今回の血統徒然草は、私的名馬選と銘打って、先日17年の生涯を終えた、近代日本競馬の結晶とまで言わしめた、ディープインパクトについて書いてみたいと思います。
ディープインパクト(サンデーサイレンス×ウインドインハーヘア by Alzao)牡・02生
Ⅰ 主:8 結:8 土:3 弱:3 影:3 集:6 質:4 再:4 SP:4 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:(47+1/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I ◎ C 〇 L □
ダ:S × M △ I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め
〇 主導 (8)
主導は、Almahmoud4×6の系列クロス。Almahmoud自身は父と母父の2ブロックしか存在しないが、その父Mahmoudを母父でクロスさせ、血統の3ブロックにおいて、主導勢力としての効力を発揮している。また、母母においてはAlmahmoud-Mahmoudが存在しないものの、その父Blehneimが6代目から影響を行使した為、全体的な連動は極めて強力にとはいかないものの、ひとまずはかられていると考えて良い。また、父内に存在するAlmahmoud内は、Fair Play、Spearmint、The Tetrach、Sundridge、White Eagle、Centerbury Pilgrim、Bay Ronald、Sundridge、St.Frusquinとクロスさせ、非常にきめ細かくクロスさせ、全体の結合をはかっており、その意味でもディープインパクトの血統をリードしているのはAlmahmoudだと断定する事ができる。現代的な血統としては、かなり明確な部類に入ると言える(蛇足だが、このAlmahmoudを主導とする配合において、上記の血をクロスさせる事は上位レベルで通用するための前提条件のひとつだと言える)。
〇 結合 (8)
主導たるAlmahmoudと、6代目までに存在するクロスである、Mahmoud-Blehneimは自身のサイアーラインの為、確実に結合を果たしている。Turn-toはBlenheimやGainsborough、Supermintで、Pharamond(=Sickle)は、Centerbury Pilgrimで、Sir Gallahad(=Bull Dog)はSpearmintで、HyperionはGainsboroughで、それぞれ直接結合を完了している。また、7代目に存在するクロスもほぼ主導と連動し、その結合力は強固だと言える。血統的な質が決して高くないAlmahmoudであるが、父方で欧州系を、母方で米系をそれぞれ連動させられる構造は、現代的な血統において、可能性を秘める血統だと言え、ディープインパクトの血統内においても、その役割を存分に果たしていると言えるだろう。
〇 土台・血の流れ (3)
前面のクロスを見てわかるように、前面で強い影響を持つクロスのほとんどが、Bay Ronald系の流れを持ち、血の流れ自体は良好だと言える。反面土台構造は、Gainsboroughが構成するものの、全体で14連とやや不満が残る。平均レベルにはあるもののやや不満が残る内容だとも言える(ただし、この当時のサラブレッドの土台構造は過渡期であり、同年代のサラブレッドと比較して決して劣るものでもない)。
〇 弱点・欠陥 (3)
血統全体において、これといった弱点や欠陥は存在しない。主導勢力と直接連動しない血で固めた部分もあるが、比較的良好だと言える。
〇 影響度バランス (3)
影響度バランスは(15-2-4-2)と父父のHaloを強調。残りの3ブロックの影響が低いものの、当馬の能力構成上必要とされた血が満遍なく配されている為、父父だけが突出したバランスがややいびつではあるものの、全体的には良好だと言える。
〇 血の集合 (6)
前述の通り、強調された父父Haloへ血の集合がはかられており、かなり明確に血の集合がはかられていると言える。惜しむらくはHyperionがHalo内に存在しない事だが、その父Gainsboroughが主導勢力内に存在し、明確に連動している為に、さほどのマイナスとは言えない。この父父Haloへの血の集合が、種牡馬サンデーサイレンスの一つの長所であり、当馬の血統においてもそれはしっかりと再現されていると言える。
〇 質 (4)
主導たるAlmahmoudや、強い影響を持ったTurn-toの血の質は決して高いとは言えない。また、母ウインドインハーヘアが持つ欧州系の質の高い血を完全に再現出来なかった点は惜しまれる。しかしながら、HyperionやMahmoudの質は高く、これらの血が極めて強固に主導勢力と連動したのは幸い。平均点にはあるか。
〇 再限度 (4)
父父Haloの持つ、スピード勢力の再現は非常に良好で、走るサンデーサイレンス産駒の一典型だと言える。惜しむらくは、母ウインドインハーヘアが持つ重厚な血の再現や、母父内Lypardの持つ欧州系の再現も中途半端である点で、その再限度は明瞭であるとは言い難い。
〇 スピード (4)
父父Halo内のTurn-to、Pharamond(=Sickle)、そしてスタミナ勢力のアシストを受け単距離スピードというよりは、中距離スピード型に能力変化をおこしているものの、Almahmoudと、そのスピード勢力はかなり良好だと言える。Turn-toの中間断絶の影響から、切れ味あるスピードの再現に成功しており、国内競馬においてはみるべきレベルにあると言える。
〇 スタミナ (4)
不完全ではあるものの、母母内Burghclereのスタミナを、Blenheim、Hyperionによって再現し、前述の通り極めて強固に主導勢力と連動。また、父サンデーサイレンスのスタミナ源のひとつであった、Sir Gallahad(=Bull Dog)を再度利用し、そのスタミナを再現。スピード勢力と比して極めて強力ではない為、ステイヤーのそれでは無いが、芝12Fの克服は十分に可能なレベルにあると言える。
〇 特別配点 (1)
主導牝馬クロス:Almahmoud
〇 短評
以上が、近代日本競馬の結晶とまで言われた、不世出の天才ランナーであるディープインパクトの血統的な考察になります。当馬は、単距離のスピード再現に長けるAlmahmoud主導という血統構成でありながら、不満が残るものの母内の欧州系の血をひとまず生かし、距離延長への適性を秘める血統構成を作り上げました。この、スピード型クロス主導、スタミナ型クロスが十分なアシストを行う形態は、国内の芝競馬において極めて有利な形態ではありますが(蛇足ですが、サクラスターオー(2A)も近い形態だと言えるでしょうか)、欧州競馬における12F超えのスタミナ勝負には、本質的には不利であったと考えられます。しかしながら、全体的には良くできた血統構成であると言えるでしょう。
この、競走馬として名馬であったディープインパクトの血統構成ですが、種牡馬としての血統構成もまた、自身ほどのシンプルさには欠ける産駒が予想されるものの、父父となるサンデーサイレンスへの血の集合をはかりやすく、自身のスピード勢力の再現が容易い為、名馬輩出の可能性を秘めた種牡馬であったとは言えるでしょう。また、蛇足ではありますが、このスピード再現の為に必要なクロスとして自身の主導となったAlmahmoudの再利用が考えられますが、主導勢力の項目で述べた血の再現性が、上位レベルで通用する可能性を秘めるか否かの判断材料のひとつであると言えます。記憶に新しいラヴズオンリーユー(3B)や、キズナ(1A)はここの再現がかなり良好である点は指摘しておきたいと思います。
また、父は15F超における競馬においても、圧倒的なパフォーマンスを見せていますが、これは重厚なスタミナに裏打ちされたというより、明確な主導に対して強固な結合がはかられた為に、実数の55というクロス種よりも実質的なクロスが少ないと考えられ、燃費が良い血統であった為であると個人的には考えています。
実産駒においても、芝のスプリント戦以外におけるトップレベルの産駒を輩出している為、仮想配合を考えるレベルに無い種牡馬であるとは言えますが、父の持つ軽いスピードを生かしつつ、欧州の12F戦でも戦えるスタミナ優位の産駒を考えてみました(決して関係者様に問い合わせる、またそれに類する行為を行わないようにお願いいたします。そのような方がいらっしゃるとは思いませんが)。あくまでも仮想配合でありますし、素人の思索でしかありませんが、こうした配合を見たかった種牡馬でもありましたし、出せる可能性を秘めた種牡馬であったと思います(キズナは十分にやれた可能性が高い配合であった点も、また指摘しておきたいと思います)。
(ディープインパクト×ラドランファーマ by ホワイトマズル)-・-生
Ⅰ 主:8 結:7 土:3 弱:2 影:3 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C ◎ L □
ダ:S × M △ I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め
主導は、Northern Dancerを伴うLypard4×4。次いで、Almahmoud、Pharamond(=Sickle)、Sir Gaylord-Trun-to、Roman、Donatello。これらのクロスを父母ウインドインハーヘア内に集合させるだけでなく、Nearco、Spearmint、Blenheimによって連動させ、そのスピード・スタミナをしっかりと主導勢力へと補給している。また、主導たるLypardは、本来芝向きにマイルタイプの血統構成で、その質も決して高いとは言えないものの、Ksarこそ落失するものの、その父であるBruleurをクロスさせ、Court Martial、Hurry Onや、Rabeleis、Clareissimus、La Farinaまでもクロスさせ、非常にきめがこまかく、前述のスタミナ型クロスのアシストもあり、中距離スタミナ勢力へと能力変換を起こしていると考えて良い。また、Man o’War等の米系もしっかりと連動させた点や、Donatelloの系列クロスをはじめとしてClareissimus、MieuxceをおさえたCrepello内の構造には一見の価値があり、全体的に隙の少ない血統構成。惜しむらくは、父の持つ血の流れをやや断ち切った感がある上に、スタミナ優位の血統構成である為、近親度のわりに、開花までに時間がかかると考えられる点か。
その後継者は、キズナ(1A)やディープブリランテ(3B)といった日本優駿馬だけでなく、フィエールマン(3B)といった長距離タイプ。また、リアルインパクト(2B)やミッキーアイル(3B)といったマイラー。ジェンティルドンナ(2B)やラヴズオンリーユー(3B)といった名牝。彼の血は非常に太く強く、現在は日本競馬に残っています。過去、名馬の墓場と言われた日本競馬ですが、これだけの太いサイアーラインを築いた、日本産馬は、いまだかつて皆無だったと言えるでしょう。それだけに、17年といった我々人間の感覚からすれば早すぎる死を迎えた彼の血を残す事こそが、彼に対する最高の手向けになるといえるのではないでしょうか。また、それこそがパートⅠ国となって久しい、日本競馬が抱える課題の一つだと個人的には思います。
駄文ではありますが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。近代日本競馬の結晶とまで言わしめた、ディープインパクトよ、どうか安らかに。
ディープインパクト(サンデーサイレンス×ウインドインハーヘア by Alzao)牡・02生
Ⅰ 主:8 結:8 土:3 弱:3 影:3 集:6 質:4 再:4 SP:4 ST:4 特:1(主導牝馬クロス)
合計:(47+1/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M 〇 I ◎ C 〇 L □
ダ:S × M △ I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:普通 成長型:遅め
〇 主導 (8)
主導は、Almahmoud4×6の系列クロス。Almahmoud自身は父と母父の2ブロックしか存在しないが、その父Mahmoudを母父でクロスさせ、血統の3ブロックにおいて、主導勢力としての効力を発揮している。また、母母においてはAlmahmoud-Mahmoudが存在しないものの、その父Blehneimが6代目から影響を行使した為、全体的な連動は極めて強力にとはいかないものの、ひとまずはかられていると考えて良い。また、父内に存在するAlmahmoud内は、Fair Play、Spearmint、The Tetrach、Sundridge、White Eagle、Centerbury Pilgrim、Bay Ronald、Sundridge、St.Frusquinとクロスさせ、非常にきめ細かくクロスさせ、全体の結合をはかっており、その意味でもディープインパクトの血統をリードしているのはAlmahmoudだと断定する事ができる。現代的な血統としては、かなり明確な部類に入ると言える(蛇足だが、このAlmahmoudを主導とする配合において、上記の血をクロスさせる事は上位レベルで通用するための前提条件のひとつだと言える)。
〇 結合 (8)
主導たるAlmahmoudと、6代目までに存在するクロスである、Mahmoud-Blehneimは自身のサイアーラインの為、確実に結合を果たしている。Turn-toはBlenheimやGainsborough、Supermintで、Pharamond(=Sickle)は、Centerbury Pilgrimで、Sir Gallahad(=Bull Dog)はSpearmintで、HyperionはGainsboroughで、それぞれ直接結合を完了している。また、7代目に存在するクロスもほぼ主導と連動し、その結合力は強固だと言える。血統的な質が決して高くないAlmahmoudであるが、父方で欧州系を、母方で米系をそれぞれ連動させられる構造は、現代的な血統において、可能性を秘める血統だと言え、ディープインパクトの血統内においても、その役割を存分に果たしていると言えるだろう。
〇 土台・血の流れ (3)
前面のクロスを見てわかるように、前面で強い影響を持つクロスのほとんどが、Bay Ronald系の流れを持ち、血の流れ自体は良好だと言える。反面土台構造は、Gainsboroughが構成するものの、全体で14連とやや不満が残る。平均レベルにはあるもののやや不満が残る内容だとも言える(ただし、この当時のサラブレッドの土台構造は過渡期であり、同年代のサラブレッドと比較して決して劣るものでもない)。
〇 弱点・欠陥 (3)
血統全体において、これといった弱点や欠陥は存在しない。主導勢力と直接連動しない血で固めた部分もあるが、比較的良好だと言える。
〇 影響度バランス (3)
影響度バランスは(15-2-4-2)と父父のHaloを強調。残りの3ブロックの影響が低いものの、当馬の能力構成上必要とされた血が満遍なく配されている為、父父だけが突出したバランスがややいびつではあるものの、全体的には良好だと言える。
〇 血の集合 (6)
前述の通り、強調された父父Haloへ血の集合がはかられており、かなり明確に血の集合がはかられていると言える。惜しむらくはHyperionがHalo内に存在しない事だが、その父Gainsboroughが主導勢力内に存在し、明確に連動している為に、さほどのマイナスとは言えない。この父父Haloへの血の集合が、種牡馬サンデーサイレンスの一つの長所であり、当馬の血統においてもそれはしっかりと再現されていると言える。
〇 質 (4)
主導たるAlmahmoudや、強い影響を持ったTurn-toの血の質は決して高いとは言えない。また、母ウインドインハーヘアが持つ欧州系の質の高い血を完全に再現出来なかった点は惜しまれる。しかしながら、HyperionやMahmoudの質は高く、これらの血が極めて強固に主導勢力と連動したのは幸い。平均点にはあるか。
〇 再限度 (4)
父父Haloの持つ、スピード勢力の再現は非常に良好で、走るサンデーサイレンス産駒の一典型だと言える。惜しむらくは、母ウインドインハーヘアが持つ重厚な血の再現や、母父内Lypardの持つ欧州系の再現も中途半端である点で、その再限度は明瞭であるとは言い難い。
〇 スピード (4)
父父Halo内のTurn-to、Pharamond(=Sickle)、そしてスタミナ勢力のアシストを受け単距離スピードというよりは、中距離スピード型に能力変化をおこしているものの、Almahmoudと、そのスピード勢力はかなり良好だと言える。Turn-toの中間断絶の影響から、切れ味あるスピードの再現に成功しており、国内競馬においてはみるべきレベルにあると言える。
〇 スタミナ (4)
不完全ではあるものの、母母内Burghclereのスタミナを、Blenheim、Hyperionによって再現し、前述の通り極めて強固に主導勢力と連動。また、父サンデーサイレンスのスタミナ源のひとつであった、Sir Gallahad(=Bull Dog)を再度利用し、そのスタミナを再現。スピード勢力と比して極めて強力ではない為、ステイヤーのそれでは無いが、芝12Fの克服は十分に可能なレベルにあると言える。
〇 特別配点 (1)
主導牝馬クロス:Almahmoud
〇 短評
以上が、近代日本競馬の結晶とまで言われた、不世出の天才ランナーであるディープインパクトの血統的な考察になります。当馬は、単距離のスピード再現に長けるAlmahmoud主導という血統構成でありながら、不満が残るものの母内の欧州系の血をひとまず生かし、距離延長への適性を秘める血統構成を作り上げました。この、スピード型クロス主導、スタミナ型クロスが十分なアシストを行う形態は、国内の芝競馬において極めて有利な形態ではありますが(蛇足ですが、サクラスターオー(2A)も近い形態だと言えるでしょうか)、欧州競馬における12F超えのスタミナ勝負には、本質的には不利であったと考えられます。しかしながら、全体的には良くできた血統構成であると言えるでしょう。
この、競走馬として名馬であったディープインパクトの血統構成ですが、種牡馬としての血統構成もまた、自身ほどのシンプルさには欠ける産駒が予想されるものの、父父となるサンデーサイレンスへの血の集合をはかりやすく、自身のスピード勢力の再現が容易い為、名馬輩出の可能性を秘めた種牡馬であったとは言えるでしょう。また、蛇足ではありますが、このスピード再現の為に必要なクロスとして自身の主導となったAlmahmoudの再利用が考えられますが、主導勢力の項目で述べた血の再現性が、上位レベルで通用する可能性を秘めるか否かの判断材料のひとつであると言えます。記憶に新しいラヴズオンリーユー(3B)や、キズナ(1A)はここの再現がかなり良好である点は指摘しておきたいと思います。
また、父は15F超における競馬においても、圧倒的なパフォーマンスを見せていますが、これは重厚なスタミナに裏打ちされたというより、明確な主導に対して強固な結合がはかられた為に、実数の55というクロス種よりも実質的なクロスが少ないと考えられ、燃費が良い血統であった為であると個人的には考えています。
実産駒においても、芝のスプリント戦以外におけるトップレベルの産駒を輩出している為、仮想配合を考えるレベルに無い種牡馬であるとは言えますが、父の持つ軽いスピードを生かしつつ、欧州の12F戦でも戦えるスタミナ優位の産駒を考えてみました(決して関係者様に問い合わせる、またそれに類する行為を行わないようにお願いいたします。そのような方がいらっしゃるとは思いませんが)。あくまでも仮想配合でありますし、素人の思索でしかありませんが、こうした配合を見たかった種牡馬でもありましたし、出せる可能性を秘めた種牡馬であったと思います(キズナは十分にやれた可能性が高い配合であった点も、また指摘しておきたいと思います)。
(ディープインパクト×ラドランファーマ by ホワイトマズル)-・-生
Ⅰ 主:8 結:7 土:3 弱:2 影:3 集:6 質:4 再:5 SP:4 ST:4 特:0
合計:(46/60)点 クラス:1A
Ⅱ 日本適性:□ 成長力:〇
Ⅲ 距離適性
芝:S × M □ I 〇 C ◎ L □
ダ:S × M △ I □ C △ L ×
芝適性:〇 ダート適性:△ 重馬場適性:□
Ⅳ 開花率:低め 成長型:遅め
主導は、Northern Dancerを伴うLypard4×4。次いで、Almahmoud、Pharamond(=Sickle)、Sir Gaylord-Trun-to、Roman、Donatello。これらのクロスを父母ウインドインハーヘア内に集合させるだけでなく、Nearco、Spearmint、Blenheimによって連動させ、そのスピード・スタミナをしっかりと主導勢力へと補給している。また、主導たるLypardは、本来芝向きにマイルタイプの血統構成で、その質も決して高いとは言えないものの、Ksarこそ落失するものの、その父であるBruleurをクロスさせ、Court Martial、Hurry Onや、Rabeleis、Clareissimus、La Farinaまでもクロスさせ、非常にきめがこまかく、前述のスタミナ型クロスのアシストもあり、中距離スタミナ勢力へと能力変換を起こしていると考えて良い。また、Man o’War等の米系もしっかりと連動させた点や、Donatelloの系列クロスをはじめとしてClareissimus、MieuxceをおさえたCrepello内の構造には一見の価値があり、全体的に隙の少ない血統構成。惜しむらくは、父の持つ血の流れをやや断ち切った感がある上に、スタミナ優位の血統構成である為、近親度のわりに、開花までに時間がかかると考えられる点か。
その後継者は、キズナ(1A)やディープブリランテ(3B)といった日本優駿馬だけでなく、フィエールマン(3B)といった長距離タイプ。また、リアルインパクト(2B)やミッキーアイル(3B)といったマイラー。ジェンティルドンナ(2B)やラヴズオンリーユー(3B)といった名牝。彼の血は非常に太く強く、現在は日本競馬に残っています。過去、名馬の墓場と言われた日本競馬ですが、これだけの太いサイアーラインを築いた、日本産馬は、いまだかつて皆無だったと言えるでしょう。それだけに、17年といった我々人間の感覚からすれば早すぎる死を迎えた彼の血を残す事こそが、彼に対する最高の手向けになるといえるのではないでしょうか。また、それこそがパートⅠ国となって久しい、日本競馬が抱える課題の一つだと個人的には思います。
駄文ではありますが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。近代日本競馬の結晶とまで言わしめた、ディープインパクトよ、どうか安らかに。