月のたび

日々の日記

思い出

2009-04-12 21:11:44 | 裏路地(暗)
今日、亡き友の下宿のあった場所へ行きました。もう取り壊されて10年以上になります。中野区の狭い路地を通り抜けた先の、古い銭湯の巨大な煙突の向かいの中野キャッスルという建物でした。N君はそこに住んでいました。その3階の一室で、彼の好きな社会学や社会と環境問題の話や、身の回りのささいな事柄までも学問的な視点でとらえ、目を輝かせながら夜更けまで話し続ける彼の声は今でも懐かしく思い出されます。夜中の近所の雑踏や、電車の通る音や、窓に映る遠くのネオンの明滅を頬に受けて、じっと熱心に考えを述べる彼には神秘的な学問の魅力を感じました。それと同時に、ある事柄で互いの考えた結論がたまたま一致することがあると、そのことだけで電話で2,3時間も話ができるくらいの不思議な縁を感じ、偶然にばったり出くわして運命を変えていくような不思議な共通点が魅力でした。

もう会えないのは大変残念です。同時に、彼が亡くなったという実感があまりなく、ひょっとしたら偶然ある街角で出くわしそうな気がします。

本当にこれまでたくさんの貴重な思い出をありがとう。
わたしは君の事を忘れない。

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