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ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 123ページ目 ロワール川巡り④ 幻のワイン復活   

2014-01-17 23:06:45 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【123ページ】


 良子は、不思議そうな表情を表し、和音を見つめた。


「和さんが、ノンアルコールを飲むなんて、帰り雨にならないかしら?」

「いや、大丈夫だと思うよ」


 和音はそう言いながら、視線を今日のお薦めワインのボードに向けた。

良子もボードを見ると、1688という数字が目に入った。

その数字の下には、1688年の幻のレシピ発見! 幻のワイン復活!

と書かれていた。


「マスターに、その1688の幻のワインを注文したら、このワインが

出て来たんだ」

「おいしい?」


 和音は頷く。


「私もいただくわ!」

「マスターによると、このワインにはエピソードがあるんだ。

1688年のパリでオノレという若者が老いた司教から秘伝の飲み物を教わった。

この飲み物を絶世の美女に捧げて恋を成就させたそうだ。

私からこの飲み物を良子さんに捧げてもいいのかな?」

「捧げてください」


 良子は冗談ぽく、笑顔を見せながら返事をした。

しかし和音は顔を曇らせた。


「彼は、周囲のライバル達から嫉妬を買い、恋人と共に姿を消すことになるのだ」
 

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 122ページ目 ロワール川巡り④ 1688  

2014-01-16 21:06:45 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【122ページ】


「次はワインを飲んでみる?」

「ワインってアルコール度数が高いのでしょう?」

「ビールの倍ぐらいかな?」

「私、ビールだってコップ一杯飲むと顔が赤くなるの・・・・」


 麻里は不安そうな表情を見せた。


「ノンアルコールのおいしいワインがあるんだ!」

「お任せします」


 麻里は、ノンアルコールと聞いて、ホットして笑顔を見せる。

丸山は、マスターの妹の美紀に1688をボトルで注文した。

しばらくして運ばれてきたのはスパークリングワインであった。




 



「スパークリングワインですか?」

「そう、それもノンアルコールのスパークリングワインだよ」


 マスターがノンアルコールのスパークリングワインを抜栓し、二人のグラスに

注ぐ。「どうぞ」言って、ボトルをテーブルに置き、カウンターに戻った。

麻里は、ボトルの1688の数字が気になった。


「1688ってワイン名かしら?」

「1688にはエピソードがあるんだ!

その話の前に、まず飲んでみよう」 

「はい」
  
 
 二人はグラスを手に取り、1688を味わった。

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 121ページ目 ロワール川巡り④ 一番カレー好きの国は? 

2014-01-15 23:24:34 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【121ページ】


「カレー好きの貝塚さんにひとつクイズ!」

「どのようなクイズかしら?」

「世界の国の中で、一番カレー好きの国は?」


 麻里は、やはりインドかな?日本かな?と迷った。

でもインドか日本だと当たり前過ぎるし・・・・。


「タイでは?」

「タイのエスニックカレーはおいしいね?

しかしタイではない。」

「するとインドか日本?」


 丸山は笑いながら首を振った。


「欧風カレーっていう言葉もよく耳にするけど?」

「そう、実はヨーロッパのルーマニアなんだ!」 

「ええ、ルーマニア?」
  

 麻里は、以外な答えに一瞬戸惑った表情を見せたが、すぐに

笑顔を見せた。


「わかったわ!

カレールウの熱狂的なファンの国がルーマニアということね?」

「正解!」


 クイズを楽しんだ後、二人はスチューベンとアマレットのカクテルを

飲み干した。

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 120ページ目 ロワール川巡り④ カレーは好きですか?   

2014-01-14 22:44:21 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【120ページ】


「美人だなんて・・・・」


 麻里は少しはにかみながら、スチューベンとアマレットのカクテルを

手に取り、口に運んだ。 


「あら、とっても甘くて濃厚なブドウのカクテルだわ!

スチューベンはブドウの名前かしら?」 

「ああ、そうだよ。 関西のスーパーではあまり見ないよね?」

「ええ、名前を聞くのさえ初めてで、見たこともありません。」

「青森特産の甘さと濃厚な味覚はブドウの中でもNO1だと思っている。

巨峰の糖度は18度ぐらいに対して、スチューベンは22度にもなるんだよ」

 
 麻里は、さらにひと口スチューベンとアマレットのカクテルを飲んだ。


「おいしい!

あの、アマなんとかはリキュールかしら?」

「アマレットのことだね?

アーモンドのような香りを持つリキュールで、原料にアーモンドを使って

いると勘違いしている人もいるが、 実際は杏仁を使用しているそうだ。」


 ここまで丸山がスチューベンとアマレットについて説明したが、楽しい

話題に切りかえて、会話を盛り上げようと思った。


「ところで、話が変わるが、貝塚さんはカレーが好きですか?」

「はい、特にインドカレーの専門店のカレーが好きです。

チキンマサラとかグリーンカレーとか好きですね。」



ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 119ページ目 ロワール川巡り④ スチューベンのカクテル  

2014-01-13 22:56:19 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【119ページ】


「貝塚さんは、お酒が弱いのだね?」

「ええ」

「それじゃ、おいしいブドウのカクテルはどうかな?」

「お任せします。」


 丸山は、マスターの妹の美紀を呼び、スチューベンとアマレットのカクテル

を二つ作ってくれるように言った。

美紀が、マスターに丸山の注文を伝えに行くと、貝塚 麻里は「ちょっと失礼します」

と言って席を立った。


 しばらくすると、スチューベンとアマレットのカクテルが美紀によって

運ばれて来た。しかし麻里はまだ戻って来ない。


「遅いなあ・・・」


 丸山は、麻里が気分でも悪くなったかな?と心配した。

それで、「美紀さん」と声をかけて、彼女の様子を見て来てもらうと

した、ちょうどその時、席に戻って来た。


「あっ」と丸山は驚きの声をあげた!


 麻里は、メガネをはずし、髪はロングヘアにおろし、まったく別人のように

変身していた。


「和田は、私の目の前にいるような貝塚さんを見たことあるのかな?」


 彼女は頭を振った。


「和田が知っているのは、おとなしい貝塚さんで、美人の麻里さんは知らないのだ!」
 




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津軽ぶどう村