少太 BLOG

考える日々

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2021-01-20 01:12:19 | 日記・エッセイ・コラム
昨夜の出来事はまるで覚えていないどころか、私が今何処にいるのかもわからない。

解るのは ただ、両足が少し、あるべき両足が少し無いという事と、乾燥した空気に漂うたたきつける放射の風、それにより虹色の塵達が輝き、またそれが、こんな私を少しばかり祝福している様に感じられた事だった。

これが現実であれば、確かに私は昨日ざわめく雑踏のなかで、日常の管を巻き、また、私も雑踏のひと藁となって全体に溶け込もうとしていたあの賑わう街に確かにいたのだ。

虹色の街の一場面で、ピエロの様な美しい女性達、腰をぐんぐん振りながらすすりよってくる女性達に私はその女性達の腰のひと振りが、女性そのものの象徴の様な気がして、気を良くゆるし、少し顔を熱らせながら多量の葡萄酒を飲んでいた。

その一群とよく幸福について、或いは異性について、よく語り合ったものだ、つまり運命について。

私にはつねに長い時間を共にした友が一人だけあった様に思うが、その名、風貌がどうしても思い出せない。
与えられたものなのか、自ら選択しているのか、とにかくそのどちらにも向かい、膝下にまで増した雪の絨毯を前へ進もうとしていた。