エドワード・バーン-ジョーンズ「ヘスペリデスの園」
すまうぐ~~~~
「ザ・ビューティフル ー 英国の唯美主義1860-1990」へ行って来ました。
タイトルに年代が入っているとおり、ヴィクトリア時代(1837-1901)と重なっているこの運動、実は過去のヨーロッパの美術様式がぐちゃぐちゃになって何でもあり状態だった反発だったそうです。
と言われても私はピンと来なかったのですが、美術やデザインが近代的になる前の、クラシックの最後のあがきだったのかな、と展示を見て思いました。オスカー・ワイルドやその代表作サロメで有名なイラストレーター/ビアズリーもこの運動に含まれていて、デガダンスな香りです。
ビアズリーのサロメ
アールヌーボーの起源はイギリスだそうで、この展示にあった絵の女性のポーズやドレス/小道具はフランスのミュシャの絵画にそっくりなものも。でも絵画の手法はミュシャみたいに画期的ではなく相変わらず油絵でクラシックなんですよね。
でも展示のテーマのひとつには「ジャポニズム」もありますし、未知のものを取り入れようという意気込みは感じます。イギリスの目から見た和洋折衷なインテリアがおもしろかった。自分で使うにもよさそうでした♪
でも今見るとこの運動の最大の発明は「ウィリアム・モリスのグラフィック」じゃないでしょうか。だって、今でも現役デザインで、壁紙や生地が販売されてるんですよ、世紀のベストセラー・デザイナーですよね?!
「苺泥棒」というタイトルが好きです
「孔雀とドラゴン」すまうぐ~~~~
で、でね、今回の展示にもいくつかあった唯美主義の代表画家ロセッティは、モリスの奥さん/ジェーンの絵をたっくさん描いてるんです。しかもそれが彼の代表作だったりして。つまり、モリスとジェーンとロセッティは三角関係だったのですね。奥さんを他の男の専属モデルみたい(実際は売れっ子モデル/ミューズだった)にさせとくなんてモリス太っ腹・・・ではなかったでしょうね。きっとジェーンをめぐって、ロセッティがより艶やかに彼女を描けることにも嫉妬して、モリスは「ヘーンだ、絵なんて古い、時代はデザイン、グラッフィックだね!これなら負けないもんね!だから頼むよジェーン、帰って来ておくれ~~」ってな愛憎劇が展開され、アート界は活性化・・・したのだろうか。
ところで、この運動は1900年までと紹介されていますが、私は展示を見ていてふつふつとパレーズ・エンドを思い出していました。美術史で言えば20世紀に入っちゃうと近代なんですが、18世紀にしがみつくクリストファーですもんね、19世紀のアートでさえ彼には新しすぎてついていけない感があったでしょう。マクマスターのサロンで中国のお香に耐えられなかったシーンありましたよね。
この部屋の壁紙なんて、とってもモリスっぽいです。
下はモリスの「クローバー」
今思うと絵画のように美しいドラマなのでした。。。
この白鳥の絵がアップで映された残像が私の脳内に残っていて、
↓この絵を見てパレーズ・エンドだ~っと胸がこみ上げたのでした。
すまうぐ~~~~
「ザ・ビューティフル ー 英国の唯美主義1860-1990」へ行って来ました。
タイトルに年代が入っているとおり、ヴィクトリア時代(1837-1901)と重なっているこの運動、実は過去のヨーロッパの美術様式がぐちゃぐちゃになって何でもあり状態だった反発だったそうです。
と言われても私はピンと来なかったのですが、美術やデザインが近代的になる前の、クラシックの最後のあがきだったのかな、と展示を見て思いました。オスカー・ワイルドやその代表作サロメで有名なイラストレーター/ビアズリーもこの運動に含まれていて、デガダンスな香りです。
ビアズリーのサロメ
アールヌーボーの起源はイギリスだそうで、この展示にあった絵の女性のポーズやドレス/小道具はフランスのミュシャの絵画にそっくりなものも。でも絵画の手法はミュシャみたいに画期的ではなく相変わらず油絵でクラシックなんですよね。
でも展示のテーマのひとつには「ジャポニズム」もありますし、未知のものを取り入れようという意気込みは感じます。イギリスの目から見た和洋折衷なインテリアがおもしろかった。自分で使うにもよさそうでした♪
でも今見るとこの運動の最大の発明は「ウィリアム・モリスのグラフィック」じゃないでしょうか。だって、今でも現役デザインで、壁紙や生地が販売されてるんですよ、世紀のベストセラー・デザイナーですよね?!
「苺泥棒」というタイトルが好きです
「孔雀とドラゴン」すまうぐ~~~~
で、でね、今回の展示にもいくつかあった唯美主義の代表画家ロセッティは、モリスの奥さん/ジェーンの絵をたっくさん描いてるんです。しかもそれが彼の代表作だったりして。つまり、モリスとジェーンとロセッティは三角関係だったのですね。奥さんを他の男の専属モデルみたい(実際は売れっ子モデル/ミューズだった)にさせとくなんてモリス太っ腹・・・ではなかったでしょうね。きっとジェーンをめぐって、ロセッティがより艶やかに彼女を描けることにも嫉妬して、モリスは「ヘーンだ、絵なんて古い、時代はデザイン、グラッフィックだね!これなら負けないもんね!だから頼むよジェーン、帰って来ておくれ~~」ってな愛憎劇が展開され、アート界は活性化・・・したのだろうか。
ところで、この運動は1900年までと紹介されていますが、私は展示を見ていてふつふつとパレーズ・エンドを思い出していました。美術史で言えば20世紀に入っちゃうと近代なんですが、18世紀にしがみつくクリストファーですもんね、19世紀のアートでさえ彼には新しすぎてついていけない感があったでしょう。マクマスターのサロンで中国のお香に耐えられなかったシーンありましたよね。
この部屋の壁紙なんて、とってもモリスっぽいです。
下はモリスの「クローバー」
今思うと絵画のように美しいドラマなのでした。。。
この白鳥の絵がアップで映された残像が私の脳内に残っていて、
↓この絵を見てパレーズ・エンドだ~っと胸がこみ上げたのでした。
実家の近くに明治期に建てられた華族のお屋敷があり何度か拝観しました。
車寄せがあり、広い玄関を入ると装飾の階段。上がると二階は広い舞踏室で
大きな暖炉と片隅にはグランドピアノが置かれていました。
実際に使われていた頃の家具調度で飾られた様を一度見てみたいと思いました。
本当に「パレーズ・エンド」は夢のように美しいものがたくさん見られたドラマでした。
しかし、その中での愛憎は余計に胸に迫ってきます。
ところで、前言撤回させていただきます。
ショーン様、メイキング映像みるとスラリとして背は低い感じがしない。
ひょっとして新米の駆け出しという印象を強めるための映像そうさでしょうか?
リバプール訛りは全く判りませんが、以前オノ・ヨーコさんが「ジョンは訛っているのよ」と楽しそうに思い出話をしていたのを思い出しました。
そうか、日本で言うと明治・・・そりゃ近代ですね。
クラシックとモダンの中間なので、今の日本の住居でも重厚すぎず合うのでしょうね~私も展示の家具や調度品を見ながら、こういうのは家の中で
見たいものだ・・・と思っていました。華族のお屋敷なんてもってこいですね!!
<<その中での愛憎は余計に胸に迫ってきます。
いやまったく!美しいものに囲まれた美しい人の不幸が胸にしみます。
ショーンはモース役で痩せたように思えます。
新米にしても、あれでは少年のようですわ。
177cmって小さくはないけど長身とも言えない。
バランスのせいで一般的な日本人より背が高く見えることはあると思います。
「ミスティック・アイズ」のインタビューではショーン訛ってなかったのに、
ここ最近のインタビューではアクセントあるんですよ!ジョン・レノンと同じと思うとさらにかわいいもんだと思えますね!
映画もクラシックの正統派がお好みに多いようですので、
紅さんはどちらかと言うとクラシック派?
クリストファー派とでも名付けましょうか?!(笑)
クラシックの中でも近代に一番近いクラシックなので身近にも感じられます。私はマホガニーの重い茶色の家具で重厚なデザインは苦手なので
この時代の軽やかさが好きでした。
そして、イギリスに住んでいた時はあまりクラシック絵画に興味がなくて
博物館&美術館でも見なかったので、死ぬまでにはこういう絵の
たくさんあるロンドンのギャラリーでも見学したいと思いました。
紅さんもぜひこの作戦で!生きているうちに、ならあせらなくても大丈夫な気がしませんか?きっといつかは!
おおお、白鳥の絵はあんなところにあったんですね! やっぱりあのドラマ、近いうちにもう一回見直さなくちゃ。そして、あの美術展に早く行かなくちゃ……!
>18世紀にしがみつくクリストファーですもんね、19世紀のアートでさえ彼には新しすぎてついていけない感があったでしょう。
そう言えば、「パレーズ・エンド」の中でマクマスターがロセッティの詩を読み上げた時も、クリストファーはボロクソに言ってましたねw
ロセッティ好きのマクマスターとラファエル前派趣味のイーディスの二人が、ふんだんにお金をかけて作った新居の壁紙がモリスっぽいのも当然かも。ただ、その新居の元手を出したのは実は「18世紀にしがみつくクリストファー」だったことを考えると、笑っていいのか泣いていいのか分かりません~。
あの詩はロセッティだったんですか!まったく聞いてませんでした。ヤバいです。そして、イーディスのこと、何かにロセッティ風の美人と書いてあったような気がして、今回の記事を書くにあたりちょっと調べたのですが探し出せませんでした。私は彼女のルックスが苦手でその描写になるほど~っと唸ったので覚えていたんです。そうですか~、彼女自身がラファエル前派好きだから、ああいう格好をしているのですね!
そして、モリスの壁紙は当時だって高級品なはず!絶対本物ですよ。サロンに来るのはそういうのに目敏い人達ですし。
まったく、クリストファーのフラットは空っぽにされてしまったというのに~~~
そういう観点からもまたパレーズ・エンドは見られるドラマですね。見なくっちゃ♡
(ワークショップ、私行けることになりました。ドラマを見てからの出席を奨励されてますので復習した方がいいですものね~)
>イーディスのこと、何かにロセッティ風の美人と書いてあったような
それ、記事じゃなくて、ストッパードの脚本のト書きですね。"a Pre-Raphaelite beauty, almost"(53ページ)。私がラファエル前派っぽいと思ったのは、第5話で百合に囲まれて寝ているシルヴィアのほうだっただけに、このト書きを読んで「げげっ」と思いましたw
あと、今ネット検索してて知ったのですが、マクマスターがイーディスを'Guggums'という意味不明な愛称で呼んでいたのは、ロセッティが(ずるずると愛人関係を続けていた)エリザベス・シダルをそう呼んでいたからなんですね。なるほど、それを耳にしたヴァレンタインがイヤそうな顔をするのも当然だわ。
>ワークショップ、私行けることになりました。
おお、それは良かったです!
ああ、それでマクマスターとイーディスの芝居じみた会話にヴァレンタインが「アホか」という反応をしたんですね?!あのシーンの意味がやっとわかった!あの二人はアートおたくバカップルだったんですね?!
私は脚本を読んでいないので、おそらく脚本について誰かが語ったのを読んだのでしょう。その時までイーディスの趣味の悪いおばちゃんみたいな格好は何なんだろうと思っていたのが、ああ、そう言えばあの時代の女性にこういう髪型に化粧の人は絵に描かれていた!と納得した覚えが^^; 百合に囲まれたシルヴィアの方がおっしゃる通りラファエル前派でした!川を流れるオフィーリアのような自己演出でしたね。(でも演技が効果ないとわかった時真顔に戻ってあの芝居じみた演出が滑稽になったのも可笑しい)
流行への対応の仕方で人物像がよりわかりやすいです。当たり前だけど、あの当時は現代小説だったんだ・・・・