眠りたい

疲れやすい僕にとって、清潔な眠りは必要不可欠なのです。

緑の庭園

2024-03-27 | 
緑の庭園
 宙空に漂う密やかな場所
  僕等が暮らした有象無象の夢の在りか
   凝固した記憶の楽園
    世界の在り様が時間を超越した
    
     古びた茶色に変色したポスター
      もう
       決して訪れない音楽会の案内文には
        君が不遜な態度でアジテーㇳした論文が掲載されていた筈だ
         珈琲の黒の中
          夢見ている
           夢見ている

           フェアリーテイル
            緑の刻印
             少女のお茶会に呼ばれ
              僕はオレンジ色の着色された明かりの下
               煙草を咥えてギターを弾いた

                チムチムチェリー
                 ロンドンデリー
                  哀しみの礼拝堂

                   誰かが
                    壊れかけたピアノを弾く
                     グリーンスリーブスが流れ
                      僕等はくすくす微笑んで紅茶を嗜む
                  
                      あの頃の僕たちは
                       ただ楽しくて
                        終わりが来るなんて
                         誰も想わない

                         緑の庭園
                          緑の楽園
                     
                           大好きな人に
                            あの花を贈れたら
                             失った記憶も
                              安寧の寝床に辿り着けるのだろうか
  
                              眠れない夜が
                               幾つも通り過ぎる
                                消えない傷跡
                                 笑わない傷口

                                 不遜な態度で
                                  侮蔑した存在に
                                   何時しかかような価値が付与されうる
                                    だがしかし
                                     ねえ
                                      僕はまだ楽器を抱えているよ
                                       可笑しいね
                                        まだ詩を歌っているんだよ

                                         眠れない夜
                                          眠れない夜

                                          くすくす

                                         くすくす

                                        記憶の君が微笑む
                                       あの理科の準備室で
                                      煙草に灯を付け
                                     存在の在りかを模索し
                                    丹念に黒板に落書きした

                                   緑の庭園
                                  其の地図を描こうと
                                 仲間達は航海に出た
                                辿り着けぬ果てに
                               彼等彼女等は大人になり
                              僕だけが
                             記憶の最果ての国を目指したのだ

                            庭園には緑の薔薇が咲いている
                           庭園の中央には
                          温室の蝶園があって
                         不思議な蝶達が舞っているのだ

                        ウバでいいの?
  
                       少女が紅茶の葉を吟味している

                   僕はクッキーを齧り頷いた
                     少女がカップとポットを暖める
                    そうして僕等のお茶会が始まった

                   我々は静かにお茶を飲んだ

                  あなたには帰る場所はないの?

                 突然少女が呟いた
                僕は途方に暮れて煙草に灯を点けた

               考えた事ともなかったよ

              ねえ
             あなたは何処に行きたいの?

            最果ての国

           最果ての国?

          少女が不思議そうに聴き返す

         そう
        いつか
       此の現世の肉体がきれいさっぱり消えてしまえば
      きっと辿り着けると想うんだ

     其処で誰かが待っているの?

    どうだろう?
   もう記憶が曖昧で
  大切な友人の面影も想い出せないんだけれどね

でもあなたは行くのね
 最果ての国に

僕は黙り込んで少しだけ頷いた
   少女は優しい瞳で僕を見つめた

    あなたはどうして眠れない夜に詩を描くの?

     誰かに

      誰かに伝えたいんだ

       君の事を忘れない

        決して忘れない

         風鈴の音が聴こえる

          幻聴だろうか

           風の通り道

             緑の記憶

              緑の庭園


               君を

                大好きだよ


                 大好きだよ

                 
                  深夜3時に呟いた

                   少しく

                                    
                      
                 ねえ




                      愛しているよ






























































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