少太 BLOG

考える日々

街にて

2017-08-29 02:04:37 | 日記
曇りの札幌の町を土産を探し歩く。都会の買い物には興味がない。これといって物欲もない、となると、この街はただ騒々しいだけに思える。


歩道のベンチに座り歩道を歩く不特定多数の人々に向かって世の中のというよりは、個人的不満を叫んでいる男がいる。長めの白髪に帽子をかぶり、つり目タイプのサングラスをかけて、麻のショルダーバッグに何か漢字で言葉を刻んでいる。たまたま目の前を通りすがり、立ち止まろうかとも思ったが、何かしっかりした革命的理論を持って叫んでいる訳ではない。「俺が生きていて悪いのかバカ野郎!お前ら都会の人間はあまちゃんに支えられていきてんだろ、バカ野郎!」という具合だ。やるならもっと効率よく論理的にやればいいのに。ただの怠け者の遠吠えだ。お話にならないから立ち止まり、彼に向かうのを止めた。

大きな幅の通りを信号を待っていると、対面する人々の背後、後ろの辺りが気になり、つい遠目になる。普段観を思い、人間に最も必要な目線でもって、足元の影、足元の葉、やら、足元の蟻やらに目をやる。つかの間に戻る。

私が生きた時間はいつかすっかりと行方をくらまし、すっかりと別の何かになっていたとしても、人々にとっては、別の何かではなく、揺らぐことのない人々の記憶にただはっきりと形と内容のある人で留まる、そういう残像になる。


ということは、あなたもまた、誰かにとっては、同じということか。

古本屋で一時間目をふらつかせ、一冊だけ見つけた、この街の思わぬ収穫、それでよし。
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故郷

2017-08-26 22:01:37 | 日記
何年ぶりたろうか、一人での船旅は。前日に携帯が壊れて買い替えるはめになった。本体内の数十枚の写真を失う、幾つかの電話帳の連絡先を失う。まぁ仕方がない。

さてと、一人旅だ。
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蜘蛛の動き

2017-08-19 04:25:52 | 日記
蜘蛛の動き、番いか、交友かと思われた、擬人的思いをよそに、片方がチャバネを巣に捕らえ、食べている。


片方がその様子を近くで伺い、チャバネを食べる行為を止めて、張り巡らされた、こちらからは光の加減により形の見えない、想像の中の上部へ移動した時、すかさず近寄り、少しずつ近寄り、獲物のゴキブリを奪おうとするが、糸の伝達、か、視覚かにより、その細長い足を伸ばして、「来るな、来るな」と言わんばかりに蹴る。そして、「参った、参った」と言わんばかりに退散し、また距離を保って様子を伺っていた。

翌日、内部を吸い尽くされたようなチャバネの外部の欠片が落ちていて、その一面の蜘蛛の巣に二匹の蜘蛛が、また距離を保っていた。


世の中で最も苦手な蜘蛛も、観察してみると、明日の二匹の関係性が気になり始めると、姿の怖さより、生態の面白さが勝ってきて、いつもならばすくい、外に逃がすのだけど、しばらく観察の種となる。

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三日目にようやく

2017-08-15 18:51:12 | 日記


いやいや参った。

足のつりから三日目にようやく何とか歩けるようになった。

二日目は特に痛みがひどかった。痛みの部分と痛みの種類から足底筋膜炎ではないかと思い、三日目の朝に病院に行き詳しく症状を説明すると、先生が医学書をパラパラめくり「これ、この辺りのおそらく長拇趾屈筋が内側に突っ張られた事による炎症だと思われます」とのこと。「痛風ではないと思いますが、一応血液検査しておきましょう」と採血し、電気治療と痛み止めを処方してもらい、今日は片足サンダルでTarjiを開ける。



しかし、痛風だったらどうしよう・・・・。

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お盆

2017-08-13 15:43:59 | 日記
夢のなかで足の痛みを覚えて、その痛みのために覚醒し、ベッドから降りようとして足をついたら、足の裏の激痛のため、かかとをついてしか歩けなくなり、足は赤く腫れており、寝ている間に足がつったようで、以前にも一度あったのだけど、経験上一日か二日程度で腫れも痛みも引いていくはずで、たいしたことではないと思うけど、それで徒歩は無理なので、散歩コースを自転車のペダルをかかとで漕いで行き、随分遠回りをして、見覚えのない、知らない道に出たときに、むこうから三毛猫が、私と同じ左の後ろ足を引きずって歩いてきて、すれ違い様に立ち止まり、こちらの動きを不思議そうに見ていた。


お盆らしい。
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寓話のようなもの

2017-08-03 18:44:43 | 日記



-----気付いてないわ、猫などに夢中になって、あのグルグル巻いた有害物も持っていないわ。

しかし、視界に入るのはまずいわね。裏側、ちょうどあの柔らかい二の腕あたりかしら、あるいは首筋、羽音をなるべく弱めて着地しよう。よし、まずまずだわ、あちらは猫に夢中だもの、針をそっとやるわよ、それで痒みが始まるのはすっかりとお腹いっぱいに頂いて私が飛び去った後なのよ、フフフ、上手く出来てるでしょ。

それにしても男どもときたら、血はいらないもんだから、あの大きな手のひらがいつ頭から振りかざされるか、死をも覚悟して生き血を吸う恐怖など知らないんだわ。あっちへプ~ン、そっちへプ~ン、気ままなもんだわ。風来坊のボウフラだわ、こっちはその私のボウフラのために決死の働きなのよ。せいぜい家に迷い込んで必死に逃げ回ってるといいわ。

そろそろお腹いっぱい、だけどね、時々ね、何というか、生き血の覚醒とでもいうのかしら、このままこうして、人間の一部として、あの大きな手のひらによって終ってしまうのもいいかなぁって感じることがあるの。私たち蚊の前世はヒトだったんじゃないかしら、それならば次の輪廻転生には、またヒトになってこの世に誕生するかもしれないわ。

今このまま、猫に夢中になって、その夢中になられている猫の子守歌に身を包まれたまま、このひと時のまま、この血は今はもう私の一部となり、この血の流れるこの人によって、すぐに訪れるであろう私の死を、あの大きな手のひらに運命をささげてもいいのかもしれないわ。そう、一灯の蠟燭の炎に飛び込み、一瞬で焼き尽くされる蛾の様に-----


「ペチン!!」



「蚊!あっ、血だ・・・・」
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はたして

2017-08-03 02:09:11 | 日記


いわゆる未開人の土地への開拓それを、文明人は「未開人からの抵抗を受けるから」と言う。はたして抵抗をもたらしているのはどちらか。領土を得るために文明的それを与えているのはどちらか、与える側がすっかり忘れている事は何か。
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