『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』

内田洋子、2018、『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』、方丈社
イタリアのトスカーナ州の山中にある小さな村、モンテレッジォ、中世は割拠する小領主の所領で街道筋に位置して往来する人々から関税を領主に代わって徴収していた。19世紀貧しい山村の人々は本を抱えて行商にでる。本書は、中世のダンテから、イタリアの活版出版の歴史から、書籍の普及まで、地に足ついた物語が語られる。著者はミラノに長く居住し、これまで、様々な著作でエッセイをものにしていていることは言うまでもないが、その著者が、イタリアの中世以来の出版事情からひもとく意外史とでもいうべき本書をものした。
例によってGoogle Mapsで地名をたどりながら本書を読んでいくことは楽しかった。また、写本の時代はともかくも、15世紀のグーテンベルグ以来の活版印刷はヨーロッパにおける商業出版の可能性の基盤となったが、日本でも程なく版本による出版が行われているようで、どうも、平行現象があるようだ。本書のような行商の歴史が日本にあるかどうかはしらないが、日本のリテラシーに関連した貸し本業の存在は興味深く思える。
現在は収蔵場所を考えると電子書籍愛好者ではあるが、リアルな出版や書籍に関する稼業にとても興味がある。スターターとして興味深い書籍に出くわしたものだ。
イタリアのトスカーナ州の山中にある小さな村、モンテレッジォ、中世は割拠する小領主の所領で街道筋に位置して往来する人々から関税を領主に代わって徴収していた。19世紀貧しい山村の人々は本を抱えて行商にでる。本書は、中世のダンテから、イタリアの活版出版の歴史から、書籍の普及まで、地に足ついた物語が語られる。著者はミラノに長く居住し、これまで、様々な著作でエッセイをものにしていていることは言うまでもないが、その著者が、イタリアの中世以来の出版事情からひもとく意外史とでもいうべき本書をものした。
例によってGoogle Mapsで地名をたどりながら本書を読んでいくことは楽しかった。また、写本の時代はともかくも、15世紀のグーテンベルグ以来の活版印刷はヨーロッパにおける商業出版の可能性の基盤となったが、日本でも程なく版本による出版が行われているようで、どうも、平行現象があるようだ。本書のような行商の歴史が日本にあるかどうかはしらないが、日本のリテラシーに関連した貸し本業の存在は興味深く思える。
現在は収蔵場所を考えると電子書籍愛好者ではあるが、リアルな出版や書籍に関する稼業にとても興味がある。スターターとして興味深い書籍に出くわしたものだ。
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方丈社 |

