「川柳歳事記

エコ
気張ってもエコから抜け出せぬ我が家
自転車と徒歩で健康エコ暮らし
窓開けて夜風を入れるエコライフ

「川柳歳事記

疑う
言い訳が長くだんだん増す疑惑
もしかしてこのやさしさはもしかして
何かある亭主この頃派手好み

「川柳歳事記

勢い
勢いはまだまだちょっと押してやる
若さっていいな真っ直ぐ突っ走る
勢いをつけて思案の角曲がる

「川柳歳事記

足
マア良いか嘆息だけど丈夫なら
群像にとけて潮引く阿波踊り
反逆児足から産まれその儘で

「川柳歳事記

脇
母の日もやっぱり母は端にいる
脇役の渋さ主役を光らせる
ごっちゃんの脇の甘さにつけ込まれ

「川柳歳事記

連
十三重塔の影に連なるランボーの詩
ギターぽろんと一連の雲遠ざける
不意にはは連れて来たのはやぶ椿

「川柳歳事記

流行
辞書にない言葉がやたら流行りだす
努力賞老老介護されてして
働けるけれど働く所がない

「川柳歳事記

欲
欲一つ捨てて軽くなる明日
喜寿を過ぎなお純愛に憧れる
欲ひとつ残し余生の道標

「川柳歳事記

指
指は自由私の意志で曲げておく
うしろ指さされた背中むずがゆい
ごみはこの底に残っている小指

「川柳歳事記

やっぱり
人が好き酔えばますます好きになる
１たす１やっぱり２にはならぬ仲
サバ缶を開けたら鯖が顔出した