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ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

5 特急列車の売り子  101ページ目

2011-07-24 23:00:27 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【101ページ】


佐山社長    それとコーヒーの歴史や食器についての勉強は?

部長      毎日2時間づつ資料室で勉強させています。

佐山社長    ワインスクールの件は?

部長      4時に退社させて、スクールに通わせています。

佐山社長    彼女は、今忙しいかな?

部長      呼びましょうか?

佐山社長    ああ、おいしいコーヒーを飲みたいな。

部長      しばらく待っていただけますか?

佐山社長    いいよ。


 品質管理部の部長は、部屋から出て行き、荒川 桃子を呼びに行った。


部長      彼女は、今コーヒーを入れています。

佐山社長    楽しみだ!


 しばらくすると、彼女はコーヒーを持って部屋に入ってきた。


桃子      お久しぶりです。

佐山社長    入社して一ヶ月になるかな?

桃子      はい。

佐山社長    元気にやってる?

桃子      私の大好きなコーヒーに囲まれて、楽しく仕事をさせて頂いています。

佐山社長    とてもおいしいコーヒーだ!

        ブルーマウンテンのおいしさを引き出せている!

桃子      ありがとうございます。

 
      

5 特急列車の売り子  100ページ目 

2011-07-23 22:55:59 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【100ページ】


売り子     いつもたくさんの注文ありがとうございます。

        ビールとおつまみとおつりです。

        それとご質問ですが、お客様はとてもいい靴を履いていますね?

佐山社長    いやそれほどでもないよ。

売り子     勝浦の那智の滝への山道は、お客様のようないい靴よりもスニーカー

        の方が歩きやすいですよね?

佐山社長    わかった!

        TPOが大事ということだね?

売り子     お客様の最高級のブルーマウンテンのコーヒーは、紙コップよりも

        高級なティーカップが似合うと思います。

佐山社長    そうだね!



 2ヶ月には、売り子の荒川 桃子は佐山社長の会社の品質管理部で働いていた。


佐山社長    荒川君は、元気に働いているかね?

部長      彼女のコーヒーに対する味覚、嗅覚の鋭さに驚かされましたよ。

        品質管理部のトップクラスのベテランに匹敵する能力をもっています。

        一年後に、社長にお返ししないといけませんか?

佐山社長    ああ、もちろん!

部長      彼女が入れてくれるおいしいコーヒーが飲めなくなるなあ・・・。

佐山社長    私の指示通り最高級の豆でコーヒーを飲ませているのだね?

部長      はい、彼女が味覚の勉強する時に、私にもコーヒーを入れて

        くれるのです。

5 特急列車の売り子  99ページ目  

2011-07-22 22:30:10 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【99ページ】


佐山社長     コーヒーお願いします!

売り子      いつもご利用ありがとうございます。

佐山社長     はい、350円。


 彼女は、にっこり微笑んで受け取った。そしてコーヒーをポットから注いだ。


佐山社長     不思議なんだよなあ?

売り子      どうかされましたか?

佐山社長     僕の持って来たコーヒーよりも、君の入れてくれたコーヒーの

         方がおいしい。

 売り子は、コーヒーをテーブルに置いた。


佐山社長     それとお弁当とお茶を!

         はい、一万円。

売り子      いつもありがとうございます。


 佐山社長は、弁当とお茶を受け取った。売り子は、おつりを渡そうとした。


佐山社長     なぜだか教えてくれませんか?


 佐山社長は、おつりを受け取り、彼の注いだコーヒーを彼女に手渡した。

彼女は、一瞬香りを嗅いで、彼のテーブルに戻した。


売り子      とてもいい豆のブルーマウンテンのコーヒーですね?

佐山社長     ああ、そうだよ。

         それがなぜ?

         それとビールとおつまみを!

5 特急列車の売り子  98ページ目 

2011-07-21 21:11:11 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【98ページ】 


 佐山社長は、一万円札を売り子に手渡し、彼女がおつりの用意をしている間に、

彼のポットから紙コップにコーヒーを注いだ。


売り子    はい、おつりです。


 佐山社長は、すぐにはおつりを受け取らないで、彼の注いだコーヒーを差し出した。


佐山社長   香りの感想を聞かせて!

売り子    とてもいい香りですね?

佐山社長   コーヒー名わかる?

売り子    お客様のお好きな産地では?


 彼女は、サラリと佐山社長の質問をかわした。


佐山社長   ビールとおつまみも追加でもらうよ!

売り子    ありがとうございます。 


 佐山社長は、次の勝浦への旅行まで待つことができなかった。

翌週の週末再び勝浦に向かった。

夜は、ホテルで食事するのではなく、勝浦の町のお店に行ってまぐろを食べるのが

楽しみだった。

おいしい店が色々あるので、店を探すのも楽しい。


 でも今回は、まぐろの味を楽しむよりも、明日の帰り、あの売り子に会って、

持ってきたコーヒー名をどうしたら言ってもらえるかを考えていた。

そして、翌日の帰りの特急列車で三度あの売り子に会うことができた。


売り子    お弁当に、お茶、サンドイッチにコーヒーいかがですか?




5 特急列車の売り子  97ページ目

2011-07-20 22:45:56 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【97ページ】


売り子     お弁当にお茶、サンドイッチにコーヒーはいかがですか?


 佐山社長は、あの娘かな?と振り向いて確認した。

そして、コーヒーの入ったポットと紙コップを用意した。


佐山社長    コーヒーをお願いします。

        350円だったね?

売り子     ありがとうございます。

        代金は350円です。

佐山社長    ブラックでいいよ!

売り子     はい。


 売り子は、ポットからコーヒーを紙コップに注ぎ、佐山社長の前のテーブルに置いた。


佐山社長    いい香りだね?

        グァテマラ産?  


 売り子は、一ヶ月前の佐山社長を思い出した。


売り子     申し訳ございませんが、わかりません。

佐山社長    そうだった!

        前にも同じこと聞いた?

売り子     はい。

佐山社長    よく覚えているね?

        そうだ、弁当とお茶ももらっておくよ!

売り子     ありがとうございます。