白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

はるのきつばき

2010-02-19 | 画廊の様子
遥か昔、大きなリュックいっぱいに荷物を積めて九州一周の「汽車」の旅に出かけました。
春休みが始まった大雪の日に出発、平戸島にたどり着いたのは何日後だったでしょうか。
春一番の大風が吹いて島の石畳の道に深紅の椿の花びらが降り積もっていました。
それまでに見たこともない情熱的な景色でした。

「椿」は和字つまり日本でつくられた文字です。ですから、椿は和花といえましょう。
白玉椿、紅椿、黒椿それから侘助などと美しい名前を付けられてその数は二千種にも及ぶとか。花の時期はとても長くて白玉から咲き始めて最後に侘助が散る頃はとっくに桜は終わっているそうです。
北海道にはない夢の花です。 

鶸(ひわ)色に染めた椿の花の手ぬぐいとその横に竹久夢二の「黒船屋」を飾ってみました。

     花弁に昔ながらの恋燃えて   漱石

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