ただの備忘記録

忘れないように記録を残します。忘れるから記録に残してます。そして、その記録が役立つといいかな。

映画「容疑者Xの献身」

2008年10月08日 | 映画
TVドラマ「ガリレオ」シリーズの映画化と思いきや、実はこっちの話の方が先に出ていたようで、映画化するならまずTVドラマを作ってくださいということだったようです。
クランクインはTVシリーズ終了直後だったようですが、時間的には1年後という設定だそうです。
原作としては、TVシリーズは短編集の2冊を元にしており、この映画は3冊目の長編小説をそのまま題名にして映画化しています。

展開は基本的に原作通りで、一部雪山のシーンがオリジナルになっています。
全体的にはシーンを切りつめており、工藤という人物の出番が極端に少なくなって、ゆっくりとサスペンス調が高まる部分をそぎ落としています。その代わりに雪山のシーンが入っているということのようです。

ストーリーについては原作に忠実ですから、トリックも同じです。
綺麗に騙されながら最後に誰も想像できなかった真実が明かされます。そこに容疑者の愛情が正しく献身的に注がれていたということが判るのです。

予告編を見ればどのように事件が起きたのか判ります。簡単に言うと、弁当屋の母娘が、元夫の暴力に耐えかねて殺害してしまいます。
アパートの隣室に住む石神は状況を察知し、数学者の頭脳を持ってそれを見抜きます。現場を見せられた彼は、その瞬間に死体を隠し、アリバイを作り、結末までのシナリオを頭の中で完成させます。
彼が用意したのは「嘘をつかなくて良い」という究極のアリバイです。それによって、最有力だった容疑者の母娘が徐々に警察の捜査線上から消えていくのです。無抵抗で淡々と進行していくのです。
しかし、事件の全貌は母も娘も知りません。そこに湯川学が登場し、石神だけが知っている事実を暴いて行きます。
人の心にはあまり興味を示さない二人だったのに、湯川は石神の愛情を見抜き、彼への友情で、これまで協力してきた警察への情報提供に躊躇し始めます。しかし、難問であればあるほど、彼の興味は解答へと近づきます。

おちゃらけはほとんどありません。真面目に作られた推理サスペンスものとして、じっくり楽しめるかと思います。