ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

4 元ソムリエ協会長の記念ワイン 16ページ目

2010-01-22 22:27:43 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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元協会長   今回は、私の方が先に気づいたようだね?

       4本テイスティングして、和さんの実力が判ってきたので、5本目も

       ヴィンテージを当てると予想していたのだよ。

       だから和さんの「ムム」が66年のことだと直感した!

倶楽部会長  でも何十本もあるラ・グランド・リュのオールドヴィンテージの中から当て

       るのは、至難のわざでしょう?

元協会長   現在の年代を基準にした10年以上のオールドヴィンテージならばね。

       しかし私がソムリエ協会長になった年を基準とすれば、10年以上のオール

       ドヴィンテージは限られてくるのですよ。

倶楽部会長  どうして?

元協会長   和さんに答えていただきましょう。 

和音     記念ワインとして購入するのは、飲み頃になり始めたヴィンテージだと

       推測しました。

       熟成が進んだものは、記念ワインとして長期間保存できないですからね?

倶楽部会長  なるほど!

       ヴィンテージを10本前後に絞り込めるわけですね。

和音     そうです。

       後は、テイステイングで判断しました。

元協会長   ヴィンテージを当てた和さんは、ワイン名はもっと容易(たやす)く当てる

       と思った。

       それが私の仕掛けたトリックでもあったのだが・・・。