昨夜は、蛍を探して遅めのウオーキングに出た。
テレビのニュースで、他所で蛍が出たという話題があったからである。
私のウオーキングコースに、隠れた蛍の穴場があって、例年そこで見ている。
家から歩いて4000歩くらいの場所である。
左手はグラウンド、右手は農道という位置関係で、間に小さな溝がある。
溝を流れる水は湧き水なので、クレソンなどの水生植物に覆われてしまっている。
グラウンドの形状に合わせ、南西端でL字型に曲がるが、曲がった辺りからは除草され底が見えるようになっていた。
この溝で蛍を見るようになったのは、何年前からだったろう。
田の苗代作りも、なかなか進んでいない時期に、少し早過ぎるとは思ったが確かめることにした。
相方から小さなリュックを貸してもらって、カメラと携帯を入れて背負い、その上から反射材付きのタスキを掛ける。
午後の7時半から8時半くらいまでが、蛍の一番出やすい時間帯である。
その時間帯に合わせて、家を出た。
まったく蛍の光は見えなかった。
時期が早すぎたかと諦めかけた頃に、クレソンの葉っぱの上で仄かな光を一つ見つけた。
あわててカメラを取り出して、パチリとやったがそれっきり光らなくなった。
女性のウオーキング二人組が、お喋りをしながら横を通り過ぎた。
暗がりにカメラを手にした不審者がいた、などと通報されかねない構図。
まあ、反射材付きの不審者はいないだろうけど・・。
しかし、待てどもさっぱり蛍は光ってくれなくなった。
時間は午後8時半に近くなり、辺りはすっかり暗くなってしまった。
クレソンの葉っぱの蛍に見切りをつけて、帰ろうと除草済みの溝沿いに歩いていたら微かに蛍の光が見えた。
同じ場所で光るのではなく、けっこう離れた場所で一度に3回程度しか光を出してくれない。
少し風もあったせいで、飛び回るというより草などにしがみついて光を出す。
1匹だけヒョロヒョロと飛び始め、何を間違えたか私の方に飛んで来て、トレーナーにつかまってしまった。
慌てて、カメラを構えた時はもうス~イと飛び去ってしまった。
想定外の蛍の歓待に、喜びもひとしおというところで細かい雨が降ってきた。
濡れては不味いので、慌てて引き上げることにした。
傘を持って来なかったことを反省しながら帰路を急ぐ。
町の中心に近づく頃は、雨も止んで道路はまったく湿り気もなかった。
蛍との出会い、通り雨、何事もなかったいつもの町あかり。
え?雨が降ったの?とは、相方の弁。
歩数計は8850歩になっていた。