4月6日に隣市の印西市で催された、自然観察会に参加させていただいた。
この歴史ある自然観察会には毎回テーマがあり、今回は『松虫姫伝説の里で春を楽しむ』という、面白そうな名前が付いていた。
散策は北総線の印旛日本医大駅をスタート・ゴールとし、松虫寺で折り返す4.0kmのコース。松虫寺の周辺には里山の自然が残っていて、春の草花が期待できた。(松虫寺については記事の後半に記述。)

散策は指導員さんに従って歩いた。写真は草花を中心に特に気になった花を撮った。実際に観察した草花はさらに多かった。
では、観察した順にご覧いただきたい。

①シロイヌナズナ(アブラナ科シロイヌナズナ属の一年草)
原産地はユーラシア大陸からアフリカ大陸北部で、日本には1945年以降に渡来している。
生活型はロゼット型で、花茎は高さ10~30cmに達する。長日植物で花期は4~6月。茎頂に総状花序を出し、花は4~5mmの白色で花弁を4枚持ち多数つく。
この花はゲノムサイズが小さいこと、一世代が約2ヶ月と短いことから、植物のモデル生物としての利用されている。

②ミチタネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属の越年草)
原産地はヨーロッパで、日本では1992年に識別されている。
花期に根生葉があるのが特徴で、茎は直立し、ほとんど無毛で高さ3~30cmになる。花期は2~3月頃。茎先に総状花序をつけ、2~3mmの白色の4弁花をつける。

③タネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属の越年草または一年草)
日本の北海道・本州・四国・九州・南西諸島に分布し、湿った場所を好んで群生する。
葉を放射状に広げたロゼットで越冬し、春に花を咲かせる。花期に根生葉はない。花は4~5mmの白色の4弁花で、雄しべも4本。

④ナズナ(アブラナ科ナズナ属の越年草)
別名をペンペングサと言う。北半球に広く分布するし、日本では北海道から九州まで分布する。
花期は3~7月頃で背の低いうちから咲き始める。花茎を伸ばして分枝する茎先に総状花序を出して、有柄で3mmほどの白色の4弁花を多数つける。

⑤タチツボスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)
北海道から琉球列島、国外では朝鮮南部、中国南部まで広く分布する。日本で目にする機会が多い代表的なスミレのひとつである。
根出葉は細い葉柄があって、葉身は心形。葉にはあまり艶がない。花期は3~5月。花茎は葉の間から出て立ち上がり、先端がうつむいて花をつける。花は典型的なスミレの花の形だが、スミレより丸っこく、花色は薄紫色の花弁に、濃紫色の筋が入っている。

⑥トウダイグサ(トウダイグサ科トウダイグサ属の二年草)
日本では本州以南に広く分布し、日当たりのよい荒地や畑などに生える。
草丈は20~30cm程度。葉のつきかたに特徴があり、茎の中程の葉はヘラ型で互生するが、茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ輪生する。茎の頂部からは放射状に花茎を伸ばす。花期は4~6月。苞葉の中に黄色い花を複数つける。

⑦ヤブニンジン(セリ科ヤブニンジン属の多年草)
日本では、北海道・本州・四国・九州に分布し、山野の日陰になる藪などに生育する。世界では、朝鮮・中国・アムール・ウスリー・シベリア・カフカズ・インドに分布する。
茎は直立し、長い枝を分け、高さは30~60cmになる。茎と葉の両面に毛がある。葉は長さ7~30cmになり、2回3出羽状複葉で、小葉は卵形になり、縁に鋸歯がある。花期は4~5月。枝先に複散形花序をつけ、小花序に少数の白色の5弁花をつける。

⑧カントウタンポポ(キク科タンポポ属の多年草)
日本の関東地方、中部地方東部に多く分布し、野原や道端に生える。
高さは20~30cm前後、葉は、根生でロゼット状に広がった倒披針状線形で、葉縁は羽状に裂けている。花期は3~5月。ロゼットの中心から伸びた花茎の先に、1個の3~5cmの黄色い頭状花序をつける。花のつけ根にある緑色の総苞の外片が反り返らずに垂れ下がらない。シナノタンポポとは外総苞片が内総苞片の半分より長く幅が広く、角状突起が認められない点で区別される。

⑨ミドリハコベ(ナデシコ科ハコベ属の一年草または二年草)
日本を含むアジア・ヨーロッパ・アフリカの温帯から亜熱帯に広く分布する。
草丈は10~30cm、茎は緑色で株立ち状に広がる。葉は卵形で対生し、下部の葉には柄がある。花は白色で直径6~7mm、花弁は基部まで深く裂けるため10枚に見える。

⑩ジロボウエンゴサク(ケシ科キケマン属の多年草)
日本では、本州の関東地方以西・四国・九州に分布し、低地から山地の草原、川岸、樹縁などに生育する。世界では、台湾・中国大陸(東北部)に分布する。
植物体全体に無毛。塊茎から根出葉と茎を数本だす。塊茎の側芽は肥厚して小塊茎になる。茎は高さが10~20cmになり、弱々しくやや傾いて伸び、短い葉柄のある茎葉をふつう2個、まれに3個つける。根出葉は2~3回3出複葉となり、長い葉柄があり、小葉はふつう2~3深裂して裂片は長さ1~2cm、幅3~7mmになる。花期は4~5月。総状花序に紅紫色から青紫色のやや小数の花をつける。

⑪ホトケノザ(シソ科オドリコソウ属の一年草または越年草)
アジアやヨーロッパ・北アフリカなどに広く分布する。日本では、本州・四国・九州・沖縄に自生する。
(花笛)
ホトケノザの花の付け根の部分から蜜を除き、笛のように口にくわえて吹くと、「ピー」と音がする。指導員さんをまねてみたが、上手く音が出なかった。口の中に独特の苦味が残った。

⑫オオアラセイトウ(アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草)
別名をショカツサイ、ムラサキハナナと言う。
原産地は中国で、東部に分布し、東北および華北地区では普通に見られる。日本では江戸時代に輸入されて栽培されたものが野生化し、全土で見られる。
根生葉と茎下部の葉は羽状深裂し、基部は心形で、縁に鈍い鋸歯がある。上部の葉は長円形あるいは倒卵形で柄を持つ。基部は耳状で茎を抱き、縁には不揃いの鋸歯がある。花は茎先につく総状花序で、薄紫色の花弁には細い紋様がある。

⑬マルバスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)
シベリア・中国・朝鮮半島・日本の暖帯に分布する。日本では、本州・四国・九州に分布する。太平洋側の内陸部に多く、西日本では一部を除いてあまり多くない。
山地、丘陵地や道端などの日当たりの良い場所から半日陰の土手や落葉樹林下に生育数する。特に柔らかくて崩れ易い場所に群生することが多い。
花期の草丈は5~10 cm。ふつう葉や葉柄に粗い毛があり、葉は柔らかく、円心形、円頭、鈍鋸歯があり、基部は深い心形、長さ2~4 cm、柄の長さは2~10 cm。葉の表面は緑色、裏面は淡緑色。花は丸みがあり約2 cm、白色で時に淡紅紫色を帯び、花柄は長さ5~10 cmでまばらに開出毛が生える。花期は4月上旬~5月上旬。萼片は緑色~褐色で、長楕円状披針形で耳に歯牙がある。花弁は長さ10~14mm、側弁は無毛または少し毛があり、唇弁には紫条が入る。距は長さ6~7mm。花柱の上部は張り出してカマキリの頭形。
樹木の花はほとんど撮影しなかった。撮った写真と樹名のみを記載しておく。

ヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属の常緑低~高木)

ヒサカキ(モッコク科ヒサカキ属の常緑小高木)
最後に松虫寺をご紹介したい。
松虫寺は、真言宗豊山派の寺院で、山号を摩尼珠山、院号を医王院と言う。
聖武天皇の皇女松虫姫が重い病にかかり、夢のお告げに従い、当地の薬師仏に祈願したところ快復したため、天皇が薬師仏のために堂宇を建て松虫寺としたという伝承が残る。松虫姫の死後遺骸を分骨して境内に葬ったともされる。
国の重要文化財の『七仏薬師瑠璃光如来』は、33年毎に御開帳される。
今回の散策の最後に松虫寺を訪れた。寺門付近に大きなスダジイの樹があった。

摩尼珠山と記された門を通って境内へ進んだ。

境内でダイオウショウ(別名ダイオウマツ)と言う珍しいマツを見た。

葉が30cmほどあり(40cmに達するものもあるらしい)、短枝に3本束生する。落ち葉を拾って持ち帰った。

ヤエベニシダレが満開だった。

本堂は慶応元年(1865)年の建立。

松虫寺を出るとぽつぽつと雨が降ってきた。そのため観察会はここで解散となった。
幸い雨は弱く、傘を差すことなく、印旛日本医大駅までの道を急いだ。
今回の観察会では、主に里山で見られる草花を多く見られた。ヤブニンジンは初見だったし、シロイヌナズナを撮ったのは初めてだった。カントウタンポポを見たのはいつ以来だったろう。
観察会はよく準備されていた。指導員さんたちは皆知識が豊富で、親切にしていただいた。心より感謝申し上げたい。
この歴史ある自然観察会には毎回テーマがあり、今回は『松虫姫伝説の里で春を楽しむ』という、面白そうな名前が付いていた。
散策は北総線の印旛日本医大駅をスタート・ゴールとし、松虫寺で折り返す4.0kmのコース。松虫寺の周辺には里山の自然が残っていて、春の草花が期待できた。(松虫寺については記事の後半に記述。)

散策は指導員さんに従って歩いた。写真は草花を中心に特に気になった花を撮った。実際に観察した草花はさらに多かった。
では、観察した順にご覧いただきたい。

①シロイヌナズナ(アブラナ科シロイヌナズナ属の一年草)
原産地はユーラシア大陸からアフリカ大陸北部で、日本には1945年以降に渡来している。
生活型はロゼット型で、花茎は高さ10~30cmに達する。長日植物で花期は4~6月。茎頂に総状花序を出し、花は4~5mmの白色で花弁を4枚持ち多数つく。
この花はゲノムサイズが小さいこと、一世代が約2ヶ月と短いことから、植物のモデル生物としての利用されている。

②ミチタネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属の越年草)
原産地はヨーロッパで、日本では1992年に識別されている。
花期に根生葉があるのが特徴で、茎は直立し、ほとんど無毛で高さ3~30cmになる。花期は2~3月頃。茎先に総状花序をつけ、2~3mmの白色の4弁花をつける。

③タネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属の越年草または一年草)
日本の北海道・本州・四国・九州・南西諸島に分布し、湿った場所を好んで群生する。
葉を放射状に広げたロゼットで越冬し、春に花を咲かせる。花期に根生葉はない。花は4~5mmの白色の4弁花で、雄しべも4本。

④ナズナ(アブラナ科ナズナ属の越年草)
別名をペンペングサと言う。北半球に広く分布するし、日本では北海道から九州まで分布する。
花期は3~7月頃で背の低いうちから咲き始める。花茎を伸ばして分枝する茎先に総状花序を出して、有柄で3mmほどの白色の4弁花を多数つける。

⑤タチツボスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)
北海道から琉球列島、国外では朝鮮南部、中国南部まで広く分布する。日本で目にする機会が多い代表的なスミレのひとつである。
根出葉は細い葉柄があって、葉身は心形。葉にはあまり艶がない。花期は3~5月。花茎は葉の間から出て立ち上がり、先端がうつむいて花をつける。花は典型的なスミレの花の形だが、スミレより丸っこく、花色は薄紫色の花弁に、濃紫色の筋が入っている。

⑥トウダイグサ(トウダイグサ科トウダイグサ属の二年草)
日本では本州以南に広く分布し、日当たりのよい荒地や畑などに生える。
草丈は20~30cm程度。葉のつきかたに特徴があり、茎の中程の葉はヘラ型で互生するが、茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ輪生する。茎の頂部からは放射状に花茎を伸ばす。花期は4~6月。苞葉の中に黄色い花を複数つける。

⑦ヤブニンジン(セリ科ヤブニンジン属の多年草)
日本では、北海道・本州・四国・九州に分布し、山野の日陰になる藪などに生育する。世界では、朝鮮・中国・アムール・ウスリー・シベリア・カフカズ・インドに分布する。
茎は直立し、長い枝を分け、高さは30~60cmになる。茎と葉の両面に毛がある。葉は長さ7~30cmになり、2回3出羽状複葉で、小葉は卵形になり、縁に鋸歯がある。花期は4~5月。枝先に複散形花序をつけ、小花序に少数の白色の5弁花をつける。

⑧カントウタンポポ(キク科タンポポ属の多年草)
日本の関東地方、中部地方東部に多く分布し、野原や道端に生える。
高さは20~30cm前後、葉は、根生でロゼット状に広がった倒披針状線形で、葉縁は羽状に裂けている。花期は3~5月。ロゼットの中心から伸びた花茎の先に、1個の3~5cmの黄色い頭状花序をつける。花のつけ根にある緑色の総苞の外片が反り返らずに垂れ下がらない。シナノタンポポとは外総苞片が内総苞片の半分より長く幅が広く、角状突起が認められない点で区別される。

⑨ミドリハコベ(ナデシコ科ハコベ属の一年草または二年草)
日本を含むアジア・ヨーロッパ・アフリカの温帯から亜熱帯に広く分布する。
草丈は10~30cm、茎は緑色で株立ち状に広がる。葉は卵形で対生し、下部の葉には柄がある。花は白色で直径6~7mm、花弁は基部まで深く裂けるため10枚に見える。

⑩ジロボウエンゴサク(ケシ科キケマン属の多年草)
日本では、本州の関東地方以西・四国・九州に分布し、低地から山地の草原、川岸、樹縁などに生育する。世界では、台湾・中国大陸(東北部)に分布する。
植物体全体に無毛。塊茎から根出葉と茎を数本だす。塊茎の側芽は肥厚して小塊茎になる。茎は高さが10~20cmになり、弱々しくやや傾いて伸び、短い葉柄のある茎葉をふつう2個、まれに3個つける。根出葉は2~3回3出複葉となり、長い葉柄があり、小葉はふつう2~3深裂して裂片は長さ1~2cm、幅3~7mmになる。花期は4~5月。総状花序に紅紫色から青紫色のやや小数の花をつける。

⑪ホトケノザ(シソ科オドリコソウ属の一年草または越年草)
アジアやヨーロッパ・北アフリカなどに広く分布する。日本では、本州・四国・九州・沖縄に自生する。
(花笛)
ホトケノザの花の付け根の部分から蜜を除き、笛のように口にくわえて吹くと、「ピー」と音がする。指導員さんをまねてみたが、上手く音が出なかった。口の中に独特の苦味が残った。

⑫オオアラセイトウ(アブラナ科オオアラセイトウ属の越年草)
別名をショカツサイ、ムラサキハナナと言う。
原産地は中国で、東部に分布し、東北および華北地区では普通に見られる。日本では江戸時代に輸入されて栽培されたものが野生化し、全土で見られる。
根生葉と茎下部の葉は羽状深裂し、基部は心形で、縁に鈍い鋸歯がある。上部の葉は長円形あるいは倒卵形で柄を持つ。基部は耳状で茎を抱き、縁には不揃いの鋸歯がある。花は茎先につく総状花序で、薄紫色の花弁には細い紋様がある。

⑬マルバスミレ(スミレ科スミレ属の多年草)
シベリア・中国・朝鮮半島・日本の暖帯に分布する。日本では、本州・四国・九州に分布する。太平洋側の内陸部に多く、西日本では一部を除いてあまり多くない。
山地、丘陵地や道端などの日当たりの良い場所から半日陰の土手や落葉樹林下に生育数する。特に柔らかくて崩れ易い場所に群生することが多い。
花期の草丈は5~10 cm。ふつう葉や葉柄に粗い毛があり、葉は柔らかく、円心形、円頭、鈍鋸歯があり、基部は深い心形、長さ2~4 cm、柄の長さは2~10 cm。葉の表面は緑色、裏面は淡緑色。花は丸みがあり約2 cm、白色で時に淡紅紫色を帯び、花柄は長さ5~10 cmでまばらに開出毛が生える。花期は4月上旬~5月上旬。萼片は緑色~褐色で、長楕円状披針形で耳に歯牙がある。花弁は長さ10~14mm、側弁は無毛または少し毛があり、唇弁には紫条が入る。距は長さ6~7mm。花柱の上部は張り出してカマキリの頭形。
樹木の花はほとんど撮影しなかった。撮った写真と樹名のみを記載しておく。

ヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属の常緑低~高木)

ヒサカキ(モッコク科ヒサカキ属の常緑小高木)
最後に松虫寺をご紹介したい。
松虫寺は、真言宗豊山派の寺院で、山号を摩尼珠山、院号を医王院と言う。
聖武天皇の皇女松虫姫が重い病にかかり、夢のお告げに従い、当地の薬師仏に祈願したところ快復したため、天皇が薬師仏のために堂宇を建て松虫寺としたという伝承が残る。松虫姫の死後遺骸を分骨して境内に葬ったともされる。
国の重要文化財の『七仏薬師瑠璃光如来』は、33年毎に御開帳される。
今回の散策の最後に松虫寺を訪れた。寺門付近に大きなスダジイの樹があった。

摩尼珠山と記された門を通って境内へ進んだ。

境内でダイオウショウ(別名ダイオウマツ)と言う珍しいマツを見た。

葉が30cmほどあり(40cmに達するものもあるらしい)、短枝に3本束生する。落ち葉を拾って持ち帰った。

ヤエベニシダレが満開だった。

本堂は慶応元年(1865)年の建立。

松虫寺を出るとぽつぽつと雨が降ってきた。そのため観察会はここで解散となった。
幸い雨は弱く、傘を差すことなく、印旛日本医大駅までの道を急いだ。
今回の観察会では、主に里山で見られる草花を多く見られた。ヤブニンジンは初見だったし、シロイヌナズナを撮ったのは初めてだった。カントウタンポポを見たのはいつ以来だったろう。
観察会はよく準備されていた。指導員さんたちは皆知識が豊富で、親切にしていただいた。心より感謝申し上げたい。







