Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

幻のミントン

2014-09-04 19:31:00 | イギリス
近所の骨董屋で「ミントン」という知ってる名前のお皿がお手頃な値段だったので買いました。苺のレリーフが素朴で気に入りました。


カップケーキ型のリップクリームです

裏のロゴを見てちょっとびっくり。なぜかミントンはイタリアのブランドだと思っていたけど、MADE IN ENGLANDだよ。しかも創業は1793年となかなか古い。ルイ16世とマリー・アントワネットが処刑された年です。



これを機会に「ミントン」を調べてみたんですが、情報があまり出て来なくて?????

日本語ウィキには「1856年に王室御用達となる」と書いてあるけど、今現在の日本法人も輸入業者もわからない。販売しているオンラインショップなどはあるようなのだけれど・・・・

英語Wikiのhistoryを見てちょっとわかりました。「ミントン」は戦後、創始者の曾曾曾孫であるディレクターにより工場が再建されるが、50年代に「ロイヤルダルトン」に合併された。80年代には種類は少なくとも質の高い職人をかかえて生産するも、「ロイヤルダルトン」は2005年に「ウォーターフォード・ウェッジウッド」グループに吸収されました。

現在WWRDというグループ名で「ウォーターフォード」「ウェッジウッド」「ロイヤルダルトン」「ロイヤルアルバート」の4つのブランドをかかえ、個々のサイトがあるのですが、「ミントン」は影も形もありません。「ロイヤルダルトン」のサイトで検索してみましたが、ヒットはゼロ・・・

イギリスの老舗の興亡をまた見てしまったようです。家族経営で復興を試みるが財務がまわらず人手に渡り淘汰されたドラマが一瞬にして脳内再生されてしまいました。


実は、食器などには疎い私がなぜ「ミントン」を知っていたかと言いますと、1990年にロンドンで語学留学をしてた時、アルバイトをしていた店で扱っていたからなのです。その店とはボンド・ストリートにあった「ANA/高島屋」。外国人は英国人の仕事を奪ってはいけないので、法律上「日本語を必要とされる」職種にしかつけません。日本からの観光客を主に顧客とする日系の店では、お土産に人気の英国ブランドを揃えていたのです。イギリスの音楽とファッションしか知らなかった私が保守的な贅沢ブランドを売るなんて・・・ロックねえちゃんにはちと辛かった・・・

日本の値段の半額以下だと言って、大量に買って行ったJALスッチーやツアー客のことを、仲良しのイギリス人スタッフと陰口たたいて、その時「arrogant(尊大な)」という単語を教わりました。その頃はJAL自体がarrogantだったんだもん。でもよく考えたらANAでお買物することが彼らにとってはジレンマであのような態度だったのかしら?

時をへて、自分がウェッジウッドやミントンを手にしてしまうとは。

でもおかげでもう作られてない「ミントン」が。そういう物への愛着は人一倍あるので、そういうタイミングで私の手に回って来たのですね。