月のたび

日々の日記

覚えておきたいこと

2008-06-09 21:35:16 | しみじみ(滋)
先週の土曜のことでした。その日は仕事で朝、班長にあいさつすると、いきなり私の胸を突き飛ばされて、非常にご機嫌斜めでした。

班長言うには、昨夜私が電話に出ずにいたことに腹を立てているのです。私としては、その電話は遊びの誘いであり、わたしが行けば、それだけお金を出させて、その分本人が得をしようと考えているのをわかっていたのです。だから電話に出てはいけなかった。

それをあたかも、別の用件のように見え透いたウソで繕い、本気で腹を立てる班長なのでした。

思えば、昨年9月、未経験でこの仕事を始めて、困難の波を何度も越えて、ここまでやってきました。いつの間にか歳をとってしまい、この会社を離れたら行くところがありません。だから、どうしても今、ふみとどまらねばならない。

今日も辛かった。だからブログを書いているんです。

  打つ心あればうたるる世の中よ 打たぬ心のうたるるはなし
                        二宮金次郎

こういう時には、山本有三を読みます。『路傍の石』の吾一が伊勢屋に貰われていくのは物語の最初のほうです。彼はそこでひどい目にあうが、その体験が後の彼を立派にしていくのですが、私は今、人生の中間点でその体験をしている。先はまだまだ長~いわけです。

今度、下村湖人の『論語物語』を買いました。amazonで注文済みなので、そのうち届きます。下村湖人も、山本有三に劣らぬほどのよい作家です。『次郎物語』を読んだのですが、最初は、ユーモア多き子供時代が生き生きと描かれていると思いきや、次第に物語と人間の密度が高まって、高まりすぎて、私のレベルでは読み通すのが難しかった。まるで富士登山みたいに、上るほどに空気が薄くなっていき、息をするのにも困難な、そんな状況のストーリーを、引き裂かれちゃう、あってはならないくらいな、うまくいえないが、たった一つの人生をどのように幸せに生きるか、光と暗闇と崖淵の細道と、喜びのすぐ裏に悲しみがあり、その逆でもある複雑さ。

幸福を祈らずにはいられない。

私たちは皆、孤独だね。孤独だから、手をつないで仲良くしなくちゃならない。今の社会というか、私の周りは、家族を含めて、心がつながってる気がしない。何のために生きてるのか、わからない。だから、今は読書している。