ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 169ページ目  紀州犬が現れる

2014-11-06 15:09:11 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【169ページ】



 晴数が、うなり声の方に振り向くと、草むらから犬が出てきた。

「2、3歳ぐらいの若い紀州犬かな?」


カプセルQ ミュージアム 日本のペット動物大全 第一集 【1.紀州犬[白]】(単品)
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海洋堂





 晴数は呟く。


「首輪をしているから、飼い主に捨てられたか?

子犬の時は、かわいいと飼うが、大きくなると持て余し捨てる飼い主がいる。」


「ウー、ウー」と晴数を睨んでうなっている。


「犬は、猫やイノシシと比べて扱い易い。

ボスがどちらか、判らせればいいだけだ!

元飼い犬ならさらに扱い易いだろう。

ハルと名付け、家に連れて帰るとするか。」


 晴数は、紀州犬に向かってハルと叫んだ。

その犬はピクリと耳を動かす。


「ハル! ハルがお前の名前だ!

ハル、こっちにおいで!」

紀州犬は、警戒しながらも一歩、二歩と近づく。


「ハル、さあもっとこっちへ!」


晴数のやさしい言葉に、紀州犬は、さらに三歩、四歩と近づいてくる。


「よし、よし、もっと来い」


紀州犬は、警戒心を少しづつ解きながら晴数に近づいた。


「ストップ!」


晴数は、右手で止まれの合図をしながら、大きな声で命令した。


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