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伊東良徳の超乱読読書日記

はてなブログに引っ越しました→https://shomin-law.hatenablog.com/

燃える!会議術

2006-10-15 10:04:48 | 実用書・ビジネス書
 「プレジデント」の特集を何本かまとめた、「会議を意味のあるものに変え、早く終わらせるための本」だそうです。
 趣旨そのものには大賛成です。どうも会議をすること自体に意味があるとか長くすることに意味があると考える人がいるみたいで、この会議に出なければこれだけ仕事ができたはずという思いばかり持つことになりがち。「時間泥棒」なんて言いたくなります。
 もっとも、この本を読んで会議を意味のあるものに変え早く終わらせることができるかは疑問です。プレジデント社ですから、大企業のトップのお話はごもっともで聞いてもちろん批判はなし。企業トップの方で会議を変えようとすれば変えられるという話と、部下の方からのスタンスとしてはダメ上司がくだらない提案をしたときのやり過ごし方のような話が混在していて、結局トップの決断待ちって話になりそう。
 専門家を集めた「プロ集団」の会議が楽観的なものになりがちで空理空論で現実にそぐわないことが多いという指摘(189~190頁)はおもしろいですけどね。


プレジデント編集部編 プレジデント社 2006年9月15日発行
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情けは人の死を招く

2006-10-15 09:59:34 | 小説
 「殺してしまえば判らない」に続く女装マニアの元検事狐久保朝志シリーズのミステリー。そこそこの水準はいっていますので暇つぶしにはよいと思います。
 事件の舞台が豪華リゾートマンションなものでそうならざるを得ないのでしょうけど、語り手のボク(斎藤和樹)を含め登場人物の大半が大金持ちという設定は、私は好きになれません。ボクが親の遺産で豪華マンションを買ってさらに無職でブラブラしていても生活に困らないし、ラブストーリーの展開もこんなのあり?と思うような都合のいい展開なのも私には今ひとつです。
 なんとか読者の読みを外そうという意図が過剰に感じられて、ちょっとそのあたりが読んでいて流れの不自然さというかぎこちなさを感じます。タイトルもストーリーとはあわない感じがしますし。
 犯行に用いた目出し帽に他人の毛髪を付着させて発見させた犯人が犯行に用いた軍手を一緒に置いておくというのもちぐはぐ。警察が関係者にこんなに捜査情報を開かすかねえとも思いますが、毛髪が被疑者と一致した、軍手に付いていた血が被害者と一致したといいながら軍手の汗等のDNA鑑定の話がずっと出てこなくてそっちはどうなってんのとずっと思いつつ読んでたら、最後になって軍手の内側から取った皮膚組織が決めてですもの。完全犯罪のトリックを考え抜き犯行を偽装するのに他人の毛髪をつけようって犯人が今時そんなミスする?
 まあ、そういうぎこちなさが残りますが、本格ミステリーというよりは「名探偵コナン」のノリで楽しめばいいでしょう。


射逆裕二 角川書店 2006年5月30日発行
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