少太 BLOG

考える日々

何者かの目線

2015-07-06 19:13:10 | 日記
散歩の途中、遭遇してしまった。バシャッと聞こえた方に目をやると、水堀に落ちて必死にもがくすずめの子、を上空から陸までほらほらとホバリングする母、思わず「アーッ」と声をあげてしまったと同時に、二羽のカラスがバサバサーっと舞い降りてきて、うちの一羽が嘴で連れ去っていった。すずめが蝉を捕らえる時の様に一瞬だった。

温泉に浸かりついさっきみた、その一瞬の間自分の目線かどうか、別の何かからみていたような感覚を思いながら温泉の脱衣室で衣服を身に付けていると、おじいさん同士が全裸で椅子に座り、扇風機の風をあびながら「結局はんだんだず。金持ちほどけちなんだず。金がない人はいい人なんだず、金がねぇのに寄付してけてやるから寄付金もおもうようにあづまんねぇのよ。昔の人はよくいっだもんだず。いいとごの嫁さなっどよ、ゼイダグな暮らしがでぎっどおもっでほれよ、嫁さ行がせるべ。んでもよ、そっだら金持ちの家にはよー、ゼイダグさせっための金なんがねんだず、かえって大変なんだず、けちだがらよー。」

といいながら、股の間をビシャリ、タタタ、ピチャリ、ピチャッ、とぜい肉の垂れた部分と、骨ばった部分を使い分けながら、トイレに入っていった。

帰り道にビールを飲みながら公園の南側の土手の上のベンチから街を見下ろしていると、水堀を釣竿とラインを引きながらお堀にそって歩く人。確実にかかった魚を誘導して人が降りていける土手まで引っ張って、網で捕らえる作戦であろう。

竿を片手で引寄せながら、片手で斜面をささえながら降りていき、網を用意して、一気にリールをまわす。手元2メートルほど来たかと思うとバッシャンと暴れまわる、デカイ、1メートルあるんじゃないか。魚が弱るまで焦らず待つことと格闘している。いつのまにか見物人が集まってきてその様子を取り囲んでいる様を土手の上からみていた。

ようやく網が上がった、アスファルトの上で躍りはねる1メートル近い鯉。見物人達から一斉に拍手が沸き起こる。土手の上から僕らも拍手。

翌日、鯉の躍りはねていた場所を通ってみると、アスファルトに取り残されたようにして張り付いているうろこだけが、昨日の騒がしかった様子を物語っているようだった。
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