ネットニュースで見かけた記事、この映画、エリザベス女王が作品が出た時には見るつもりはなかったけれど、公開後の評価が高く、見ることにしたところ、よく描かれていたとプラスに評価ををしたという。以前見たことがあり、原作をアプリに入れている(積読状態になっている)。
以前見たことがあると思ったが、ここ「読書と夕食」には記録がない。映画の主題はエリザベス2世女王の父君ジョージ6世の吃音だが、言語治療士とした吃音治療に関わったライオネル・ローグが重要な役割を果たす。この映画でジョージ6世を演じた主演のコリン・ファースはアカデミー主演男優賞をとった。ライオネルを演じたのが、オーストラリア人のジェフリー・ラッシュ(オーストラリア人俳優で、オーストラリアの友人の同級生でもあり、「シャイン」でアカデミー賞をとったことで、それも見たことがある)であった。無資格の治療士であったがバーティことヨーク公(後のジョージ6世)と友情を結び、対独戦への国民への鼓舞のためのラジオ放送など、様々な重要な局面におけるスピーチを成功させた。
ジョージ6世の戴冠は、偶然の重なりによった。父ジョージ5世も次男であったが、兄の死により戴冠することになった。ジョージ6世の場合はもちろん有名なエドワード6世の退位(離婚歴のあるシンプソン夫人と結婚を望んだ)による。エリザベス2世はこうした偶然の重なりの王位であった。バーティことジョージ6世の吃音は次男であったこと(皇太子の兄とは違う育てられ方をした)、左利きが矯正されたこと、乳母により虐待されていたことが原因であったという。ローグの治療は、早口言葉や発声法の訓練もさりながら、むしろバーティに自信をもたせることにあったとみえる。
実際のところはわからないが、オーストラリア人らしい直截的なものいいと、王族でありながら平民の治療士のもとに通うことからジョンソン(実際にはバーティは海軍士官として軍役にあった時、ジョンソンを名乗っていたという)と称し身分を隠していたことから、身分を離れた行動をとれたので、治療効果があったということかもしれない。
久しぶりに見直してみて、あらためて、面白かったし、エリザベス女王の国葬はウェストミンスター寺院だったが、同時に戴冠式の舞台でもある。王座をめぐるやり取り(
スクーンの石)も面白かった。