ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

あべのハルカズBAR 102ページ目  チェーンソーを持ったジェイソン

2014-07-27 13:41:18 | あべのハルカズBAR1 四話 完
【102ページ】



 若者は、スプレー缶を持っている警備員の方に向き直った。


「俺のスプレー缶を盗んだと警察に訴えようかな?」

「勘違いだ、許してくれ」


 スプレー缶を若者に返して、彼も財布から5万円を出し、

若者に手渡した。


「和解成立! 警察への訴えはしない」


 若者は、警備員と別れて、正面玄関の方へ歩き出した。

警備員達は、裏口の方へ戻った。


「裏口から出て来るまで、15秒かかっていた。今度は防犯カメラ

のモニターまで戻る時間があるから30秒はかかるだろう。

落書きするには、充分の時間がある。」


 若者は、スマートフォンをかけた。


「俺だ! 30秒でそっちに行く。20秒経ったらエンジンをかけて

待機しておいてくれ」

「大谷リーダー、了解しました。」


 大谷は、『アリさんコロリ』のシールを剥がすと、それはペンキの

スプレー缶であった。

彼は、すばやくチェーンソーを持ったジェイソンを壁に描き終わった。


 裏口から大慌て、飛び出してきた警備員が到着した時には、

大谷は消えていて、ジェイソンだけが彼らを睨んでいた。



新・13日の金曜日/ インポスター ジェイソン ロイ 8インチ アクションドール
クリエーター情報なし
ネカ


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