「私の好きな句」

さばさば
やるだけはやった天明末ばかり
清水の舞台で切った腐れ縁
印おせばこれで無縁と席を立つ

「私の好きな句」

早速
引っ越すと貧乏神はもう来てる
コンビニの棚流行をすぐにのせ
行動派迷う時間は与えない

「誹風柳多留」

どこへどこへとおして出る松洞寺
松洞寺は古川柳では毎度おなじみの、浅草竜泉寺町の正燈寺である。紅葉の名所でもある。吉原にも近い。いつものメンバーが遊びに出かけようという相談である。どこへどこへと勢いづくのは、正燈寺から吉原へ繰りこもうというコースだからである。「押す」には、軍勢をおし進めるという意味もあるから、大一座で繰り込もうとする勢いも言いたかったのではなかろうか。

「私の好きな句」

支える
折れそうな心支える子の寝顔
定年の朝しみじみと妻の顔
補助車無しで今日からひとり立ち

「私の好きな句」

心
ふるさとへ心のかわき埋めに行く
傷ついた心行き交う都市砂漠
有頂天心のチャック閉まらない

Web句会（４月）

Web句会（４月）

時事川柳
日本版ただそれだけで遅れてる　　　佳作

「私の好きな句」

声
お互いに声かけ合って守る過疎
愛のない教えは声が尖りすぎ
拳固よりこたえた母の涙声

「私の好きな句」

芸
手のひらへ夫をのせる隠し芸
腹芸の下手な男にある温み
どの向きの風にもなびく芸を持つ

「誹風柳多留」

どうさとつたかぜん僧もためる也
禅宗は達磨大師が開祖で、悟りは座禅によって得られるという。日本には栄西が臨済宗を、道元が曹洞宗を伝えた。この二派日本の禅宗である。お金を貯めることに目覚めたのも、悟りの一つなのであろうか。座禅の結果なし得たことである。

「私の好きな句」

空
空想と科学を詰めてシャトル飛ぶ
交通ラッシュ空は見えないから怖い
曇り空今日も私をうつにする