ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

22才

2020-12-19 16:14:43 | 

大学を中退した 

3年生になった春先、友人たちと単位の数を見比べた

以来、半年ほど学校には行っていない

 

入学式を終えた武道館の前に桜は並々と咲き、嫌でも僕の目に映った

それを背景にして、大学生活はどれだけ持つのだろうと考えていた

いま、それが現実になるのだ

仲間の甘ったるい苦悩を聞かなくて済むのに

辞めることは決めているのに

実行にはそれなりの時間を要した

 

18才で最初の人生が終わり、地獄の二度目を生きて4年

これで外観も崩壊した

残されたのは22才という若さだけ

ただただ若かった

未来は多いかもしれない

しかし、行く末はおおよそ知っていた 

だから明日が来るのが嫌だった

 

でも何故か、四半世紀以上が過ぎた今

あの頃の風景、流れていたメロディーが堪らなく懐かしくなる時がある

仲間は元気でいるだろうか?

もうこの世にいない人間がいても不思議ではない年になった

未来は随分と少なくなったのだ

苦しかっただけの季節

あれも青春にちがいないのかもしれない

 


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