9月9日、白山連峰の南主稜線上にある、三ノ峰(標高2128m)に、日帰りで出かけました。
この山は、2000m級の山では本州で最も南西に位置しており、ここを南西限とする高山植物の宝庫として知られています。
三ノ峰へは4年前に岐阜県の石徹白から別山に行った折に登りました。
したがって、この山へ登るのは2度目になりますが、今回登った福井県の上小池からは初めてでした。
さらに、前回は単独行でしたが、今回はここへ何度も来ていて、福井県の山にも精通している弟と一緒に出かけました。
三ノ峰への地図です。イラスト地図は大野市のHPからお借りしました。
六本檜から三ノ峰避難小屋付近までは、石川県と福井県の県境を歩いていきます。
三ノ峰避難小屋付近は、石川県・福井県・岐阜県の3県境になり、近くの2095mのピーク(越前三ノ峰)は福井県の最高地点になります。
避難小屋から10分ほど歩くと三ノ峰に着き、さらに北へ進むと別山(標高2399m)を経て、白山最高峰の御前峰(同2702m)に至ります。
さて、先ずは上小池までの道について、簡単に触れておきます。
近くに日本百名山の荒島岳登山口がある、勝原(かどはら)から国道158号線を離れて、打波川に沿って走っていきます。
下打波、上打波の集落を過ぎると人の気配はなくなります。途中イノシシの子どもが出て来て、50mほど車の前を走ってくれました。
野鳥も豊富で、たくさんの鳥を見ました。中でも数メートルしか離れていないところに猛禽が留まっていたのには驚きました。
集落を過ぎ、さらに20分ほど行くと、鳩ヶ湯という大きな温泉施設に出ました。今は営業していないようでした。
そこからさらに20分ほど走って、上小池の駐車場に着きました。標高は920mほどでした。7時を過ぎていたのに、1台も車がありませんでした。
駐車場には立派なトイレもあります。
それでは、お待たせしました。ここからいよいよ歩いていきます。
朝まで降っていた雨で、登山道には所々沢のように水が流れ、本来の沢は滝のようになり、眼下の打波川は轟音を立てて激しく流れていました。
それでも予報では天気の回復は間違いなさそうでした。
道は一旦下り、標高880mで林道と合流します。
手前に大きなクリの木が現われて、驚かされました。幹周りが5.7mあるそうです。
道脇には次々とお花が現われました。9月に入っても花の数が多いのにも驚かされます。
残念ながら、標高1000mほどの所に咲く花の名前を、私はほとんど知りません。
今日は、写真だけ上げておきます。
上の写真のセリ科の植物の下部を撮りました。
背丈が2mを越えるセリ科の植物。
こちらもセリ科。
白山周辺には5種類のアザミがあると聞いたことがあります。
この花はアケボノソウ(リンドウ科センブリ属)だと思います。
オオアキギリ(シソ科アキギリ属)かもしれません。この花はこの後もたくさん見ました。
駐車場を出て20分ほど歩いて、三ノ峰登山口に着きました。ここで林道と岐れて坂道を登っていきます。
なお、近くには刈込池という景勝地があります。紅葉の季節には、多くのハイカーやカメラマンで賑わうようです。
坂道を20分ほど歩くと、やや平らなところへ出ました。山越邸跡と書かれた標識がありました。
弟によると、ここには出づくり小屋があったそうです。
明治14年に福井県、16年に富山県が分離する前、石川県の人口は日本一だったそうです。その大半が農業や林業に従事する人たちで、山間部にも多くの人が住んでいたようです。
白山周辺だけでなく、あちこちの山麓に、このような住居跡が見られます。
標高が1200mを越えると勾配が増してきました。弟に先に行ってもらい、私はゆっくり歩きます。
見かけたお花を挙げておきます。
サラシナショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)です。
こちらは先ほども見たオオアキギリ(シソ科アキギリ属)のように思います。
ヤマハッカ(シソ科ヤマハッカ属)の仲間かもしれませんが、まったく自信がりません。
こちらはリンドウ(リンドウ科リンドウ属)だと思います。標高の高いところで見られるオヤマリンドウとは明らかに違います。
この小さな黄色いお花の名前も分かりません。
赤い実と黒い実をつけた数十cmの木は、何かの幼木かもしれません。
ここでもアケボノソウを見ました。
こちらはトモエシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)かもしれません。
六本檜に着きました。正面に三ノ峰が今日初めて見えました。右奥には別山も見えます。
分岐を左に行くと杉峠を経て赤兎山へ、右へ進むと三ノ峰です。
弟が冷やしたトマトとブドウを用意して待っていてくれました。元気が出ます。
南西には日本百名山の荒島岳が見えます。形の良い山です。
近くにナナカマドとガクウツギに似た樹木がありました。
ナナカマドは赤い実をたくさんつけています。山の秋は深まりつつあります。
ここでもリンドウを見ました。エゾリンドウかもしれません。オヤマリンドウはもう少し先のようです。
ホツツジ(ツツジ科ホツツジ属)も咲いていました。これも高山型のミヤマホツツジではありませんでした。
六本檜からは尾根歩きですが、しばらくは樹林帯の中を歩きました。樹林帯を抜けると両側に景観が広がります。
アキノキリンソウ(キク科アキノキリンソウ属)です。まだ高山型ではありません。
徐々に見たことがある植物が増えていきます。こちらのアザミは花が上を向いています。
ムシカリ(スイカズラ科ガマズミ属)だと思います。
オヤマボクチ(キク科ヤマボクチ属)が現われました。
イワショウブ(チシマゼキショウ科チシマゼキショウ属)だと思います。
標高が1600mを越えた辺りでも、アキノキリンソウは高山型ではありません。
標高1671mの剣ヶ岩に着きました。ザックを下ろして休憩します。
白山を開山した泰澄大師が岩に剣を刺し、悪蛇を封じ込めたという伝説が記してありました。
この辺りから名前が分かる高山植物が多くなりました。
タテヤマウツボグサ(シソ科ウツボグサ属)です。
そして、秋に咲く高山植物の代表のひとつ、オヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属)が次々と現れました。
と思ったのですが、始めのうちは花が閉じていましたが、徐々に開いたものが多くなっていきました。
オヤマリンドウは花がこのように開かないので、これはエゾリンドウ(リンドウ科リンドウ属)のようです。
残念ながら、ここではオヤマリンドウは観られませんでした。
長くなりましたので、続きは白山連峰・三ノ峰には秋のお花がいっぱい(後編)でご覧いただきたいと思います。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
日帰り登山とは言え、
石川県・福井県・岐阜県の3県境(@_@)
また遠いところまで行かれたんですね。shuさんの行動力に感心しきりです。
幹周りが5.7mの栗の木(@_@)、
栗の木って細いイメージなんですが、山の主のように
大きく成長したものですね
セリ科の花がたくさん、アザミも咲きだし、秋が近いのを感じます。
アケボノソウ、見たこと無いのですが、
センブリに似ているのは、分かります。
頂上から、雲を見下ろし、日本百名山の荒島岳、
独立峰のように、スッキリ見えるんですね
秋が始まるのも早いだろう白山連峰、
たくさんの花々、山の景色を
今回も、楽しませていただきました^^
白山連邦は、shuさんの故郷の山ですよね。
お花のお写真がいっぱい載っていますが、名前が分かる物は数個しかありません。
アケボノソウは、今朝fukurouさんに見せて頂いたので分かりました。
shuさんは、高山のお花の名前の方がよくお分かりのようですね。
こんなに沢山見られて羨ましいです。
分からない花の名前は、どなたか詳しい方が教えて下さるでしょう。
お疲れ様でした。986
実家に用事があって、そのついでに近くの山を歩いてきました。
これまで白山と周辺の山には15回ほど出かけていますが、その度に初めて見るお花があります。
今回は標高が1000mに至らないところから歩き始めたので、特にそうでした。
それらの花々には、高山植物とはまた違う魅力があるように思います。
山では巨木に出会うことが度々あります。ブナ、スギ、ヒノキなどを見ましたが、クリは初めてでした。
クリは家の周りにもある樹ですが、こんなに大きくなるのですね。
続編では多くの高山植物に出会います。
今晩7時半に予約投稿していますので、ぜひご覧くださいませ。
弟のお陰で、素敵な山行を楽しむことができました。
翌朝、実家から素晴らしい白山を眺めることができました。
今月末には雪が降り始める白山です。足早に秋が進みます。
白山は、千葉から出かけると、移動に1日かかります。
今度はいつ行けるだろうかと、想いを巡らせています。