自然の中に母を感じれば良いというので、可愛い桜の花に「お母さん」と、心の中で呼んでみた。多分、驚いて戸惑っているような気がする。私自身お母さん、という名詞に気持ち悪さがある。
実母はまぁ普通に生きている今の私を見て、「まさかこんなんなるとは思わなかった。」とがっかりしたように言う、「どんなになると思っていたの？」とは恐ろしくて聞けない。昔、心療内科に通い出した私に老後は病気の娘を介護するとかなんとか言っていた。恐ろしいダメ母の未来のビジョン、ビジョンメガネ。
もっと昔、小学生時代、老後は子どもが親をみることになっているとかテレビでやっていて、ぞっとした顔で嫌がったら「アンタなんかに面倒見てもらわへんわ！」と、啖呵を切られた。
40年後、母親のことは可哀想だなとは思うのでたまには会うけれど極力面倒は見ない。せっせと貯めた老後資金も自殺したた兄に大分使ったのだろう。
あぁ、今日も美しい自然に向かってお母さんと呼んでみよう。空や緑に「え？そうなん？」って戸惑われたとしても。
