血統徒然草

サラブレッドの能力を血統面から考察する我儘・自分勝手なブログ

プレイアンドリアル

2013-11-23 13:00:37 | 11年生
プレイアンドリアル(デュランダル×シルクヴィーナス-ティンバーカントリー)牡・11生

9代血統表:http://pednet.k-ba.com/cgi-bin/ped/pedigree.pl?gene=9&data=237551

主:6 結:5 土:4 弱:4 影:1 質[近]:2 質[遠]:3 SP:5 ST:3
合計:33点 クラス:2B 芝:5~9F ダ:5~8F
日本適性:○ 成長力:□ 成長型:早め 
芝適性:□ 砂適性:○ 重馬場適性:○ 距離短縮適性:◎ 距離延長適性:□


○ 主導   (6)

 主導はNearctic5×5・6を伴う、Northern Dancer4×4の系列クロス。主導勢力であるNearcticは、その父Nearco及びその母Lady Angela共に系列クロスを形成し、当馬の血統構成において、支配的なNearco~Pharos(=Fairway)系とHyperion~Gainsborough系を極めて強固に結合し、血統をリードしている。しかしながら当馬の血統構成において、主導勢力である、Northern Dancer~Nearcticは血統の2ブロック(父母及び母母)にしか存在せず、血統全体を極めて強力にリードする役割としては不満が残り、惜しまれる点である。

○ 結合   (5)

主導たるNorthern Dancerと、6代目までに存在するNearctic~Nearco、Lady Angela
~Hyperion、Native Dancer、Almahmoudは主導勢力に含まれ直接結合を果たしている。また、Olympia・KhaledはHyperionを通じ、NasrullahはNearcoを通じ、Tom FoolはPharamondを通じ結合を果たしている。近親度が高い為に当たり前ではあるが、強固に結合をはたしているとは言えるだろう。
 しかしながら、7代目以降に強いMan o'War系やTeddy系などの米系の取り込みが、間接的に行われ、しかも9代目にてかろうじて結合しているのは、近親度の強さを鑑みるに惜しまれる点ではあるだろう。

○ 土台   (4)

 土台構造は、Gainsboroughが19ヶで形成し、またPharos(=Fairway)が13ヶでアシストしているため、比較的強固だと考えてよい。

○ 弱点   (4)

 血統全体においてこれといった弱点や欠陥は存在しない。ノーザンテースト内Victoria Parkの欠陥もGallant Fox(=Fighting Fox)が8代目においてクロスし、Tom Foolを通じてかろうじてではあるものの、主導と連動したのは大きな幸いだと言えるだろう。
 ただし、かろうじてと言える部分も多く、その部分の穴埋めをしたのが前述した、結合の弱い米系であるのが多い為、決して万全とは言い難いのもまた指摘しておきたい。

○ 影響   (1)

 影響度バランスは(4-16-5-11)と、大きくバランスを崩している。主導たるNorthern Dancerが存在するブロックを強調できたのは幸いだが、安定感には乏しいと言えるだろうか。

○ 質[近]  (2)

 近い世代の血の質は決して高いとは言い難いが、サンデーサイレンスやティンバーカントリーなど、質の高い血も混合しているのは、幸いだと言えるだろう。

○ 質[遠]  (3)

 クロス馬の血の質は、主導たるNorthern Dancerを初めとして決して低くはない。ただし、Lady AngelaやAlmahmoudも強い影響を持った点を考えると、平均からやや良いといったレベルに落ち着くと考えられる。

○ スピード (5)

 主導たるNorthern Dancerは本来中距離向きのスタミナ血統だが、当馬の場合、Lady Angela、Almahmoudを初めとした短距離向きのスピードのアシストが非常に豊富で、本来の能力よりもスピード向きの効果を発揮していると考えられる。また、Nasrullah、Tom Foolもそのアシストをしているのが見て取れ、豊なスピードを秘めた血統構成だと言えるだろう。

○ スタミナ (3)

 Olympia及びHyperionを中核にした配合だが、この両者はLady Angelaの影響から強固なスタミナ系としての機能は低下していると考えられる。決して劣悪とは言えないものの、スタミナ面においては不安の残る血統構成だと言えるだろう。


 総合的に見ると、近親度の高さから生じるバランスの悪さは否めない配合で、その部分が当馬の血統構成の限界点を端的に示していると言えるだろう。また、スタミナの核の不足から、距離延長への適性は決して高いとは言い難い点も付け加えておきたい事実である。
 しかしながら、その豊なスピードは主導たるNorthern Dancerへと上手く流れているのはしっかりと見て取ることができ、バランスの悪さから長いとは言い難いものの、好調期においては強い競馬を見せる可能性もまた、秘めていると言えるだろうか。