血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

Ultra Fantasy(ウルトラファンタジー)

2010-10-13 18:41:29 | 海外馬
Ultra Fantasy(Encosta de Lago×Belle Anglaise-Sir Ivor)セン・02生

主:5 結:6 土:1 弱:5 影:2 質[近]:2 質[遠]:3 SP:4 ST:3
合計:31点 クラス:2B 芝:6~9F ダ:5~8F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:遅め 馬場適性:芝 重馬場適性:○

○ 主導   (5)

 血統の前面でクロスいているのは、Turn-to6×4であるが途中、Royal Chargerが断絶するため、影響が弱い。しかしながら、他に影響の強いクロスである、Mahmoud6×5が血統全体においてはさほどの、影響力を行使していないと考えられるため、主導としては、Turn-toだと考えられる。しかしながら、やはり明確な主導としては物足りない。Royal Chargerが断絶したのは非常に惜しまれる点である。

○ 結合   (6)

 主導たるTurn-toと、6代目までに存在するクロスである、Pharos(=Fairway)~PhalarisはTurn-toに含まれ、MahmoudはBlenheimで、Native DancerはPhalarisで、HyperionはGainsboroughで、Sir Gallahad(=Bull Dog)はPlucky Liege~Spearmintで、Raise YouはSir Gallahad(=Bull Dog)を通じ間接的に、PrincequilloはWhite Eagleを経由してMahmoudを通じ間接的に、それぞれ結合している。ぎこちなさは残るものの、Turn-toへと能力参加をしているのが見てとれる。また、7代目以降に存在するクロスもかなりまとまりが良く、結合という観点においてはかなり優秀だと言えるだろう。ただし、Count Fleetの結合が確認できないのはマイナスで、完璧と言えるレベルではない。出来ることならばこのクロスは無かったほうが良かった。

○ 土台   (1)

 Pharos(=Fairway)が11ヶで形成。単一の土台構造としてはかなり貧弱で、サポートもGainsboroughが8ヶとかなり弱い。Ultra Fantasyは世代の問題が非常に大きい配合だが、土台構造がそれを端的にあらわしている。

○ 弱点   (5)

 父方、Sterna内に弱点を派生。非常に影響の弱い部分であるうえ9代目において、Dark Ronaldがクロスしたのは幸いで、さほど大きな欠陥とは言えないと考えられる。他のブロックにおいては、世代の問題が大きい配合にも関わらず、主導勢力が配されている点を考慮すると比較的優秀だと考えられる。

○ 影響   (2)

 影響度バランスは(8-2-14-8)と、母父であるSir Ivorを強調している。決して良好なバランスとは言い難いが、影響の強いクロスを含み、Sir Ivorの良さは再現されているのはプラス。

○ 質[近]  (2)

 父Encosta de Lago(2B)は決して良好とは言えないが、母Belle Anglaise(3B)を初め、Sir Ivor・Fairy King等、近い祖先の血は比較的良好である。血統評価以上に底力を発揮できるタイプ。

○ 質[遠]  (3)

 主導たる、Turn-to自身の血の質は決して高いとはいい難いが、次いで影響の強いMahmoudを初め、Native Dancer・Princequilloと強い影響を持つクロスの質自体は悪くはない。平均点にはあるだろうか。

○ スピード (4)

 主導たるTurn-toは、Mumtaz Begum~Mumtaz Mahalを生かしスピードを再現。Ultra Fantasyの血統内においてスピードの核を形成している(実際にはTurn-to内で生かされているPlucky Liege~Spearmint、Solario~Gainsboroughがしっかりと生きている為、決め手を備えながら、粘り強いスピードを再現している)。次いでMahmoud・Pharamondとスピードを補給している。生かされたスピード勢力は強靭でかなりのレベルだと言えるだろう。

○ スタミナ (3)

 主導たるTurn-toは、Plucky Liege~Spearmint、Solario~GainsboroughのアシストによりスタミナによさのあるTurn-toへと能力変換が行われているものの、スタミナの核と捉えるには不満が残る。しかしながら、Plucky Liegeを伴なったSir Gallahad(=Bull Dog)や、結合こそ弱いものの、Princequillo(5代目のPrincequilloは世代ズレと判断)がスタミナを補給しているのは見てとれる。平均点にはあるか。


 総括すると、スピードによさがある配合なのはしっかりと確認できるものの、全体的に世代の問題が多く(Sir Ivor2×5等)、クロス効果が若干不明瞭なのは非常に惜しまれる点で、土台構造の散漫さとあわせ、決して安定した競争成績を残せるタイプではないだろう。しかしながら、主導たるTurn-toへの血の流れは非常にレベルが高い内容で、Turn-toが明瞭な主導権を発揮していると捉えた場合(理論上では高評価できるものでは無いが)、血統上で生かされたスピード・スタミナはほぼ確実にTurn-toへと補給されていると考えられる。従って、仕上げにくいタイプではあるものの、仕上がった際には強い競馬を見せる事ができるはずである。部分部分においては、キラリと光る部分を持つ配合だと言えるだろうか。


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