雪が降るとふと思い出すそう遠くない昔、八重山諸島を転々としていた頃、石垣島のタクシーの運転手のおじさんと(私はオートバイで移動していたのに何故タクシーに乗ったのか?ひょっとしたら体一つで訪れた竹富島か波照間島だったかもしれない)の会話、多少方言が入っていたが、方言を忘れたので標準語で。
「どこからきたの」とおじさん。
「札幌から」と私。
「この辺りの海はエメラルドグリーンで珊瑚の砂浜は白くて綺麗ですよね」と私。
「そうですか?私はこの海しか知らないから本州のグレーの砂浜を知らない。」とおじさん。
「そうなんですか」と私。
「実は私は今年で還暦を迎えるんですよ。それでね、退職したら時間があるから死ぬ前に一度辺り一面の雪景色を見に北海道に行きたいんですよ」と遠くを見つめたおじさん。
今年で還暦というのが嘘ではなく、私の記憶も嘘ではなければおじさんの歳が59歳、ということは現在81か82歳。
その後生きて北の大地を踏み、辺り一面の雪景色が見られただろうか。
「どこからきたの」とおじさん。
「札幌から」と私。
「この辺りの海はエメラルドグリーンで珊瑚の砂浜は白くて綺麗ですよね」と私。
「そうですか?私はこの海しか知らないから本州のグレーの砂浜を知らない。」とおじさん。
「そうなんですか」と私。
「実は私は今年で還暦を迎えるんですよ。それでね、退職したら時間があるから死ぬ前に一度辺り一面の雪景色を見に北海道に行きたいんですよ」と遠くを見つめたおじさん。
今年で還暦というのが嘘ではなく、私の記憶も嘘ではなければおじさんの歳が59歳、ということは現在81か82歳。
その後生きて北の大地を踏み、辺り一面の雪景色が見られただろうか。