@スクリーンに広がる広大な盆地の風光明媚な景色は素晴らしい、遠くまで人工的な物が何もない自然そのものの世界だ。その中をガンで余命幾ばくもない生きる希望を無くしたベンが、彷徨い歩く。結局望んだのは笑いが絶えないいつまでも家族と一緒にいることだった。本人以上に家族の心配が気になった所為でもある。
『人生とは孤独であることだ。誰も他の人を知らない。みんなひとりぼっちだ。
自分ひとりで歩かねばならない』ヘルマン・ヘッセ -
自分ひとりで歩かねばならない』ヘルマン・ヘッセ -
『East of the Mountains』
ベン・ギブンズ(トム・スケリット)は、引退した心臓外科医であり、自分が末期癌であることを知っており、最後の日々を自分なりに愛犬と共に暮らすることを決心しる。それは、誰とも、娘(ミラ・ソルヴィーノ)さえも交信せず、ワシントン州東部の少年時代の家に戻る事だった。しかし、ひとり旅が計画通りに進まず、見知らぬ人(アニー・ゴンザレス)獣医とのつながりが昔の想いを刺激する。アニーが「ここに何しに来たの」に対して「私は癌なんだ」と答える様は老いの寂しさと共に昔のよき日の思い出、初めて妻とのデートで楽しい日々を家族と過ごし・・を浮かべ、そして先立つ妻の姿を。ベンは誰にも迷惑をかけず自分を消滅させる事だったが、娘と孫に会い再び生きる喜びを思い出させた。
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