相方がこの間まで塩に漬けておいた梅をベランダと呼べない狭い場所にせっせと干している。
散歩しながら「ほら、このお宅の梅、日光を浴びて真っ赤になっておいしそう。小さい頃干してある梅を見つけてはその家の人に話しかけて一粒貰って食べて回ったんだよね。今の場所だと日が当たらないから陰干しなのよね、どうしよう、向いの家の敷地に知らないふりしておいてしまおうかしら、でも気が引けるな。」「この廃材の積んである上にならいいんじゃないの」「そうね、そうさせてもらおうかしら、でも一応尋ねてみる・・あら、留守みたい」
自分のお大好物なだけに、まるでわが子の様によその梅の状態と家の梅とを比較している。微笑ましい。
散歩から帰り、干していた梅を部屋に入れてざるに並んだそれを上からジーッと眺めている。「ちょっと一粒食べてみて」
ぐわー酸っぱいー!。