました!
ミュージカルでは歌と踊りが増えるし、私の印象ではお笑いシーンも多いので、ストや政治の怖いシーンもありますが暗さはあまり記憶に残りません。それに演出や舞台デザインでその辺の難しそうな話もよくわかるようにできていました。
そして何と言っても息をのむのは、ビリーが、ずっと舞台で歌って踊りっぱなしで、演技も上手なことです。12歳前後の子供の能力に胸を打たれてしまいます。
ミュージカルだからなんですけども、踊るのはビリーやバレエ教室の女の子達だけでない。炭坑夫も、警察官も、ビリーのおばあちゃんも歌って踊る何とも不思議な光景がかわいいったらありません!
80年代前半の衣装もすごくかわいい。特別な衣装じゃないけれど、アディダスのレトロなジャージとか、とってもださいビリーパパのエプロンとか、真面目に言えばビリーの友達のマイケルが、眼鏡のナードっぽいいじめられっ子っぽい子なんだけどグレーのダッフルコートにカラフルなニット帽姿がとってもオシャレなんですよ!と言ってもそれはたぶんごく普通のイギリスの制服姿なんだけど。彼のママのクロゼットにはファンキーなドレスが詰まってたからママの血筋なのかな、女装は。
マイケルはクリスマスパーティーのくじでボールが当たりますが、乙女な彼は他の子と「シンディー」ちゃん人形に交換してもらいます。シンディーはイギリスオリジナルの人形で60~80年代に大人気で着せ替えのお洋服もオシャレなんです!(実は私も数体持っております。)イギリスの客席はけっこう年齢層が高く、ここで笑いが出てました。
シンディーちゃん人形のように、80年代を象徴する固有名詞は台詞にもいくつか出てきたのですけれども、残念ながら私にわかった人名は有名なボクサーの名前くらいだったかなあ。
現在でもそうですが、バレエが小さい女の子の憧れなのに反し、男の子のバレエダンサーは全員ゲイだとの誤解をビリーのパパが体現しておりました。たったひとつだけ私が首をひねったのは、そんなお父さんが、ビリーが一人で「白鳥の湖」を踊っているのを偶然見てしまった時に、息子には才能があると目から鱗が落ちたことです。まったくバレエを知らない人の心をも揺さぶったのはわかるけれども、それでロイヤルバレエ学校に行かせなくては!という決心に至るには、お父さん見る目がありすぎやしない?ただの炭坑夫なのに。
これに回答があるとしたら、ダンス好きのビリーのおばあちゃんでしょうか。男性に頼って生きるしか道がないと思ってた時代のおばあちゃんは、踊っている時だけ嫌な現実を忘れて夢中になったと歌っていました。その血をビリーのお父さんも一応ひいてるわけですので。
12/11追記
ロンドンで見た生の舞台と、今回のライブ映画を一緒くたに感想書いてしまいました。
実は私、生と映画と両方を見たのは初めてでした!
月並みですが生身のパフォーマンスを目の前で見るのは実体験ですので緊張感と迫力は映画の比ではないんですね!客席の中で、集中のあまりどういうわけか身動きもできない(笑)。
特にビリーの場合は踊りも激しいし子供だしで、ついつい見守ってしまうナニー目線もあったのかも知れません。バレエの舞台は大人でも技が成功するかどうかひとつひとつのステップをドキドキしながら見てしまいます。
一方、映像の利点はアップで見られることと字幕があることにつきます。
顔の表情だけでなく、全身を見るダンスシーンは劇場最前列で見ているくらいの距離感でカメラがとらえてくれていました!そして字幕は、聞き取りにくいイングランド北部訛りの英語ではわからなかった細かい台詞がやっと理解できますからね~
そして、今回のライブ映画収録舞台では歴代のビリー役を演じた少年達が成長して集合したラストシーンも大迫力でした。12歳前後から10年近く年月が過ぎれば皆大人になって、そして皆ダンサーを続けているということに感動しました。変声期前の少年の細い身体もかわいいけれど、大人のダンサーの筋肉は芸術作品なみに美しいと思います。だからバレエファン以外の人からは疑問に思わているけど男性のコスチュームがタイツなんだと思うんです。下半身の筋肉の動きが見せ場なのですよね!
Good News !!
当初はたったの1週間のみの上映予定でしたが、12/12(金)からTOHOシネマズ有楽座にてのアンコール上映が決まったそうです! 公式サイトはこちら。
>4年後のビリーとしてアダム・クーパーが「白鳥の湖」を踊り、女装が趣味だったマイケルが客席で拍手
あのラストは、映画ならではの趣向で、ほんとに良かったですよね。もっとも、舞台は舞台で、意外かつ愉快なカーテンコールを入れることで、舞台ならではの趣向を楽しませてくれてましたけど。
ただ、あのマーガレット・サッチャーをdisる歌は、実際に彼女が亡くなった直後の公演でも歌われたのかしらとちょっと気になりました。歌っちゃいけない、とは思わないですけどね。私もどちらかと言えば反サッチャー陣営ですし。でも、客席がちょっと微妙な空気になりそうな気もして。
誰でも白いチュールのスカートをはきたくなってしまいますよね(笑)
最後にあんなさわやかな踊りを熱演されて、ストのサッチャーdisは
忘れてしまうように仕組まれているのかもしれませんね!
首相の亡くなった直後も劇場公演はあったのでしょうかね~
考えてみれば実在の人物をあんなふうに扱ったこと、
しかもそれが事実に基づいていること、
批判が自由なイギリスらしい作品だったんですね。
日本だったら圧力かかって削除されそうです。
気づいたようで、一緒にライブ映画を見てからこのファイルを
出してきたのです!
しかしせっかくロンドンの劇場で見せてあげても、
記憶はアイスのことしか残ってないそうです。