サルバトール・だれ?  by 澁澤寅彦

笑いは地球を救う。
妻Rは足下をすくう

1999/11 Part 1

1999-11-10 13:48:05 | Weblog
ワイヤーウーマン
at 1999 11/01 16:43 編集

うちのワイヤーウーマンはレベルアップして登場してきた。
これまでの、単なるワイヤー固定に加えて、内側からバネで上あごを継続的に外に広げる機能が組み込まれている。巨人の星の大リーグボール養成ギブスのようなものだ。

そもそも彼女がこのような処置が必要になったのは、子供の時に八重歯を抜いたことによる。ドラキュラのような八重歯が他の歯からはずれて生えていたので抜いたのだが、この為、その後の永久歯が成長していく中で、上の歯は八重歯の分だけ狭く生えてきた。上顎の方が下顎に比べ、小さくなったということ。通常は上顎の方が大きく、下顎を包むようになっている。

この為、かみ合わせが悪く、顎の関節に負担となり、時々顎が開かなくなる様になってしまったのだ。(TMDと呼ばれるらしい)
子供の頃に、安易に歯を抜くのは考え物だ。

ワイヤーウーマンの口の中はワイヤーだらけで、食べ物は引っかかるは、舌は血だらけになるはで、すっかり食事の量が減ってしまっている。当分スープを中心に流動食の生活か。

(アメリカなどでは、ダイエットするために上顎と下顎をワイヤーで縛って、開かないようにする人もいるらしい。)



ざじずぜぞ だぢづでど
at 1999 11/02 16:35 編集

今回帰国のA君の奥さんは、和歌山県の南の方の出身。そこでは、「ざじずぜぞ」と「だぢづでど」の音の区別がないらしい。
「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の音に区別がないのだから、「ざ」と「だ」、「ぜ」と「で」、「ぞ」と「ど」の音に区別がないのも、おかしいことではないのかもしれない。

具体的には、ざ行の音がだ行の音になり、例えば、「ぞう(象)」は「DOU」になるそうだ。
ぞうさんの歌は「どーさん、どーさん。お鼻が長いのね」と歌うそうだ。しかしながら、書くときにはちゃんと「ぞう」と書くのである。

彼女は「日本人がRとLを同じ発音しているのに、書き分けているのと同じだ」と言っていたが、英語では実際は違う音なので、むしろスペイン語のBとV(どちらもBの音)と言った方がよいかもしれない。

「ゾンビ」は「DONBI」と言うらしいし、「ぞうり」は「DOURI」になる。
じゃあ、「DOURI」と聞いたときに、それが「草履」なのか「道理」なのかどうして分かるかというと、「文脈で判断する」のだそうだ。「無理が通れば草履引っ込む?」

でも、「JIOKAKU」と音で聞いたときに、「痔を掻く」か「字を書く」か、間違えることもあるように、小学生の中には「10円玉は(DOU) でできています」と聞くと、10円玉は象から作られていると思うこともあるだろう。

言葉は楽な方に流れるから、将来的には、このように変わっていくかもしれない。

似たような話で、最近の小学生は、「お」と「を」の発音が違うらしい。
「お」は「お」と発音するのに対し、「を」は「ぅお」と発音するらしい。これは、ローマ字入力で「を」を「WO」と入力しているからではないかとの説明があるが、定かではない。
僕はひらがな入力しているので、あまり意識していなかったが、おもしろいと思った。



水中メガネ
at 1999 11/03 07:52 編集

ジムでいつものトレーニングメニューをこなす。
ふとガラス越しにプールに目をやると、スタイルの良い女性が二人、ジャクージに向かうところだった。
最近おやじ気味の僕は、いつもはいかないプールもやることにした。
期待に胸ふくらませて海パンに着替えプールに向かい、ジャクージにはいると、なんと、メガネをしていないのでお目当ての女性はすっかりぼやけて何も見えない。

チェッ

気を取り直して泳ぐことにした。不思議なことに度の入っていない水中メガネでも、水中では良く見える。平泳ぎの女性のすぐ後をおやじが泳いでいるのが良く目撃されるわけだ。うちの会社のK部長が最近水泳にこっているのも、これが目的かもしれない。

今日は、太ったおばちゃんが僕の前を泳いでいる。近づきすぎないように距離を開けて、クロールで泳ぐ。

もうすぐターンと言うところ。男性が二人、休んでいるのが目にはいる。体力がなくて、片道泳いで休んでいるのだ。ターンの壁を確認しようとしたところ、見るともなしに男性のうちの一人が海パンの中に片手を入れて股間を掻いているのが見えてしまった。

うー、気持ち悪い。息継ぎで首のひねりがおかしくなって、背中のすじを痛めてしまった。



くも膜下
at 1999 11/04 06:29 編集

くも膜下で倒れた母の見舞いに駆けつけた息子。
鼻に酸素吸入の管を入れられている母の顔は鼻の周りが少し黒ずんでいて、鼻もつぶれた感じで見えた。(時代劇に出てきそうな熊五郎のような顔)

心配そうに、隣に立っている妻に話しかける息子
「倒れたときに、顔をぶつけたのかな」
妻は冷静に
「前からこんな顔よ」

半年後に、すっかり元気になった母に会ったとき、妻は相変わらず冷静に
「ほーら、やっぱりこんな顔だったじゃない」



密室でこわいおじさんに囲まれて
at 1999 11/04 16:15 編集

ミラノの滞在型ホテルに9ヶ月住んでいたときのことだ。
ある朝、妻とでかけることとなり、エレベーターに乗った。途中の階で、関西やくざ風のこわい顔のおじさんが二人乗り込んできた。
定員5人の小さいエレベーターで、我々夫婦はすごく緊張した。
(目を合わせちゃいけない)

1階までは、まだ少しある。エレベーターの動きが遅く感じられる。

と、その時、おじさんのうちの1人が話しかけてきた。

こわいおじさん 「あのー」
私 「(まずい! 平静を装って) はい」
こわいおじさん 「えり、立ってまっせ。」
私 「....はい!」

1階について、おじさん達は降りていった。我々は、しばしの間、ロビーで動けなかった。
私の上着の襟が立っていたのを、親切に教えてくれたのだ。
人は見かけで判断してはいけない。



匿名希望
at 1999 11/05 06:42 編集

僕の日記を読んでいて、妻が言う。

妻「ねえ、どうしてM副社長とかK部長とかは匿名なのに、私は「うちの妻」として特定されちゃうの? おかしいんじゃない?」

私「わかったよ、次回からは「うちの妻R」という風に書くよ」


我が家が一夫多妻かどうかは、誰にもわからないのだから、これで匿名性は確保できるはず。



ジェットコースター
at 1999 11/06 16:09 編集

私はジェットコースターが嫌いだ。
曲がる方向が見えている場合はまだ耐えられるが、後ろ向きに走ったり、暗闇を走る場合はもう駄目。豊島園のバイキング(大きなブランコのようなもの)で、後ろに進むのが耐えられず、真っ青になっていたのは、妻Rと、つきあい始めてすぐの頃だった。(妻Rは、バイキングなどちっともこわくないのだが、隣で小さくなっている私が死ぬのではないかとこわかったそうだ)
昔の新幹線の3人席は椅子の向きが変えられず、指定席で取った席が後ろ向きの席で、気持ち悪くなったこともあった。
浅草の花屋敷は、極めてマイルドなジェットコースターで、私も大丈夫だった。ところが、ここでも一度こわいことがあった。
二人が向かい合って座るカプセル型の乗り物だった。
動きのイメージとしては、観覧車が大きな輪を描きながら回る一方で、それぞれのゴンドラが、大きな輪につながっているところを支点に、小さな輪を描いて宙返りしているものだ。(この表現力の無さ)
動き出してしばらくして、でんぐり返しが始まった頃、シートベルトをしていないことに気がついたのだ。
「ひえー」
終わるまでの何分間か、極めて長い時間に思われたのだが、手足を突っ張って身体を支えていた。

小学校の時、NHKで「四つの目」という番組をやっていた。子供向けの科学番組だった。
その中で、「男と女のどちらがジェットコースターを怖がるか」というテーマを扱ったことがあった。
チンパンジーのオスとメスをジェットコースターに乗せて、脈拍・心拍数などを測定し、どちらが怖がるかを見るもの。
結果はオスの方が怖がるというものだったのだが、理由は次のようなものだったと思う。
ジェットコースターを怖がるのは睾丸(下品ですみません。)である。オスの場合はこれが身体の外に出ていることで、恐怖感が強い。メスはこれに当たる器官が体内にあることから、恐怖の度合いが弱い。
実験では、ジェットコースターから降りたオスの睾丸は体内に引っ込んでしまっていて(XX玉が縮み上がった状態)、担当者が手で押して、元の位置に「降ろして」いた。
なかなか子供向け科学番組としてはすごい内容だと思った。



2000年問題担当者の悲劇 21  T-バック下着
at 1999 11/07 05:28 編集

2000年問題で僕を手伝ってくれているT君が、言う。
T「今日の主計のGさん、すごいですよ。きっとT-バックですよ」
私「どうして分かるんだ」
T「だって、下着の線がズボンに出ていないじゃないですか」
私「そうか。でもT-バックというと英語だから、周りのイギリス人にわかっちゃうよ。違う言葉を使った方がいいよ」
T「何にしましょうか」
私「リブトンがいいよ」
T「何ですかそれは」
私「リブトン・ティーバッグ」

T-バック発祥の地と言われるブラジルでは、T-バックは、「歯医者の糸」と呼ばれているらしい。デンタルフロスを使うところを想像すれば納得がいく。


うちの妻Rは、まだY2K(「ワイツーケー」当地で2000年問題を指す略語)という言葉を覚えられない。
どうしてもYK2(ワイケーツー)となってしまう。

「Y-けつ」は、「T-バック」より下品で強烈だ。



岩波古語辞典
at 1999 11/08 04:12 編集

イギリスにも、岩波古語辞典を持ってきている。高校時代に使っていたものだ。
国語辞典と違って、言葉が増えないから、定期的に買い換えなくて良いのは便利だ。(それとも、「鼻血ぶー」とか「ナウイ」とか、死語になった言葉が、国語辞典から古語辞典に移るのだろうか)

古語辞典を持ち歩くのには理由がある。

福井出身の僕は、福井弁にすっかり染まっており、東京育ちの妻Rもおばあちゃんの甲州弁の影響が少しある。
標準語だと思って使った言葉が相手に通じなかったとき、どちらもそれが本当に標準語だと言い切れないのだ。

福井弁の特徴は
イントネーションが激しい。特に語尾。
単語の頭の「そ」が「ほ」に変化することがある。(「それ」=>「ほれ」、「そうだ、そうだ」=>「ほや、ほや」)
古語がまだ残っている。

「ばんげ」という言葉がある。東京出身の友人に、どういう意味だと思うかと聞いてみた。

永谷園の「あさげ、ひるげ、ゆうげ」の連想から、「晩ご飯」の意味ではないかと答えた。

「あさげ(朝餉)、昼餉、夕餉」は、マイクロソフトのMS-IMEの漢字変換でも出てくるが、「ばんげ」は出てこない。
岩波古語辞典を見ると、「ばんげい(晩景)。夕方、晩方」と書いてある。

「はしかい」という単語もまだよく使われている。背中に籾殻が入ったりした時に、いらいらかゆいという意味と、すばしっこいという意味と、両方とも使っている。

今年の初めに帰国したN君の奥さんは、実家が千葉のお百姓さんで、「はしかい」は使うといって、二人で盛り上がった。

引退したら、日本の方言の研究をやってみたいと思っている。



病は気から
at 1999 11/09 16:53 編集

吐き気とめまいで夜中に目が覚めた。
朝になっても、状況は変わっておらず、会社を休んだ。
寝ていれば何とかなるかと思ったが、どうにも耐えられずに午後病院に行く。熱は37.5度。
「何だかわかりませんね」と、お医者さんも首を傾げ、結局点滴を打ってもらって帰ってくる。

「病は気から」というが、「気は病から」という方が当たっているだろう。僕は具合が悪くなると、本当に気が弱くなる。
「ポジティブ・シンキング(Positive Thinking)」というのが何年か前に流行っていた。常に肯定的に、前向きに考えようというものだ。でも、日本人には「th」の音は発音が難しいから、「ポジティブ・シンキング(Positive Sinking)」となって、積極的に沈んでいってしまうのだ。

頭痛がひどく、市販の頭痛薬を飲む。脳腫瘍かもしれない。(常に否定的に、悪い方に考える)



アルファロメオ 164
at 1999 11/10 17:07 編集

マーケティングの授業で聞いた話。

中国にも金持ちが増えてきたので、アルファロメオが中国でも売り出されることになった。
アルファロメオ164。
ところが、164を中国語で読むと、

1 「まっすぐ」
6 「道」
4 「死」

という意味にも取れるので、縁起が悪いことから、最終的には違う名前で売り出したらしい。(168だったかもしれない。8は「八」で末広がりでめでたいから?)


イギリスのバークレーズ・バンクが、香港に支店を出した。
ところが、バークレーズ・バンクというのは、広東語では「百の不幸がやってくる」と言う意味だそうで、ほどなく撤退したそうだ。

海外進出するときには、気をつけないといけない。