ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 173ページ目  八鬼山の山神現れる

2014-11-10 13:22:41 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【173ページ】


 晴数は、リュックから純米酒那智の滝500mlとさんま寿司と那智の滝の水と

ビスケットと紙コップと紙皿を取り出した。

紙コップに、那智の滝の水を注ぐと、山椿姫の前に置き、紙皿に、ビスケットを

入れると、ハルの前に置いた。

そして、自分用に、紙コップに那智の滝を注いだ。


尾崎酒造 純米酒 那智の滝500ml
クリエーター情報なし
尾崎酒造




 晴数は、酒を飲みながら、一時間待った。

すると、寝そべっていたハルの耳がピクっと動いた。

晴数は、安心感を与えるために、ハルの頭と背中を撫ぜる。


 黒い影が、シートの周りに集まって来た。

その黒い影は、八つの塊に分かれて、少しづつ形が出来上がっていく。

ハルが、ウーと唸り声をあげる。

八つの塊は、トラのような大きさのオオカミになった。

その中で一番大きいオオカミが、晴数に怒鳴りつける。


「龍神が、八鬼山に何し来た!」

「いえ、私は龍神ではありません。」

「お前は誰だ!」

「龍神様に一度助けられたことがある者です。」

「ならば、結界を張るとは、村の祈祷師か?」

「そのような者です。」

「お前は、何をしに来たのだ?」

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