ざっくばらん(パニックびとのつぶやき)

詩・将棋・病気・芸能・スポーツ・社会・短編小説などいろいろ気まぐれに。2009年「僕とパニック障害の20年戦争出版」

大人になるにつれ、かなしく(49)

2017-01-01 22:14:29 | Weblog
「あとはタイトルをどうするかですね。タイトル未定となっていますが、漠然とでも考えています?」

「そうですね。誰でも使える認知行動療法、とか」

「いいじゃないですか。そのまま使うかは別にして。とっつきにくいようなタイトルでは駄目です。内容を示しつつ、インパクトがあり、分かりやすい。これらが揃えば理想的です」

「もう少し考えてみます」

「それと出版時期ですが、今年も押し詰まってきましたから、まあ来年になるんですが、遅くとも秋口にはと考えています」

「いつ頃までに仕上げればいいでしょうか?」

「まあ、本業のお仕事も大変でしょうけど、何とか来年の前半、初夏ごろには書き上げていただきたい」

山野氏は口調は柔らかいが、その奥に妥協を許さない厳しさが垣間見える。

「あと半年ほどですね」

「そうです。それより早く出来れば、それに越したことはありません」

「分かりました」

ここまで話が進んでも、僕はまだ半信半疑だった。

「うちでもカウンセリング的な本は何冊も出していますが、坂木さんのような認知行動療法を分かりやすく噛み砕いて、かつ具体的に書かれているものは、ほとんどないです。だからこそ、価値があり、魅力を感じるんです。まだ正式な契約は結べませんが、内定と考えていただいて結構です」

山野氏は姿勢を前のめりにして、言葉に力を込めた。







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