Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

「ナショナル・ギャラリー英国の至宝」感想

2015-01-24 11:03:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
「ナショナル・ギャラリー」から連想するもの ー 

・「007スカイフォール」でのボンドとQの待ち合わせ
・「シャーロック0102」で黄色のスプレーの謎を解明するためにシャーロックとジョンがそのトラファルガースクエアを歩き、その後ナショナル・ギャラリーの裏道でジョンが落書き犯人に警備の人から間違われたこと
脚本にはこのように

53 EXT. GRAFFITI ALLEY. DAY 53 The back of the National Gallery - an alleyway.

と書いてあります。

ー と、これは最近の、映画ドラマファンとしての連想です。

が、2001~7年にロンドンに住んでいた時の私の印象は、内部に関してはないんです。どうも入り口付近が常に観光客で込み合っていて、絵を鑑賞する前に人ごみで疲れてしまいそうだったからです。お隣のナショナル・ポートレイト・ギャラリーは、もっと落ち着いていて、興味のある企画展や子供も参加できるイベントも多いのでよく利用しました。ショップの商品もかわいいし、それにですね、ここのカフェが便利な場所にありながら、ちょっぴりアッパーな雰囲気も漂わせ、大英帝国の名残りを庶民でも味わえる空間として好きでした。

つまり、いつでも無料で入れたのに足を向けなかったんですね。

それなのに、離れてみると、遠くて行きたくても行けないとなると魅力的にも見えて来るのか?

それもありましょうが、2013年にターナー展を見て画家の人となりに興味を持ったら、折しも今年は、「ターナー、光に愛を求めて」という映画が公開されると知り、その映画も絶対見たいし、スカイフォールでボンドがターナーの絵を眺めていたシーンにより愛着を感じたんですね。



それにロイヤル・バレエの私の好きなダンサー、エドワード・ワトソンがギャラリー内で踊るのを予告編で見て期待が高まりました。このシーンは映画では解説なかったけどチラシでは「ロンドン・オリンピックの記念に行われたコラボレーション」とのことでした。


そのどちらも映画では見られましたが、それ以外に見がいがあったのは、学芸員らしきスタッフが一般の人に絵の解説をするツアーの解説でした。1枚の絵に込められた画家の思惑って、すごい量なんだなーと、感心すると同時に、そんなに深く絵を読み解いていたら、1回の訪問でまともに見られるのはせいぜい10枚くらいなんじゃないか、と脳がパンクしそうな気がしました。実は映画鑑賞中にも、解説を聞いていると脳がフリーズして眠りこけていたし・・・

でも解説が嫌いなのではありません。実際、ナショナル・ポートレイト・ギャラリーで子供用のイベントに参加した時、同じような解説がありました。100年くらい前の絵を見ながら、スタッフが子供達に質問しながら、絵を読み解いていくんです。古典の絵というと、図工の教科書で初めて見ましたという私にとって、本物の絵の近くで、そこに描かれた人のことを、まるで目の前にいる人をシャーロックが推理するように、服装、ポーズ、表情、背景などから読んで行くという作業を、ロンドンでは子供に当たり前のように与えられているのだ!と知ってショックでしたもん。



この映画、今のところ東京1館のみの上映のせいか、平日朝の回に行ったのにほぼ満席でした。1/31より順次全国公開されると公式サイトにも出ています。