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marinereconhenry:中国の「大一統」思想は危険な侵略思想である

2008-06-30 14:48:51 | 中国異論派選訳
marinereconhenry:中国の「大一統」思想は危険な侵略思想である

中国共産党の宣伝装置と大多数の国内国外の中国人、ホンコン・マカオ人、大手マスコミはこぞって台湾、チベット、新疆を「昔から中国に属していた」、「神聖不可侵の領土」、「不可分の中国領土」、「昔からの不可分の中国領土」、「昔からの不可分の一部」と見なしている。ホンコン・マカオの民主派の人々も、台湾、チベット、新疆の独立問題に関しては、立法会選挙の票を失うのを恐れて「保身のために」、中共を怒らせないように、中共の主張にあわせる。中共が独立問題で民族主義(中華ショービニズム)を煽動し、台湾人、チベット人、ウイグル人の選択の自由を全く尊重しないことが(中共の独裁政権と中国人の中華ショービニズム意識の下では、他者の選択権は一切認められない)、中国本土とホンコン・マカオで本当の自由化・民主化ができない根本的な原因の一つである。しかし、「大一統」思想はちょっと点検してみれば、それが成り立たないことが分かる。

「昔からの」も「不可分の」も虚構である

 中共と大多数の中国人は台湾、チベット、新疆を「昔からの」中国の「不可分の」領土であったという。では、中共と中国人に聞くが、「昔からの」とはいつからか? 「昔からの」いわゆる「不可分の」領土とはいくら広く見積もっても黄河流域の一部に過ぎない。その後の王朝といまの中国は領土をどうやって手に入れたのか? 天から降ってきたのだろうか? 彼らは唐王朝の文成公主(?-680)がチベット王国のソンツェン・ガンポ(581-649)の嫁に行ったことがチベットが中国の一部であることの象徴だという。だが、それなら文成公主のまえに、ネパールの王女もソンツェン・ガンポの嫁に行っているから、ネパールもチベットをネパールの「昔からの不可分の領土」だと主張できるではないか? また、彼らは元王朝はチベットが中国に属する有力な証拠だという。しかし、元王朝はモンゴル人の王朝であるから、いまのモンゴル人だってチベットはモンゴルの「昔からの不可分の領土」だと主張できるではないか? しかも、当時のモンゴルはチベットに象徴的に軍隊を駐留させていただけで、実際はチベット人が統治していたのだ。明、清のいわゆるチベット駐在官僚はみな実質のない虚名である(まして明王朝の虚名官僚はチベット人に追い出されている)。多くの歴史資料によって、チベットはいかなる中国の王朝にも属していないことが証明されている。中華民国時代には、黄慕松がチベットに行き、チベット人に中国に帰順するよう要求したが拒絶されている。呉忠信のいわゆるチベット行きは、チベット人が青海省で転生霊童を見つけた後、青海軍閥の馬歩芳にゆすられた事件について、チベット人に協力したに過ぎない。中共や国民党の言うように霊童の確定には南京政府の指示を仰ぐようになったなどということはなし、呉忠信もダライラマの地位継承式を主催していない。また、いわゆる3回の国民大会への参加にしても、チベット人はオブザーバーに過ぎない。要するに、「昔から」チベットは事実上独立していたのであり、中国の領土になったのは中共の侵略の結果である。

 新疆はさらにばかげている。新疆の意味は「新たに奪った辺境の土地」である。しかも、中国の新疆(本来の名は東トルキスタン)侵略はわずか200年の歴史にすぎず、近代史の範疇に属する。どうして「昔からの不可分の領土」になるのだろう? しかも、遠くトルコと中央アジアの人々の大部分はチュルク民族だから、彼らだって新疆を「不可分の領土」といえるではないか?

 台湾も荒唐無稽である。地理的に中国大陸とつながっているから、台湾は中国の領土だというが、ヨーロッパ、アジア、アフリカ三大陸はつながっているのだから、中共と中国人の論理によれば、ヨーロッパ、アジア、アフリカのすべてが中国の領土になってしまうではないか? 康煕、雍正、乾隆も清の歴史家も「台湾は昔から中国に属していない」と言っているし、毛沢東も台湾の独立を支持すると言ったことがあるのに、なぜ中共と中国人はその事実を見て見ぬふりをするのか? 現在の台湾人の祖先は大部分が大陸から移民して行ったって? それなら中共に聞くが、一分一秒でも台湾を統治したことがあるのかね? 台湾人の祖先が大陸から渡っていったというなら、それは中国の政権から逃げて行ったのではないか! しかも、オランダと日本はかつて台湾を統治していた。彼らだって、台湾は「昔から不可分の領土だ」と主張できるではないか?

「大一統」思想は強盗と侵略者の論理である

 「大一統」思想は以上のように、ばかげた論理であるだけでなく、正真正銘の強盗と侵略者の論理である。あたかも、強盗集団が君の家を乗っ取った後で、「昔から」自分たちのものだったと言い張るようなものだ。これが荒唐無稽でなくてなんだろう? 現在、台湾が中国の併呑の危機に直面しているだけでなく、中国の周辺国家、朝鮮半島、日本、ベトナム、中央アジアの大部分地域、ロシアの一部、モンゴルなども、中共と中国人の「大一統」思想によれば「昔からの中国の不可分の領土」となる(とりわけベトナムと朝鮮半島は)。台湾がもし中共の手に落ちたら、筆者が名を上げた国と地域が中共の次の目標になるだろう! 現在海外に多くの中国人がいるが、中共と中国人の論理によれば、在外中国人が欧米で大量繁殖したら、欧米人の祖先の大部分が中国から来たことになり、欧米も「昔からの中国の不可分の領土」ということになる。よそに移民してその土地を自分のものにするというのは、正に泥棒と侵略者の論理ではないかね?

 地球上のどこにも「昔からの不可分の」土地はない。スロベニア、クロアチア、モンテネグロ、コソボ、バルト三国(ラトビア、エストニア、リトアニア)……、みな独立したではないか? 「大一統」思想は一種の危険な侵略思想である。全世界の人民、とりわけすべての民主国家は、中共と中国人の強盗と侵略の論理である「大一統」思想にもっと注意を払うべきである。

原文:http://blog.roodo.com/marinereconhenry/archives/5994893.html

大一統思想については下記ブログに転載されている横山宏章氏の説明が分かりやすい。
http://d.hatena.ne.jp/uumin3/20070906

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