ついに藤井聡太が名人になりました。
長野県高山村の藤井荘で行われた名人戦第5局は藤井聡太竜王が渡辺明名人を下しました。これで藤井竜王の4勝1敗となり、名人を獲得しました。
1983年に谷川浩司17世名人が達成した最年少記録を40年ぶりに更新。また7冠達成も羽生善治九段以来、史上2人目になります。
序列では竜王と名人が高く、2大タイトルに違いないですが、やはり「名人」という響きは違いますね。今でもプロ棋士、あるいはプロを志している若者の多くも、名人というタイトルは特別なものだと思います。
新名人の藤井さんもその1人でした。名人獲得後のインタビューを聞いても7冠にはどこか冷めているのですが、名人という地位に登り詰めたことには素直に喜びを表していました。
少しだけ第5局を振り返ると、渡辺さんの菊水矢倉を矢倉とすれば、藤井さんは雁木という形で、ともに江戸時代から指されていた戦型で歴史のロマンを感じます。
先手の渡辺名人有利に進みましたが、藤井竜王も崩れずに指し、それが渡辺名人の悪手を誘いました。形勢が逆転してからはあっという間に藤井さんがリードを広げ、渡辺さんが粘り切れない形になり、最後は藤井さんが華麗な寄せで渡辺さんを投了に追い込みました。
破れた渡辺さんもよく戦いました。藤井さんの圧倒的な強さを考えると、そうとしか言えません。名人から無冠の九段への転落。今後の渡辺さんの動向にも注目しています。
もう一度、打倒藤井に意欲を見せるか、もう敵わないと諦めれば、近いうちに棋士の根幹である順位戦から撤退する可能性も少しあるような気がします。個人的にはまだまだA級で戦う渡辺明を見ていたいです。
とにもかくにも藤井聡太が名人になった2023年6月1日は将棋界にとって歴史的な日になりました。大山15世、中原16世以来の大名人を目指して、藤井聡太名人の戦いは続きます。
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