午後3時頃には雨も上がったが、雲は相変わらず垂れ込めていた。
1年振りに歯科医院に行って、思いっきり歯をいじられて来た。
口の片方だけ麻酔が効いたままで、やや不自由な口のまま帰路についた。
「思い切って痛めつけてくれた割には、600円は安いね」と料金を払いながら担当の女性に言った。
「ええ、でも次は2000円以上頂きますよ」と答えが返ってきた。
おぬし、なかなかやるな・・・だった。
2箇所悪いところがあって、1箇所を2週に亘って直すので、都合4週間かかることになる。
歯の治療が早いか、コロナワクチンの接種券が送付されるのが早いか楽しみだ。
夕方になって、陽が射す場面も出てきたので、歩きに出た。
田んぼコースにかかる前に、途中のお宅の庭に半夏生が色づいているのが見えた。
ある程度大きな庭木の、陰の部分にさりげなく植えてあるのだが、季節の移り変わりを知るポイントになる植物。
今年2021年は6月21日が夏至だから、それから11日後の7月2日が半夏生になる。
それから5日間、つまり7月7日までの期間をいうこともあるらしいが・・。
それにしても、早すぎる。
一月以上もフライングはないだろう。
見れば、そこいらじゅう化粧を始めたばかりとはいえ「半分化粧した」状態のものがけっこう多い。
片白草ともいうそうだが、季を告げてくれるにしてもチト早すぎる。
半夏生までに、田植えは終わらせるという不文律があるそうで、一日過ぎる毎に収量は落ちると言うそうな。
ま、それまでに田植えを終わらせて、重労働で疲れた身体を癒やせということなのだろう。
田んぼの隅には苗床が作られ、早いところはもう薄い緑の新芽が沢山顔を出していた。
ただし、これは少数派でほとんどの田んぼではまだ芽が出ていないところが殆ど。
今年は入梅も早かったが、半夏生の花はそれに輪を掛けたように早かった。
今年は、コロナも五輪も梅雨入りも、そして半夏生までがおかしい。
田んぼの横の、排水側の溝で、梅花藻に似た水草に、梅花藻のような花が咲いていた。
これが梅花藻だったら、当たり前の話だが。
問題は、その排水の側溝の壁にへばり着いている赤色の卵である。
田植えをした直後の早苗などを食べるジャンボタニシの卵なのである。
元々は食用として、南米産のジャンボタニシを人間が持ち込んだものが野生化。
駆除する際には、手で触ることは厳禁だそうである。
水の中では、死んでしまうそうだし、寒さに弱いので冬期の土の耕耘などで凍死させる方もあるとか。
こうした害になる奴まで、例年より早めに出てきてちゃっかり待ち受けるとは。
どうやらボ~ッとしているのは、人間だけらしい。