眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

降りしきる雨

2024-06-01 | 
雨が降りしきる
 薄暗い街の風景を
  青い街灯が浮かび上げる
   コートの襟を高くして歩き回った
    何処かの街
     何処かの人々

     微熱で放射される体温の行方
      ホテルの部屋に転がり込んで
       ベットの中でウィスキーを舐めていた
        カーテンを開けると
         雨の街並みが灯る頃合
          僕は君の幻影を想い
           途方に暮れるのだ
            地上35階の部屋から
             僕は叶わぬ夢と現実の香りに包まる
              果たして明日はやって来るのだろうか
               
              開いたトランプのカード
             女王と兵士が語り始める
            兵士は云う
           貴女の為に戦争はしたくない、と
          オルゴールが鳴り響いた
         たぶんホテルのロビーからだ
        こんなに巨大なホテルなのに
       僕は僕以外の人々を見ることが無かった
      処理された記憶
     破棄された道化の面影
    僕等は歌い続けていたんだ
   あの雨の降りしきる街灯の下で
  永遠を見ていたのだ

 ねえ
星が見えるよ
 君がギターを置いて煙草を一服しながら呟いた
  それにしても
   寒いよね
    マフラーを首にしっかり巻いて
     ふたりで煙草を回し飲みした
      歌は誰にも届かなかった
       それでも僕等は
        街角で歌い続け
         安物の録音機材に記憶を封印した
          僕等は世界を封印しようとしたのだ
           いつまでも永遠が続くように
            毎日がこのままでありますように
             願い続けていた

            水が割れる

           朝日が昇るのを嫌った
          僕等は星空が好きだったし
         街角の空間の寒さを愛した
        
        愛している
       そう口に出来なくなったのは
      果たして何時頃からだろう
     僕は溜息の数だけ大切な物を失った

    君は暮らしの中で
   ひきつった微笑みの数だけ大切な何かを失う
  まるで僕と同じように
 壊れ物の世界
安いハンバーガーを
 まるで粘土を飲み込むように詰め込んだ
  世界が割れる
   ごらんよ
    そこらかしこにしあわせやふしあわせが散らばっている
     白紙には僕らのサインだけが記入されている
      ホテルの部屋で
       記憶を舐めながらギターを弾いた
        君が歌った筈の歌
         もう忘れてしまった夢の名残
          永遠を忘れてしまったのだ

           ね

          お願い

         繋がっていて

        お願いだ

       繋がっていて

      雨の降りしきる街角で

     
       泣いた誰かの肖像





        お願い


















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