ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

ノーサイド(松任谷由実)

2023-09-25 11:49:06 | 歌詞

彼は目を閉じて 枯れた芝生の匂い深く吸った

長いリーグ戦 しめくくるキックはゴールをそれた

 

肩を落として 土をはらった

緩やかな冬の日の黄昏に

彼はもう二度とかぐことのない風 深く吸った

 

何をゴールに決めて

何を犠牲にしたの 誰も知らず

歓声よりも長く

興奮よりも速く 走ろうとしていたあなたを

少しでもわかりたいから

人々がみんな立ち去っても私 ここにいるわ

 

同じゼッケン 誰かがつけて

また次のシーズンをかけてゆく

人々がみんなあなたを忘れても ここにいるわ

 

作詞・作曲は松任谷由実。1984年発売。

現在、フランスでラグビーのワールドカップが開催されています。日本は1勝1敗で、ここから真価が問われます。そして、個人的にラグビーの曲といえば、美しい情景がくっきり浮かぶ松任谷由実の「ノーサイド」。

 

冒頭の部分は風景を描写しているだけなのですが、美しく切ないですね。

「彼はもう二度とかぐことのない風、深く吸った」

「彼」が大学4年生だということが分かります。

「何をゴールに決めて、何を犠牲にしたの」から続く歌詞はユーミン自身なのか、架空の人物なのか分かりませんが、女性が「あなた」の心情を察している印象です。

 

最後の歌詞も好きです。

「同じゼッケン、誰かがつけて、また次のシーズンをかけてゆく。人々がみんなあなたを忘れてもここにいるわ」

時の無情さが遠回しに描かれています。よほどの選手でない限り、大概の選手は世間に忘れ去られます。「でも私は忘れない」という女性の決意で締めくくられています。

 

あの頃の大学ラグビーの人気は凄いものがありましたから。卒業して社会人でプレーを続ける選手もいますが、大学ラグビーに比べると社会人のそれは注目度が大きく落ちます。いわば大学生がラガーマンとして絶頂なのです。

そうした時代背景があり、この歌詞が生まれたとも言えます。それにしても歌詞、曲ともにさすがユーミン。名曲です。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 30代女性を総理大臣にしたら... | トップ | 藤井に勝ちが転がりこみ、八... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿