@将軍から江戸城・千代田城の火事の不始末の責を問われた次席家老の恨み。 それは大砲による武器で将軍諸共こっ端微塵にする計画だった。老中首座を狙うと見せかけた事件を巻き起こし錯乱させる事だった。 現代でも出世したいと思う人もあるだろうが昔ほどその熾烈な競争意識ではなくなっている。それは責任と報酬が見合わなくなっていることが大きな要因かもしれない。「出世欲」=「責任+見返り」が時代とともに合わなくなっているのだろう。 ましてやつい最近の定年期(60〜65歳)を迎えた責任職を逃れた高給取りの社員・役員も継続しているのでは「やっていられない」心境になる。現実一部社長含め役員でも無責任社員(資産の食い潰し的存在)の多くなった現実では若者に良い職場だとは言い切れない。
『鬼門の変』鈴木英治
- 秋の気配が漂い始めてある夜、日本橋の呉服商北野屋に大砲が打ち込まれた。一体何者の仕業なのか。未曾有の事態に江戸の町が騒然とする中、長屋の近くで手負いの詞のみを助けた湯瀬直之助は、担ぎ込んだ町医者で頭巾をかぶった刺客に襲われる。江戸を震撼させた砲撃事件お真相と忍びの影。直之助は様々な思惑と陰謀が交差する大事件に巻きこまれる。
- 老中首座を巡り現首座の松平武蔵守を殺し、次の首座を狙う榊原式部太夫政綱、その配下にある家臣が企立てた。大砲は首座を狙う徳川家臣榊原康政の家臣(薩摩藩と密接な関係)が薩摩からの抜け荷として持ち込んだもので、砲弾で北野屋の豪商を狙い七人を殺害した。北野屋は薩摩と榊原家との抜け荷で大儲けしたが、それを一挙に もみ消されたことになる。捜査の鍵は「大砲・松茸・薩摩」を元に下屋敷、料亭など探り、江戸城の裏鬼門にある屋敷に大砲を発見、実は徳川将軍に千代田城が火災の際に不始末を責められ出世ができない事を根に持っていた政綱の恨みを将軍の増上寺奉納を睨んだ企てだった。