Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

お馬さまに乗らせていただく

2016-10-15 09:14:00 | いろいろ
せっかく念願の乗馬体験に行ってきたというのに馬の写真がないんです。

あれだ、去年の夏のロンドンでステージドアで俳優さん達を見てもなんとなく自粛して写真を撮らなかったのに近い。緊張で写真を撮る心の余裕がなかったと言うべきでしょうか。

今思うと外側から撮ればよかったのに!と思うも後の祭り。

そういうことで文章だけですみません、

「乗馬体験」レポです。


乗馬のできるところというと、東京からは3時間くらい離れないとないというイメージがありました。ところが、とあるクレジットカードのキャンペーンで「体験レッスンプレゼント」というのに当たって、全国のその乗馬クラブの場所を調べたら、最寄り駅まで私の駅から1時間というクラブがあったのです。

当選!近い!

と舞い上がってお馬さんに会いに。

クラブは、その最寄り駅から送迎バスに乗ること20分の森林の中。今まで私が見た乗馬というのは、娘の乗馬体験について行ったイギリス、イタリア、ニュージーランドでのしかなくて、そのどれよりも茨城県のクラブは大きくて本格的です。

見えるだけでもいくつか柵で区切られた練習場があり、木々で見えないところにも外乗コースがあるという・・・馬たちはざっと見えるだけでも30頭。そしたらなんとそのクラブには100頭のお馬さんが住んでいらっしゃるという?!

ぐるぐると数頭が同じ柵の中で走ってるのになぜぶつからないのだろう?・・・いや考えてみれば、馬は賢いのだから下手な(失礼)人間の指示よりも、単純に自分が他の馬にぶつからないように動くよね。ちょっと安心。

いよいよ私が案内された体験用コースは、厩戸皇子が籠った八角堂のような(山岸凉子のマンガです)形の、おそらく本当は12角くらいにはなっていた木の低い柵で円形にコースが作られた屋根付きスペース。

その隣の待機場所に顔を鎖で繋がれた、本日の私のお相手のお馬さん「Z」に対面したました。ちゃんと名前はあるんですが、一応プライバシーということでここではイニシャル呼びに。Z ! 今度は青池保子の影響でツェットと呼んでしまいそうに。どんだけ思考回路がマンガなのか・・・もう長いこと読んでないのに。

Z、よろしくお願いします。不束者ですが害はありませんのでよろしく、と顔を撫でさせてもらいながらご挨拶して、隣の練習場へ、紐を引く先生の横を一緒に歩かせてもらいました。なるほど、いきなり背中に乗る前に、こうしてお互い初対面なので心の準備をするのですね。

練習場には踏み台があり、そこから先生の誘導でZの背中によじ登りました。「たてがみを手綱と一緒に片手で持って馬の胴の向こう側に脚を回して」と言われてもなお「え?たてがみ引っ張って痛くないの?」と頭をかすめたけど、いやいや、それが手順なんですね、はい、お!跨がれた。

馬の首は上から見るととっても細いです!
こんなに細くて長い首であの大きな頭を支えているとは。

ついにZが動き出すと(もちろん先生の紐の誘導つき。先生が八角堂の中央にいて馬の紐を持てばぐるぐる馬が歩いても先生の移動距離は小さいという仕組み)4本の脚が動くたびに背中の筋肉と骨が私のお尻の下でモニョモニョと動くのが感じられました。スキンシップ&ボーンシップ&マッスルシップか。

その動きにちょっと慣れたら、両足で胴をポンっと打って「進め」の合図をしてくださいと先生に教わりました。これが結構難しくて、強くやってはいけないとビクビクしてしまうと、ちゃんとZに伝わらない。それでなくても慣れない人間が乗っているのだからZにとっても慣れない感触だらけのはずで、合図は明確にしなくては。

3度目のポンでやっと動いてくれて(なめられてるのか私の出し方が悪かったのね)今度は「言うことを聞いたら褒めてください」との指示が。それなら得意だ「Z、ありがとう~よくできたね~!」と首をなでなでしました。

しかしここでまた邪念が。初心者が乗るこのZはお爺さん馬。白髪もなく色艶もよく長身でスリムな美老年だが、そういう人(馬)を褒めるのって難しくないか?

「ありがとうございます」と敬語で言ってはみたがその先がどうしても子供を褒めるような言葉しか浮かばないのです。今冷静になってみると「さすがですね!」とか「わかりました?そうですよ!」が自然だったのかもしれない・・・

両手綱を引いて「止まれ」、曲がる方向の手綱だけ引いて「右」「左」。心の中では「面舵いっぱい」とかまた邪念がつぶやいてましたが、とにかく合図の出し方を教わり、八角堂を8の字に歩きながら、Zの首とたてがみを撫でて褒めまくりました。

「舌をペロペロしてますよ」と先生に言われ、何のことかと思ったら馬がリラックスしている時の仕草なんだそうです。さすが賢いお馬は私の愛を感じてくれたか、もしや私の存在すら無視し始めたのかも・・・それはさすがにまずい。

「ではしましまさん、ここで体操をしましょう。
片手を手綱から離して、馬のお尻に触ってください」

と先生に言われて、私は手を後ろに伸ばして上体も後ろに倒して大きなお尻をサスサス・・・「なでなでですか、クスッ」と先生に笑われて気がつきましたが、それは多分、1度タッチするだけの動きでよかったのに、私ってば余計なことを?!

私が鞍の上でお尻を持ち上げるなどの軽い動きをしてから、今度は「早足」馬のお腹をポンポン2度合図することを教わりました。

すると、ついに、馬の動きで私が上下するという、ドラマで見慣れた光景が!!
頭の中はポルダーク!コーンウォールの崖っぷち!

歩くだけだと何の苦労もないけど、さすがに私のお尻が宙に浮くと脚で鞍のカーブをホールドしなくては不安定で怖い。しかし馬を挟むのではなくて鞍に腿を合わせるようにデザインされているのか、しかも馬の歩調に合わせて私も上下するという、お馬さんとの二人三脚、じゃなかった2人6脚?!嬉しいけどまだちょっと怖いです。

たぶん「早足」の向こうには「駆け足」とかが待っているのだろうけど体験なのでここまで~。

今度はまたたてがみを握らせてもらって、馬の横腹をずり落ちるような格好で降りました。どさくさに紛れてお腹の毛皮に頰ずりしてたら、「しましまさん、後ろだと馬が不安になります」と先生からの注意が。そうか顔から近いところでないとダメなんだ、人間だっていきなり背中やお尻を触られたら驚きますよね。(そういう理屈かどうかの確証はないけど)

足が地面に着くと、うおおお・・・体重が増えたかのように自分の体が重いです。自覚のないまま脚の筋肉を使っていたのでヨロヨロに・・・この感覚は、プールから上がった時とかディスニーランドのスターツアーズから降りた時のようでした。

Zを自分の馬やまで先生について見送りをしてお礼とお別れの挨拶をしました。
しかし一仕事の後にもらったオヤツ(食事?馬は1日のうち何回も食べるそうです)に一直線のZはたぶん聞いてなかった。


先輩さんたちが乗回す大勢のお馬さんを後に、いつか駆け足まで出来るようになりたいものだ・・・と帰りの電車の中では居眠りしてしまいました。