Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ライヘンバッハ・ヒーロー

2012-08-04 13:11:00 | シャーロック


いよいよシャーロック2最終話が全国のお茶の間(うち以外)にやってきます。
世界中(日本以外)で旬の俳優ベネディクト・カンバーバッチが日本で無名なのは、
BSに囲われてるからだと思います!地上に降ろしてくださいNHKさん!BBCと仲良しですよね~?

そう言う訳で、ドキドキするので、英語版しか見てないけどちょっと書きます。
ネタバレありです。すみません、嫌な人は放映後にどうぞ。
解釈が間違ってたり(←私は思い込みが強いのでよくある)日本版ではこうだったよ!
とかぜひぜひ教えてくださいね!

最終章は実は「バスカヴィルの犬」のラストから始まってると思います。コレdown



マイクロフト含む政府機関に監禁されていたモリアーティの、
独房いっぱいに籠ったシャーロックへの執着心。恐い・・・
と思いながらもシャーロックに占拠された自分もたいして変わらんと自虐的に笑った私です。

シリーズ1と2のエピソード(E)の構成は似ていて、
派手で華麗なオープニングアクトのE1=「ピンク色の研究」「べルグレービアの醜聞」
友情深まるE2=「死を呼ぶ暗号」「バスカヴィルの犬」
ディープでヘビーなE3=「大いなるゲーム」と本作「ライヘンバッハ・ヒーロー」

item5うっとり&気になるシーンのいくつか

事件解決のプレス・レセプションでシャーロックの無礼な発言を通訳するジョンと言う事聞くシャーロック。ジョンが有能マネージャーに見えた。

イギリスのティー・タイム11時きっかりに起こる同時3発強盗・・・いや、侵入。英語はbreak-in。でも普通は、break-in=盗み目的ですよね。その証拠に、ロンドン塔でモリアーティーが踊りながら聞いた曲は、ロッシーニのオペラ「泥棒かささぎ」です。


俳優のアンドリューは、ダンスは自分の演出だと何かで言ってました。天才!

ロンドン塔の警備員は紙コップ、イングランド銀行の総裁(?偉い人)は金のふちのボーンチャイナ、刑務所所長はマグ。場所柄を表すそれぞれの茶器。そしてレストラードもカフェの紙コップとお菓子で口をもぐもぐさせていましたね。



誰もがリラックスしてる時間に、イヤフォンでオペラ聴いてスマホのこんなお茶目なアプリでみんなのお茶を零させる。



その直後、新聞と裁判シーンの曲はニーナ・シモンの「Sinner Man」。
sinnerは「罪人」という意味。

裁判に向かう時、ドアの向こうに群がるプレスや警察の中に姿を表す前の短い会話


ジョン「Ready?」          シャーロック「Yes」

このジョン頼りがいあるなー。シャーロックがやけに素直だなー。

裁判の前に女性警備員への頼み事
「Would you mind slipping your hand into my pocket?」



丁寧な「would you mind~」は「僕のポケットに君の手を滑らせてくださるかな?」
って訳す??その丁寧さとイヤらしさのギャップ。「羊達の沈黙」レクターみたい。

その裁判の判決が「無罪」とジョンからの電話で知ったシャーロック@221Bは、
・・・・お茶の準備・・・!! ガチャンガチャンとケトルのスイッチ入れて
ティーセットをトレイにセットするシーンに胸が震えました・・・かっこよくて!
そしてライブ演奏でお出迎えするとは・・・やっぱり君たちalike=ソックリ、大見得の切り方が。


弾いていたのは、ヨハン・セバスチャン・バッハのヴァイオリン・ソロのソナタno.1

モリアーティが部屋に上がって来てヴァイオリンを止めたシャーロックに、
「ヨハン・セバスチャンがあきれるだろうな。」続いて「バッハは死ぬ間際に、息子がピアノで弾いていた彼の曲が途中で止まったのを聞いて」ここからシャーロックが話を引き継ぎ「ベッドから飛び起き曲を最後まで弾いたそうだな。」
モリアーティ「メロディを最後まで弾かないなんて我慢ならなかった。」
シャーロック「君もだろ。だから来た。」
は~~、弾いてた曲の話から自分達の話にすり替わったよ~。お話を完結させなきゃというモリアーティに。レトリックもいちいち気障ですね!そしてモリアーティのBachの発音はバッハとドイツ語っぽく聞こえたなあ。英語では通常バックと言うけど。

そうそう、この後出て来る、「fairy tale」と「You're on the side of the angels.」って和訳は?「童話」?「お話」?このふたりに似つかわしくない単語だけに気になります。後者の方は「天使達の味方」?意訳して「善人のお仲間」?でもやっぱり「天使」は残して欲しいな。悪魔のモリアーティにふさわしい単語だから。
そしてこの後、無罪になるため陪審員を脅迫したことを「Easy peasy」と言っていた。どんな和訳だったのでしょう。これって、「か~んたん」って言う子供っぽいかわいらしいボキャブラリーなんですよね。ラストの屋根の上でも「Atta boy」ってこれも子供に使う褒め言葉だし、シリーズ1でも「Round round garden, like a teddy bear」を子供の手遊び歌に最も合わないシャーロックが歌ったり、拳銃突きつけ緊張みなぎるプールシーンで「Dear Jim, please~~」と子供番組真似したり、よく出てきますよね。モファット&ゲイティスさん版のピーターパン=「大人にならない男の子」の暗示かな。

8/11追記「easy peasy」の前の台詞
「and every person has their pressure point, someone that they want to protect from harm.誰にでも弱点がある。守ってあげたい人がね。」ってモリアーティが言ったこと、私は陪審員恐喝のことだと聞いてたけど、これ、シャーロックのことも言ってたんですね!だってその直後の会話でSH「どうやって僕を破滅させるんだ?」JM「僕は言ったよ~」って。。。(日本語訳記憶ないけど確かこんな意味)追記ここまで



↑このシーンでも、シャーロックがモリアーティのことを「He's been a bit naughty.」→私なら「最近ちょっと悪い子なんだ。」NHKの訳楽しみ。その直後に固くビシッと「For the sake of law and order, I suggest you avoid all future attempts at a relationship, Molly.」が来るのが余計におかしい。「法と秩序のために、今後いかなる恋愛への企ても回避することをお勧めするね。」でしょうか。

そうだ、ここにハードでおしゃれな男の話に似合わないもの、がまだありました。
モリー・フーパーのさくらんぼのカーディガンが!!
down

写真はWear Sherlock BBCさんからお借りしました

この後、モリーとシャーロックの会話にジーンと来るんですが、視線がついさくらんぼに・・・
そしてWear Sherlockさんでクレジットを見てまたドキっ!「Dolly Dear」?
大英博物館のちょっと南のガーリーな店だ・・・私服持ってる!モリーと趣味あう?!
このアイテムは海外のファン達も注目、ファッションのサイトpolyvoreにもいくつかモリー・コーデがupされています。モリーは、今注目のgeekの女性版かしら!

肝心のシャーロックとジョンの話もひとつ最後に。
前回バスカヴィルでも「コートの襟立ててツンとするのはやめろ」のようなこと(日本語見てない)をジョンがシャーロックに言ってたけど、それって「よそ行き戦闘ルックをオレにまでするなよ」って意味かなーと思いましたが、今回もまたジョンの本音発言が出てました。相手を受け入れてるけど、自分の気持ちも分かって欲しい。すべての大切な関係にあるべき態度。言わなきゃ伝わらないことってあります。

ジョン「Don't do that.」(それやめろよ)
シャーロック「Do What?」(何を?)
J「The Look.」(あれになってる)
S「The Look?」(何に?)
J「You're doing The Look again.」(またあれをやってるんだ)
S「I can't see it, can I?」(だって見えないぞ)鏡見て「It's my face.」(僕の顔だ)
J「Yes, and it's doing a thing. You're doing a "We both know what't really going on here" face.」
(そう、その顔がまたやってる。”何が起きてるかはオレたち分かってる” 顔だよ」
S「Well we do.」(だって分かってるだろ)
J「No. I don't. Which is why I find The Face is so annoying.」
(いや。オレは分かってない。だからその顔はかなりムカつくんだ)


0.15あたりから

さて、モリアーティーの魔の手はこの「シャーロックの大切なもの」にも・・・
そして
見ても解けない「謎」のことも私の脳内いっぱいにひろがっていますが、
そちらは放送終了後にまたゆっくり頑張りたいと思います。