地方で考える ●oyajiの侃々諤々

北信濃の豊かな自然と歴史に抱かれて過ごす日々・・・

ちょっと斜に構えてみれば
???と思うことも多いですね~

人口500人を割った村

2013-02-04 | この「国」のこと
長野県下伊那郡平谷村(ひらやむら)の人口が、ついに500人を割りました・・・
35の村がある長野県の中でも一番人口が少なく、この規模は、わが家の属する行政区をも下回ります

《平谷村の人口、発足以来初の500人割れ》      (2月2日信毎web)
「県内市町村で最も人口が少ない下伊那郡平谷村の人口が1日で494人となり、1934(昭和9)年の村発足以来初めて500人を割った。村が毎月1日に算出する住民基本台帳人口に基づく数字で、2010年の国勢調査を踏まえた毎月人口異動調査とは異なる」


          

「なぜ合併しないの?」
「そんな規模で地方公共団体を維持できるの?」
・・・と思わざるをえません

ちなみに、長野県には120の市町村がありましたが平成の大合併で77(19市・23町・35村)に再編統合されました
それでも35もの村があるのは、山や川によって分断されている地勢的な条件や、エリアに合併を誘引する「核」がない、住民意識として独立独歩の気概が強い・・・などが背景にあると思われます

では、平谷村はそこまで縮小しながら 「なぜ合併しないの?」
平谷村は2003年に、中学生以上を対象として《周辺市町村との合併の賛否を問う住民投票》をおこなっています
結果は 合併に「賛成」 341票 (有効投票の約74%・投票率89%) ・・・でした


合併には相手方が必要・・・

《連載・企画 -平成の大合併 むらの選択― その後の平谷》   (2004年読売新聞)
「交渉相手見つからず
・・・それから十か月。村の合併相手は、見つかっていない。周辺の村は交渉の席につかないばかりか、「何の調整もなく混乱を招いた」と平谷村に反感を抱いた。住民の意思が宙に浮いたままの事態にも、塚田明久村長は「下伊那郡西部五村で共通の財政見通しを立てるところまで進んだ」と前向きだが、来年三月末の特例法期限内の合併は絶望的な状況にある。「来年に間に合わなくても、やがて合併しなければならない日が来る。それまでは細々とやっていくしかない」。そんな思いで望みをつないでいる」


合併していない(できない)事情がそこにあったのです

次に 「そんな規模で地方公共団体を維持できるの?」
平谷村の 公式ホームページ を覗いてみました

「村の総面積77.40平方キロメートルの内、96.7%が山林で占められ、なだらかな山々と古くからのたたずまいを残す山里、高原で夏の涼しさは格別であり中京圏の避暑地、観光地として発展が期待されるところがあります。このような豊かな自然を利用し、「人づくりは村づくり」を基本とした人材育成に取り組み新しい発想と技術力・開発力を掘り起こしながら魅力ある特産品の開発、イベントづくりなど総合的な観光立村を目指して推進しています」

・・・ということで、小さいながらも「一村一国」 
商工会があって観光協会もあります
道の駅『信州平谷』や信州平谷温泉は観光立村の拠点です
ある意味では、理想郷かもしれません


職員数は17人前後・・・
扱う件数は少ないと言えども、各種法律や条令などにもとづく事務の内容は、人口の多寡に関わらず大きな市とほぼ同様 
議会も、教育委員会も、選挙管理員会も、農業委員会もあるわけです
1人で何種類もの分野を担当するでしょうから、その大変さは容易に察することができます
当然財政事情も厳しく、職員の給与水準も国と比べて月額3万円も安い
まぁ
就職先に乏しい山村ではワーキングシェアかもしれませんが、「恵まれた公務員」像からはかなりかけ離れるかもしれません

oyaji は基本的に合併推進の立場です
適当な規模があると思っています
メリット、デメリットはありますが公的サービスにも、地方交付税にも限界があり、合理性や効率性、専門性は必要だと思うからです


平成の大合併 ・・・
合併特例債を「人参」としてかなり推進されましたが、長野県では諸事情・諸条件から多くの村や町が残り、今も地方公共団体として奮闘しているわけです
逆に言えば、存続できています

果たしてどちらの選択が良かったのか?
合併推進の立場であっても、そんな思いもよぎります
◆35の村は、これからも自立してやっていけるのか・・・
◆逆に合併したところは、今、どんな思惑違いや課題が生じているか・・・

「住民のための地方自治」を模索する上で、引き続き注目したい地方行政です
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