けんきゅうきろく(と、あともうひとつ)

レアル・マドリー、リーガエスパニョーラ関係の、なんとなく気になるニュース。

ミゲル・アンヘル・“ミチェル”・サルガド

2009-08-06 06:22:00 | football

5日、予告どおりサルガドのプレスカンファレンスが行われました。急な発表で、彼に相応しいセレモニーも実現できるかどうかわからない。トロフェオ・サンチアゴ・ベルナベウでお別れを…というニュースもありますが、もしサルガドが新たなクラブで必要とされる状況になっていたら、参加は難しいかもしれないし…わかりません。
この日のプレスカンファレンスでは、サルガドが獲得したタイトルを示すトロフィーが展示され、開始前にはサルガドの軌跡、功績を伝える映像も流されたようです。レアル・マドリーは長年の功労者を突然ほうり捨てたとも言えます。ですが、ポーズであったとしても、マドリー側にも誠意を持ってサルガドを送ろうとする姿勢が見られるように思えて、そこは嬉しい。
プレスカンファレンスの様子は、既に日本語にされていますが、スペイン語の元記事を見ると、いくつか質疑応答が続いているようなので、そちらをちまちま読んでいます。といっても全部は終わってませんが……。(完了しました)。

----------
辛い思いをしていくだろう。こういった場合であれば感情的になるだろうと思っていたが、私にはそんな時間も残されていなかったのだから。予想されていたことだが、この日がやってきた。人生とはこういうものなのだ。レアル・マドリーで10年を過ごした後で、この家を出て行くのは辛い。このクラブは、フットボールにおいても個人のレベルでも、すべてを与えてくれた。ここで過ごした10年間と私の気持ちとが、今日、入り交ざっている。一方では、悲しい。別れというものは常に悲しいものだし、何よりも私はレアル・マドリーが好きだということがわかったからだ。幼い頃はセルタが好きだったが、今はレアル・マドリーを心から好きになり、だからこそここを離れるのは何よりも辛い。また一方では、喜びも感じている。なぜなら、今振り返ってみると、限りなく要求の高い世界でも最高のこのクラブで10年間過ごしたことに誇りを感じるからだ。ここで日々を過ごせたこと、それこそが誇りを感じる理由だ。

レアル・マドリーは、私の人生すべてを通じて非常に特別な存在となっていくだろう。ホルヘ・バルダーノとフロントの方たちに感謝を言いたい。彼らは、別れを告げ、私のスポーツ・ライフをもう少し引き伸ばすことができる選択肢を示してくれた。他のユニフォームを着るのはとても辛いものになるだろう。しかし今は、まだもう何年かプレイできるだろう、私の人生をもう少し楽しめるだろう、と感じている。

このクラブで働くすべての人たちに感謝を捧げたい。彼らは、私たちをサポートし、愛情を注ぎ、私たちを甘やかしてくれた。日々、私たちが快適に感じられるようにしてくれたのだ。また、私が関わったすべての会長に、すべての監督に、また誰にでも感謝したい。彼らすべてが、このクラブの歴史を作ってきたのだから。選手たち、仲間たちにも。彼らの傍にあって、世界でも最高の選手たちとロッカールームを共に過ごしたことは名誉だ。特に、私と10年間を共に過ごした選手たちに感謝したい。ラウル、イケル、グティ、そしてもういないけれど、ロベルト・カルロスにも。彼とは多くのものを分かち合った。彼は私の娘の名付け親にもなってくれたのだ。また、家族に、私の兄弟たちや妻、子供たちに。特にこの数年間、事態がより厳しくなっていった時期でも、毎日私を認めてくれていた。そしてもちろん、私の両親に。今日この日のことを誇りに感じてくれたことだろう(サルガドの両親は数年前に相次いで他界している)。両親は、私が今あるように私を育ててくれたし、私も両親がそうであったようにすべてをしなければならないと思っている。私が謙虚でありよく働く性質であるのは、両親がそうであったからだ。そして私の代理人、ヒネス・カルバハルのことも忘れてはいない。

タイトルを勝ち取り多くの試合でプレイしたことだけでなく、この街、このクラブにおいて、大きな愛情で私に接してくれた多くの友人たちがいるということも、私には誇りだ。人生では、友人を得ることは非常に価値のあることだ。そして、今日、私と共にいてくれる友人たちを得たことも私は誇らしく感じる。

私はお別れを告げて去ることになるが、レアル・マドリーは常に、そのファンたちによって偉大な存在であり続ける、と言おう。非常に要求が高いが、非常に偉大な存在だ。トロフェオ・サンチアゴ・ベルナベウのときに、ファンにお別れを言えればと願っている。この10年間に、ファンの皆が与えてくれた愛情と敬意に、感謝したいと思っているからだ。マドリーを通り過ぎていった偉大な選手たちでも、こんなにあらゆるファンからの愛情と敬意を受けてそれに感謝するというのは難しいものだ。
最後に、プレスのあなた方全員に感謝したい。毎日感じたことを何でも表現させてくれて、考えることができる自由をくれた。皆ありがとう。
これからは、私はレアル・マドリーを心の中に留める1人のファンとなる。レアル・マドリーと共に、苦しみ喜びを得ることだろう。これはお別れではなく、また会おう、だ。10年間に渡ってこのユニフォームを身にまとっていた、その名誉を感じているよ。


Q:あなたがレアル・マドリーを離れるというニュースを、あなたの家族はどう受け止めていますか?
S:この話は、家族にとっても私と同様辛いことだ。先にも言ったように、彼らの父、兄弟、夫として、レアル・マドリーから離れるのはこの年月で初めてのことになる。子供たちも、まだ小さいのだが、なぜレアル・マドリーから出て行くのかと聞いてきた。私は、人生とはこういうものなのだと伝えた。また、このクラブにあって私がなしたことに誇りを感じるということは、家族にとっても大きなニュースだ。もうここに来ることはないだろうというのは痛みだが、この日のビデオでそれを教えてあげるつもりだ。

Q:どの瞬間のことが記憶に残っていますか?
S:どの日というのは難しい。このクラブでは、多くの偉大な瞬間にその場にいるという、大きな幸運が私にはあったのだから。ただおそらく、最も特別なタイトルは最初のもの、私がマドリーにやってきた最初のシーズンの、パリで手にしたものだ。モリエンテスにセンタリングを供給した時(3-0でバレンシアに勝利したCLファイナル、モリエンテスが決めた1点目はサルガドのアシストだった)、ヨーロッパのチャンピオンであると感じた。それがレアル・マドリーでというのは本当に特別なことだ。

Q:あなたの感覚では、このシーズンを良い感じで続けていけるようだと考えていませんでしたか?
S:常にそう考えるものだ。しかしこの瞬間は予想されたことだ。否定しても、いつかやって来るだろうということはわかっていた。しかし、チームと共にプレシーズンを始めれば、希望を持つものだ。ただ、重要性を失うのは辛いことだろうし、レアル・マドリーがヨーロッパの大会でファイナルを戦う、そのピッチに自分がいることができないのも辛いだろう、ということを考えている。辛いことだ。人生には、物事の別の道を見ること、サイクルが終わるのを理解することが必要だ。これは、何かの妨げになるのではなく、前へ進むステップを与えているのだ。クラブは私に、スポーツ・ライフを延長することができる選択肢を与えてくれた。フットボールは、我々の人生において、非常に重要なものだ。

Q:最も学ぶことができた監督は誰でしたか?
S:レアル・マドリーで最も多くの期間を共に過ごした人物というのが本当なら、その人物が最もそうだということに私は同意する。ビセンテ・デル・ボスケだ。彼と共に、私はレアル・マドリーでの最高の時を過ごした。その他の監督たちにも、感謝をしたい。誰からも私は学んだからだ。

Q:この2シーズン、あなたはインターナショナルレベルを過ぎ、厳しいプレイをせざるを得なかったようですが、これをどう捉えていましたか?
S:力が落ちるのはノーマルなことだ。ただマドリーにおいては、何においても平均でということはない。そこが他のチームと違うところだ。レアル・マドリーでは、低下の意味が大きい。私のスポーツライフは通常どおり進んできた。4ヶ月離脱した負傷負傷は重大なものだったが、少しずつ回復し、高いレベルでも戦えるほどに力が戻ったと感じた。しかし、レアル・マドリーの求めるものは別だ。ここでは毎日、力のある20歳や22歳の、世界中から集まった最高の選手たちがいる。監督は、よりプロジェクトにあった選手たちを決めなければならない。厳しいことだった。私はずっと日曜日ごと水曜日ごとに戦い続けてきたのだから。でも一度こういうことを考えると、取り乱していたとしても、人生とはこういうものでプレイを減らしていくことが必要とされるものだ。

Q:アイルランドでは、続けていくという希望がありました。ペジェグリーニはあなたの決断に影響したのでしょうか?
S:ペジェグリーニと何か、ということはない。彼は、私に対し素晴らしい扱いをしようとしていた。希望を持っていたのは確かだが、しかし新しいラテラルがそのポジションを埋めた。我々(ラテラル?)は4人になり、クラブは決断しなければならなかった。我々は話し合いを始め、両者で合意に至った。事態を強引に進めるのはばかげたこと。希望はあったけれど、この決定は監督にも、レアル・マドリーにも、そして私にとっても良いものだ。そしてこれはポジティブなことでもある。なぜなら、まだ私は、2~3年は高いレベルでやれると考えているのだから。

Q:クラブの決断に驚きましたか? 誰があなたにこの事態を説明したのでしょうか?
S:クラブから電話があれば理解できるものだし、これが最善の方法だと用意して提案されれば、受け入れなければならない。このチームには4人のラテラルがいるし、私はフットボール界で長くやってきている。だから、クラブはレアル・マドリーにおける私のサイクルが終了したのだなどと言う必要はなかった。生きていくための手段以上のものだと見なければいけない。 人生とはこういうものだし、このようなやり方でレアル・マドリーを離れることを誇りに感じる。10年前にここに来て、そのときに夢見たことよりもはるかに大きなことを残して去るのだ。今日この日を誇らしく感じる。

Q:あなたは常に率直な人間でした。このチームをどう表現しますか?
S:フェノメナル(驚くべき、素晴らしい)。ここにいられないことが残念だ。今は、大きな力を持った偉大なチームが作られているところだ。補強でやって来た選手たちが、スペクタクルなチームにクオリティを付け加えていっている。あらゆる面でバランスが取れ、さらに過去の数シーズンで欠けていた個人の力が付け加えられている。カカやクリスチアーノ・ロナウドといった選手たちが、どんな時でも試合に差をつけるだろう。そして既にいるラウルやピパ(イグアイン)、ラモス、全員は言いつくせないが、こういった選手たちが加わる。このチームは見ごたえのあるものになる。彼らは多くの戦いをしていくだろうし、私はそれを十分に楽しむことだろう。タイトルを獲るサイクルが始まったのだと、私は信じている。

Q:これから、どうなるのでしょうか?
S:今は、クラブに別れを言うところだ。そして私はフリーとなり、オファーを検討して、私と家族にとって最善の選択について考える。今は決断をしていかなければならないのだが、待っていたくはないからすぐにプレイしたいと思っている。

Q:少し冒険をしたいという考えはありますか?(この場合、主に国外に行くことを指すと思われる)
S:その問題については何も言うつもりはない。なぜなら、今はただ、届くオファーに敬意を払わなければと思うからだ。今は、決断について熟慮するつもりだ。私の注意を引くオファーがないか、何よりも、私が行きたいと感じる、これまでの私のスポーツのキャリアで持っていたのと同じだけの希望を持ってプレイする、そういったオファーがないか検討するつもりだ。

Q:この48時間で、一番辛かったことは何でしょうか?
S:最も辛いこと、それは私の人生における小さな変化を受け入れるということだ。レアル・マドリーは、実際私の人生の非常に重要な部分を占めていた。それが突然変化し、今はそれを受け入れて進んでいかなければならない、これは辛いことだ。今はまだ受け入れられていない。明日には私はトロントに行っていることだろう。そして少しずつ受け入れていき、やがて別のチームでトレーニングを始めるときがやってきたら、すべてがあるべき場所に収まるのだろう。

Q:チームにはお別れを言いましたか?
S:お別れは今日の午後にひっそりとやるつもりだ。とても心に響くものになるだろう。毎日毎日を一緒に過ごした人たちに、お別れをしなければならないのだから。

Q:あなたは、アスタ・ルエゴ(また会おう)と言いました。戻ってくることを考えていますか?
S:早いうちに。まず第一には、フットボールをプレイし続けたいということ、それははっきりしている。でも将来、何が起こるかわからない。レアル・マドリーが存在し、彼らが私を呼んでくれたら、私は彼らのために。

Q:あなたが新しい立場を受け入れなければならないこの日々に、別のユニフォームを着てベルナベウに戻ってくることについて考えてしまう、それを止められますか?
S:それは何よりも難しいことだ。どこかのチームでプレイすることを決めた時には、そのことについて考えてしまうだろう。この先考えていることの中でも、サンチアゴ・ベルナベウに戻ってくるというのは、辛いことになるだろう。

(了)
----------

多くの人に感謝の言葉を述べている中で、特に「10年間を共に過ごした仲間」として、ラウル、グティ、イケルの名前を挙げ、そこに仲の良かった「ロベルトカルロスも」と付け加えているのがサルガドらしい気がして好きです。ロベカル、サルガドの娘さんの名付け親だったんですね。



MARCA画像集
elmundo.esの画像集


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
確かに (ラフィル)
2009-08-09 00:33:14
 はじめまして。

 管理人さんおっしゃるように、一応サルガドは納得しているとのコメントでよかったというのもなんですが、イエロ、デル・ボスケといい、スペイン人功労者に対する扱いが相変わらずきついですね。

 キトとのプレシーズンマッチでラウールのパスからシュートも放ってましたし、バックアッパーとして、まだまだやれるとおもったんですが。僕としても非常に残念です。

 モロが好きなので、00年のCL決勝のサルガドの倒れこみながらのクロスも良く覚えています。

 本当に運動量が豊富でクロスも正確。そしてなにより、魂こまったプレーですね。ただ、オーフェルマルスに弱いwですが、人間的にもすばらしいSBだったと思います。

 個人的に尊敬できるSBだっただけに今回の事は残念ですが、続けるならまた彼のプレーをモロと同様、見たいと思います。
 
返信する
Unknown (本人)
2009-08-09 11:07:42
本当に難しいですよね…。契約の残りも少ないからあと1シーズンはやるだろうし、実際まだまだやれる人だと思っていたけれど、こういう結果になってみると、どこかで「ああ、やっぱりそうなんだ…」と思ってしまうところもあって。マドリーがそういうチームであるというのに、納得したり反発したり、複雑な気分です。
トレーニングではいつもラウルと並んで走っていましたサルガドでしたが、今はもうラウルの隣が空っぽで、それがなんとも寂しいです。残る力を発揮できる、新しい場所を見つけられるといいですね。
返信する

コメントを投稿