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「いい家族」の裏話『あかね空』

2019-09-03 07:47:20 | 人生を「生かす」には

@親の気苦労や努力を子供は知る余地もない。世間に「仲のいい家族」と言われた家族がチリジリになる場合の多くが、ちょっとした妬み、恨みでその行き違いが家族の絆に深い溝を作る、とはこの小説の内容だ。 親・兄弟の気持ちを妬み、恨んで家族が想い想いの行動に出る、でも本音は「いい家族」でありたいと誰もが望んでいることに気づかされる。気づいた時、「ありがとう」と感謝したい親はもうそこにはいない。親への感謝の気持ち・行動「親孝行」は最近あまり出てこない単語になってしまった。それだけ親子の絆が疎遠になり始めているのか、逆に言うと親が裕福で、いつまでの親の近くで親を頼っていられるからだろうか。(家貧しくて考子顕わる)

『あかね空』山本一力 芥川受賞作

  • 希望を胸に身一つで上方から江戸へ下った豆腐職人の永吉。己の技量一筋に生きる永吉を支えるおふみ。やがて夫婦となった二人は、京と江戸との味覚の違いに悩みながらもやっと表通りに店を構える。明るく気丈なおふみの支えで、様々な困難を乗り越えながら、なんとか光が差してきた。やがて、ふたりは三人の子に恵まれる。あるときから、おふみはなぜか長男の栄太郎ばかりを可愛がるようになる。そして、一家にやがて暗い影が・・・。
  • 京の柔らかい豆腐を売るには江戸では無理があった。おふみは宿敵である新兵衛にその理由等を聞き、京の豆腐は京の修行をしたお坊様、お寺様と聞き老舗でお寺に納めていた豆腐屋相州屋にお願いしたところ快く寺へのまずは売れ残りの喜捨を受け入れてくれた。そのが相州屋の主人がなくなりその利権は江戸屋にお願いしていた。お寺の喜捨がきっかけとなり法事などで注文が入り始めお店は繁盛、永吉はおふみを妻にし、仕事に精を出した。その結果新たな湯豆腐、おから、豆乳などを作り出し3人の子供に恵まれた。が、おふみの長男に対する異様な肩入れから夫、2人の子供に亀裂が生じ、長男の甘やかしから長男が店の賄いに手を出すようになる。
  • 永吉は長男を外に修行に出させ数年で帰ってきたが賭博から足が洗えず、さらに大きな借金を抱えていた。それを承知でいた妻と喧嘩となり、悲しみのあまり永吉は深酒で命を落とす。長男は行き場を失い、おふみの知り合いの鳶職に。ところが賭場での借金で作った文証が、家をもっとられることになる。
  • そんな中で次男は妻を娶り、仕事に励むが今度はおふみが病で倒れ帰らざる人となる。喪主は家を出た長男が仕切るが周りがしっくりしないまま、文証を持った仇敵が訪れ、ことが一変する。


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