Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

バートラム・ホテルにて

2010-12-09 21:37:00 | いろいろ


わが家の最寄り駅の
プラットフォームに、
電車metroのミニチュアの形をした本棚があります。

それは「根津メトロ文庫」というスタンプを押された本が
ぎっしりと並べられて、notenote
駅の利用客は、持ち出し自由という図書館なのですexclamation2exclamation2

そこで見つけたボロボロの本がこれ、
また、クリスティase2meromero2
車内のひまつぶしに手にしたのだけど

「ボンド街のちょっと裏にある
古き良きエドワード王朝時代そのままの・・・・」
というホテルが主人公のミス・マープルもの

1950年代に70歳をすぎていたクリスティが書いたお話で、
古き良き上流階級のイギリスを見に来る、
金払いのいいアメリカ人観光客の姿も書かれています。
その当時でさえ、クリスティはミス・マープルに
「そんな英国はもうないのよ」と言わせています。
数十年後に極東の国からさえ観光客がおしよせるとは
予想していなかったでしょうけれどね・・・ase

ボンド街って、
シャーロック・ホームズのベイカー街もそうだけれど
なんでstreetをストリートって言わないで「街」なんだろ?
Park Laneはパーク・レーンなのに、
なんてくだらないことも考えながら、
私はその昔、ボンド・ストリートにあった、
「ANA高島屋」でバイトしていた20代のころを
懐かしく思い出しつつ読んでいました。

お昼休みには、
裏通りのカフェでサンドイッチ買って食べたな~、とか、

その当時は20代で語学留学中だったのですけど、
さらに遡ってその数年前、
夏休みに友達とロンドンに遊びに来た時、
「三段のトレイで出て来る本当のアフタヌーン・ティーがしたい」
と、勇気を振り絞って、
古くて正統そうなホテルに入り、
大きなソファーで白人のおばあさん達に混ざって
ドキドキしながらティーを注文したのも、
この近くだったよなあ~・・・
確かブラウンズ・ホテルと言ったかな・・・
などと
留学中の貧乏学生にはもはや夢の贅沢を懐かしんだことさえ

それ自体が今となっては思い出です。

そして先ほど本を読み終え、
この本の書評はいかに?
とグーグルしてびっくりeqsymbol5

バートラム・ホテルのモデルは、ブラウンズ・ホテル
クリスティはそのホテルに泊まって
この作品を書いたそうなのですbikkurieqeq

古き良き時代のたたずまいのホテルなんて
ロンドン中にあると思っていました。
自分がそういう所にあまり縁がなくて、
たった1件だけ頑張って敷居をまたぎ(敷居ないけど)
こっそり室内の写真も撮ったホテルが
モデルだったと知り、

根津メトロ文庫がなかったら読んでなかったそのお話に
妙な縁というか、愛着というか、
不思議なものを感じて興奮してしまいましたheart

お話中に「バターたっぷりのマフィン」
「ほんもののマフィンを出す店などもうロンドンにはない」
というくだりがでてきます。
作品発表後数10年たったロンドンにあるマフィンも
やはり「本物」ではないのでしょうかeq
クリスティのいう本物のマフィンが食べたい~~exclamation2exclamation2